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育児が"無理ゲー"なのは小学生になってから~休日クライシス~

木曜がくると気が重い。金曜なんて最悪だ。土曜には「早く週末が終わってくれ」と、朝目覚めた瞬間に思ってしまう。

第一子を産んだばかりの女性たちは「お産の後、すぐに仕事を始めちゃった」「育児って意外と楽だね。もっと大変かと思ってた」と言う。最近は保育園の数も増えたし、あらゆる業務がリモートにもなり(裁判所もリモートになったので、弁護士ママは家からzoomで裁判に参加したと言っていた)、"男性も育児をしろよ"という風潮になってきたからだろう。

そんな彼女たちに伝えたい。育児の大変さが加速するのは、子供が小学校になってからだと。

まず保護者とのトラブルだ。保育園の頃は子供同士でトラブルがあっても「まあ、子供が小さいからね」で済まされる。小学生で喧嘩が起こり、厄介な親に当たると悲惨だ。自分の子供の非を認めない親もいるばかりか、「お宅はどんな教育してるんだ!?」と逆ギレしてくる困った人もいる。

小学校では保護者同士の顔が見えてないため、子供同士は仲が良くても、親はそうでも無いことが多い。子供たちは仲直りしていても、変な親にエンカウントしてしまうと、鎮火に労力も時間もかかる。それよりも憂鬱なのは、土日祝日を始めとした、休日の過ごし方である。

子供が幼児のうちは、親が望む場所に子供を連れて行ける。動物園や水族館、美術館や緑が豊かな公園など、親も楽しい場所へ一緒に出かけることができる。

一方で小学生は、野球やサッカーなど土日を丸一日潰してくれる習い事をしない限り、休みの日に行く場所がない。子供もしっかり自我があるので、親が図書館や博物館など教育的な場所に連れて行こうとしても、嫌がられることが多い。ゲームセンターやYouTube、Switchの方が魅力的だからだ。

一部の親からは「うちは図書館で1日時間を潰してくれるの」「パズルやお絵描きをして、家で過ごしてくれるから」という声も聞く。そんな声は子供ガチャでSSRを引いた、運の良い親だけ。全く参考にしならない。ほとんどの親は私のように、休日の過ごし方に頭を悩ませているんではないかと思う。

土日以外にも、忘れてはならないのが長期休みだ。春休みや夏休みや冬休みに加えて、最近では秋休みもある。"夏休み格差"と昨年は騒がれていたように、過ごし方は家庭で大きく異なる。

これらの期間は、保育園ではどれもフル出勤してくれていた。そのため小学生の親特有の悩みだ。「子供の学校が休みなので、仕事を休みます」というわけにはいかない。子供はロクなことをしたがらない。「ゲームや動画より楽しいものを用意しよう」と教育者は言うが、そんなものあるか?毎日旅行に行く訳にもいかないし。無理ゲー・オブ・無理ゲーである。

小学二年生以上になれば友達と約束してくるのだろうが、小学一年生ではまだできない。我が家のように夫が土日勤務だったりすると、更に悲劇である。

今朝も出勤前に夫が「本当はもっと早く出たかったけど、9時まで子供とかくれんぼをしてあげたんだ。感謝してよ」と言ってきた。棒読みと真顔で「アリガトウ」と言ったら、「気持ちが入ってない」と一蹴された。気持ちなんて入らないに決まっている。私はこれから子供3人を抱えて、1日を過ごさなくてはならないのだ。

やっとのことで今日を終えたところで、目の前には強敵"春休み"が控えている。奴を倒した後には、ああ、忌々しいゴールデンウィークが待っている。リラクゼーションドリンク"チルアウト"をがぶ飲みしながら、子供が"それなら家でゲームよりも楽しそう。少しなら行ってもいいかも"と思えるようなイベント情報を、死んだ目で調べるのであった。


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