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春爛漫 桜吹雪に思いを乗せて

朝は黄砂で黄色く空が濁っていた。
春霞というような美しい色ではなかった。
軽い落胆を感じる。

それでも春。
気軽に散歩に出て、川端の桜並木を見に来た。
ちょうど両岸の桜は満開を迎え強く吹き始めた風に花びらを飛ばしていた。

桜吹雪。

空を覆っていた黄砂は風に追われ、春らしいのどかな青空が見え始めた。
この場所は、両岸に桜が並び、豪華な眺めとなる。
今年は、天候不順のせいか桜が散るのが早い。

この夢幻のような桜吹雪を見るのが好きだ。

他の花と違い、茶色く枯れた色を見せることもなく美しいまま散っていく。
一斉に風に乗って飛ぶその潔さ。

道や川に落ちてもその花びらの美しさは変わらず、クルクルと道を走ったり花筏となって川を飾る。

ほんの少しピンク色を帯びた白い嵐。

ああ、こんなふうに生きたい。

こんなふうに消えたい。

毎年、感嘆しながら見惚れる春爛漫の花の踊り。



絵 マシュー・カサイ「春爛漫 桜吹雪に思いを乗せて」水彩


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