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ちょっぴりイギリス風味? 冷やし担担素麺。

いきなりの告白だけど、お金持ちでは決してない。

今までに立ち寄って読んでくださった方々はとっくにご存じだと思うけど、基本的に渋チンの節約生活を続けている。続けざるをえないのだ。

そんな身としてはこのところの野菜の価格高騰はけっこう地味にボディブローのように効いていて、気がつけばここのところずっとトマト、ピーマン(唐辛子系)、キュウリといった今最もだぶつき気味の夏野菜ばかり口にしている。意外と飽きないが、本音のところは他の野菜だって食べたいなあと思っている。

きっとお金持ちというのは300円以上もするキャベツやブロッコリーなんかを「あら今の時季高いわね、でも一時のことだししかたないわよね」と我慢して買えちゃう人のことなんだろうとぼんやり想像している。

あとサンマね。痩せっぽちが二尾で500円以上してても「でも今、旬だもんねえ」とか言ってシレッと買えちゃうんだろう。全くの他人事でちょっと現実味がない。

そんな数百円単位の贅沢をしたところで急に食うに困ったりはしないって頭ではわかっているんだけど、でもこのぐらいの出費レベルで逡巡してしまうのである。ふだんそんな高値で売られていないものを、たとえ一時的であるにせよムリして買うなんて損だ、という気持ちが勝ってしまう。ビンボー人根性が染みついているのである。

そんな中、先日仕事を早めに切り上げて帰ってくると、玄関口で妻が待ち構えていて「今から最寄りのスーパーに行って一緒に買い物しないか」と誘ってきた。なんでも、あまりにお肉が安いのだが量もバカにならないので買うべきかどうかひとりでは決めかねるというのだ。すわ、夫婦ふたりで観に行って、悩んだ挙句1キロ799円の牛豚合挽き肉ジャンボパックを買ってしまった。

いくら100gあたりの単価が安かろうと、お肉に800円はなあと通常は思うところだが、産地がちょっと珍しかったのだ。

もちろん国産牛・豚だけではない。外国産も混じっているからこその値段である。しかし俄然興味を惹かれたのはラベルに「イギリス産」と書かれていたことだ。このスーパーではかつてフランス産の豚肉を何回か買ったことがあるか、しかし食肉で安値のものといえば今までせいぜいがアメリカ・カナダ産であった。イギリス産は見たことがない。

かつて世界でいちばんの先進国だった国のお肉が、今極東のスーパーで安物として売られている裏にどんな流通のカラクリがあるのかはわからない。なんかもうイギリスもこの国と同じであんまり経済的競争力がなくなっちゃったのかなあ、なんて思いを馳せてみたりするが、真相はナゾだ。でもとにかくイギリス産の牛肉が食べてみたかったので、1キロなんて我が家には多すぎることは重々承知のうえで購入を決意したのだった。

イギリス産混じりの合挽きで肉味噌作り。

担担素麺06

お昼はそうめんにした。先ほど書いたようにキュウリがずっと過剰気味なので、肉味噌と一緒に担担素麺にしようという魂胆である。イギリス産混じりの合挽き肉をニンニク、生姜とともにひと握り炒めて、油が透き通ってきたら豆板醤と甜麺醤、紹興酒、粉末中華スープの素で調味する。

炒めている間は、特にケモノケモノした牛独特の臭みはそこまで感じなかった。飼料の関係かそれとも熟成度合いによってか、欧米のお肉はときどきすごくパンチが強いんだけど、意外とそんなふうでもない。混じっている割合がもしかしたらわりと低いのかも。

担担素麺07

ボウルにとり、水を張った鍋に浮かせて粗熱をとる。

ごまだれ、めんつゆ、ラー油でスープを適当に合わせる。

担担素麺08

擂った白ごま、ラー油、ごまだれ、めんつゆを適当に目分量で合わせ、スープを作る。他に(撮ってないけど)キュウリとタマネギを刻んで下ごしらえ完了。

完成、ちょっぴりイギリス風味(?)の冷やし担担素麺。

担担素麺01

茹でたそうめんをゴシゴシもみ洗いし、水気をよく切ってスープに浮かべ、キュウリ、肉味噌、タマネギを散らしてできあがり。

担担素麺02

すすってみると・・・おやおや、悪くないですぞー。牛肉のコクはしっかりあるけど臭みは全く感じられない。別にふつうの外国産合挽き肉という感じ。ちょっと拍子抜け。おわー、なんじゃこりゃーってのをちょっと期待してたのになあ。

強いて気になる点をあげるとすれば、いくらか炒め時間が長かったせいか、あるいはこの肉の特徴なのか、少しカリッとした食感のかけらが多い気がした。なんというか、水分も油分も飛んでしまってカシュカシュの油カスみたいになった感じ。でもそれがかえっていいアクセントになっているとも言えて、思ったよりは悪くない。

ちょっぴりイギリス風味の担担素麺、おいしくいただきました。

お金がないかわりに何とか・・・ならないことも多いけど。

きっとお金を出せば増える楽しさやおいしさ、生活全般の豊かさってたくさんあるんだと思う。それらを否定する気は全くない。むしろ羨ましく思っている。でも残念ながらそれら全部に手を伸ばすことはこの暮らしではちょっとできそうにないから、せいぜい自分にできる範囲の工夫で毎日の食卓にしても変化をつけて過ごそうと日々試みているつもり。

その点では、イギリスの肉ってどんな味なんだろう、と面白がることができたから、まずまず工夫できたかなって感じかなあ。何気ない土曜日のお昼ごはんがちょっとしたイベントになったし。

今夜は残りを活用してハンバーグを作る予定。何と言っても(一部)イギリス産なのだ。いつもより少し本格的な仕上がりになるかなあ。楽しみー。

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