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父(140字小説)

どうやら、あと十分くらいしか時間は残されていないようだ。まだ十分あると思えばいくらかは救われる気もするのだが、実際のところ、十分では何もできない。十分くらいの「くらい」がどれほどの時間なのか気になるところだ。なぜだろう。こういうときに限って父のことを思い出す。僕は父が嫌いなのに。

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