見出し画像

将棋じゃなきゃ。

嫌いなわけではないけれど、7並べが苦手だ。最初に7を出すのに手間取ってみんなを待たせるから苦手だ。持っているカードを出すことに集中しているうちに、ゲームが終わる。もちろん一度も勝ったことがない。

オセロもUNOも、ありとあらゆるボードゲームに勝ったことがない。

ある日、家人がせっせとテレビで将棋を見ているのを隣で聴いていた。そう、まさに聴いている状態。何を話しているのかまるでわからんちん、完全に数学の授業を受けていたころのJK時代に戻ったようだった(何十年前よ?)。

ええい、こうなったらルールくらいわかってやろうじゃないのと意気込んで、イラスト満載将棋入門を購入したものの、「相手の陣地に入った駒は成れるんだよ、成らなくてもいいけど」とか言われて、はあ?難しすぎる。無理。

それからしばらくして、またしてもテレビで将棋が流れているのを目にしてしまった。そのときは一人だったが、なぜだか画面に惹きつけられた。解説している人が、ダンディでハンサムだっただけじゃない。めちゃくちゃおもしろいのだ。何を言ってるのかわからないことに変わりはないのに、めちゃくちゃおもろい。

あんまりおもしろかったので、今度こそルールを覚えようと思ったが、前述通りの阿呆なので、駒に矢印が描いてあるものを使い、おはじきを並べて駒の行く先を示してもらいながら、なんとかかんとかの勉強だった。今でも、斜めに動く角の行く道だけは不安になるけれども、雨の日も風の日も欠かさず将棋を見ている。

ちなみに、江戸時代は幕府から禁止令が出たほど、将棋にとりつかれた町民が多かったそうな。

私が一番好きなのは、対局の内容が符号で書かれている棋譜を盤と駒を使って並べることと、棋譜動画を見ること。どちらも神の気分を味わえる。
将棋を指すのは、楽しいというより、我を忘れる恐ろしい習慣なり(朝からぶっ通しで夜中まで指していたことも…)。

そして、いつも不思議だと思うのは、棋士の方々が指した難解な手筋がこんな自分にもわかるし、感動することができることだ。

アインシュタインが確立したという相対性理論がすごいということは知識として知ってはいるけれども、その仕組は一ミリもわからない。でも、羽生先生の指した伝説の金合いのすごさとか、谷川先生の角歩成のすごさとか、あー、もう言い出したらキリがねえ、とにかくそのすごさがわかることが、なんとありがたいことか!もちろん、解説を聞いたうえでだけど。

みなさん、数1しか上がってない赤点常連でも7並べができなくても、将棋に夢中になれるのです。

将棋は宇宙です。


ちなみに、
ダンディでハンサムで面白い棋士の先生の名前は、藤井猛九段です。検索してみてね★




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?