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先手を打つ 一 なんでコンドーム自販機を巡ってるのか分からない2

コンドーム自販機という珍しいものを巡っている人に会ったら、聞きたいことだってあるだろう。ここは先回りして聞きたいと思われることに答えておく。

Q.なんでコンドーム自販機が好きなんですか?
A.分かりません。
Q.でも過去には色々言ってましたよね?

そう、確かに言っていた。過去にコンドーム自販機が好きな理由として挙げたのは以下の通り。

・コンドームをエロいものと誤解していたので、街中にいきなりエロいものがあるという、違和感を愛でていた。
・自販機のコピー「明るい家族計画」をセックスの言い換えと誤解し、それが面白かった。

いずれも嘘ではないが、実感はしていない。脳みそから理屈を出したって感じだ。しかも、いつもいつも聞かれまくるから理屈を用意した訳じゃない。

私は同じように少し変わったことをしている人々とほとんど交流を持っていないし、自分がコンドーム自販機を巡っているのを周りの人々に、ほぼ話していない。だから理由を聞かれる場に、それほど遭遇していないのだ。
にも関わらず、聞かれるだろうなぁと勝手に思い、勝手に理屈を用意したのだ。サービス精神が旺盛なのか、ただの自意識過剰なのか。自分でもアホかな?と思う。
だが、メディアを賑わせているマニアで「なぜ好きなのか」の問いに明確な答えを持っている人は、ごくごく少数だと思う。ほとんどの人は私と同じように「理由なんて分からない」が本音だと思う。
私は聞かれてもいないのに自分で理由を深掘りしてみたが、深掘りしすぎて、もう疲れた。聞かれてもいないけれども。しかも「これだ!」と腑に落ちる答えは見つからない。だから堂々言う。

分からん。

Q.コンドーム自販機の魅力ってなんですか?
A.分かりません。

Q.なんで毎日「今日の#コンドーム自販機」ってSNSに投稿をしてるんですか?

A.コンドーム自販機を巡るきっかけが「彼らに絶対出来ないのことをやる※」だったので、そのやっている証みたいな感じで始めましたが、今やそんな理由もなく、なんで続けてるのか分かりません。

また、同じ自販機の写真を何日もかけて、色々なアングルの写真を上げているのは、「せっかく撮影したんだし、まぁ見てやってくださいよ」って感じでやっている。あと、毎日投稿するので1日1件にするとペースが早すぎて撮影に追われてしまうから時間稼ぎも兼ねている。

Q.コンドーム自販機ってそんなにあるんですか?
A.ないです。

コンドーム自販機を巡ると言うと、フラフラ歩いて偶然に見つけていると想像する人もいるみたいだが、偶然になんて見つかるわけが無い。前もって探しておくのだ。

Q.どうやって探すんですか?
A.気合いと根性です。

Googleマップで検索しまくって頑張って見つける。ほぼこれ一択。ちなみに自販機を探す以外の場所では、私は気合いも根性もない生活を送っている。自販機を探す時だけ、気合いと根性で何とかするのだ。

Q.日本全国まわったんですか?
A.まわってません。東京がメインです。

Q.今まで何件くらい行ったんですか?
A.7年かけて600件ぐらいです。


…………………………

よく聞かれそうな質問はこんなところだろうか。どれも素っ気ない答えばかりだ。
そもそも私は自分の事がよく分からない。自分は何を感じているのかを自覚するのが恐ろしく苦手だ。それが顕著なのがストレスに対してで、日頃ストレスが溜まったと思うことなく、全くストレスを感じずに生活しているが、突然に何らかの不調が体に現れて、どうやらストレスが溜まっているらしいとぼんやり思っていたりする。
そんな私がコンドーム自販機に対する自分の中にある理由を見つけられるはずも無い。それでも答えを探して、探して、探しまくって、答えの言葉をなんとか探し出すのだが、言葉に出してみると、なんか違う気がする。近いけどズレてる気がする。ハズレではないけど本当では無い気がする。この現象は何なのだろう。それならば、どこかから理由の言葉を持ってくるより私にとっては、全部「分かりません」の方がしっくりくる。

とは言え、自分の事が分からないのだから数年後には「分かりません」を否定するのかもしれない。別にコンドーム自販機巡りを仕事にしている訳でもないのだから、それでもいいだろう。

しかしたった今気づいたのだが、私には「コンドーム自販機を巡り続ける数年後」があるらしい。何も分からないのに、何ともおかしな話じゃないか。全く、どういうことだろう。

※詳しい内容は「なんでコンドーム自販機を巡ってるのか分からない」に記載。

photomemo:今回のヘッダーの写真は、初めて間もない頃に撮影したものです。この頃はスマホで撮影してました。

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