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【転職】なぜ君は会社の評価に不満を持つのか part2

前回に引き続き、社内評価について書きたいと思います。

⑤ ”自己評価”を巡るヒトの性質

前記事のような構造上の問題から、社員らが感じる達成感と会社が設けた基準の間には乖離が生じやすいと言えそうです。加えて、”そもそも人間は、自分のことを高く評価しがち”という性質も考慮する必要があります。

「あなたは同じ仕事をしている同僚と比べて、自分の仕事の能力はどの程度だと思いますか?」という問いに対して、「1.平均よりかなり下 2.平均よりやや下 3.平均程度 4.平均よりやや上 5.平均よりかなり上」の5つの選択肢が与えられている場合、米国を中心に行われてきた数多くの同様の研究では、ほとんどの人が、4か5を選択することが報告されているといいます。

「自分は100のことをやったんだ!」と思ったとしても、多くの場合、他人からは70くらいしかやっていないように映っていることでしょう。ヒトがこんな性質を持っているとすれば、どんなに制度がしっかりしていようと、満足しきるということは難しいとも考えられます。


⑥ 人事評価を気にすると

過度に人事評価を気にしてしまうと、ロクなことがありません。

職務等級制度では、相手がどのランクに属しているか、わかるようにする場合もあります。”〇〇さんはそこそこ仕事がデキるな”なんて、上から目線で評価していた相手が、自分よりも高いランクに上がろうものなら、嫉妬の炎が燃え上がります。

あいつなんて愛想がいいだけじゃないか!

あいつの売上が増加したのは、たまたま顧客が新商品を発売して・・・

”よし、私も追いつけるように頑張ろう!”と正しい動機付けになるならよいのですが(もともとの制度のコンセプトは、これを目指しているのでしょうが)、一定数の人たちは、"上司がわるい""制度が悪い"と、不満の矛先を会社に向け、攻撃的になったり、モチベーションを落としてしまいます。

私自身もこうした人事評価のモヤモヤに迷い込んだ経験があります。

最初に正社員として働いた広告代理店で、経理と予算管理の部門を兼務していた時期がありました。両方の業務をこなすわけで、必然的に仕事量は格段に増えます。結果として、それまでで最も多くの残業をして(といっても60時間くらいでしたが)、自分としては”会社に貢献したぞ”という感覚がありました。

しかし、その半期の人事評価は「B-」(ビーマイナス)。”平均よりちょっと悪いよ”という、それまでで最も悪い結果だったのです。多忙がゆえに、やや気が滅入っており、人事評価システムにバカ正直に「〇〇でミスをした」など、ネガティブなことも書いていたため、上長も低く採点しやすかったのでしょう。

私はそれまでで最も頑張ったのに、過去最低の評価が付いたということに愕然としました。そして、当時は上長に対して「どこを見てるんだ!」と不満を持ったことを覚えています。

⑦ 転職を機に社内評価が気にならなくなった

その後私は、自分のキャリアやスキルに不安を感じたことから、その会社から転職することになります。

すると以降、人事評価、社内での評価は気にならなくなったのです。
心のどこかで「またいつか転職するかも」と思ったら、一度の評価がAでもBでも、なんとも思いません。そんな評価は履歴書に書けないからです。上司や制度に対しての不満は軽減し、不思議と「あいつは穏やかな奴だ」と、印象も変化します。結果的に仕事を振ってもらえたり、高く評価してもらえたりと、好循環が生まれるのです。

転職後に意識していたことは、再び転職する際に「私はこれをやりました」と胸を張れるような仕事に従事し、やりきるということです。高く評価してもらえれば尚善しという気持ちでした。

ロイヤリティ・エンゲージメントが低いと言えばそうなのですが、
私の場合は自分にとっても、会社にとっても、良い結果に結びついていると思います。

さて、前回と今回で人事評価について書いてみました。会社員として働く方々の参考になればありがたいです。

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