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「製造業」×「営業職」の魅力(後半)

お疲れ様です、こたろうです。

皆様いかがお過ごしでしょうか?とうとう本日、首都圏・関西圏の大都市を中心に緊急事態宣言が出ましたね。そしてコロナウイルスの影響によって皆様のお仕事だったり、プライベートではどのような影響ありますか?

事業部毎で対応が違うものの、私が勤めている名古屋の事業所は、一部職種を除き、4月6日(月)から6月30日(火)まで原則在宅勤務での対応となりました。営業活動やサービス対応等どうしても客先への訪問が必要な場合は、上司への報告と承認を得れば外出可という形になります。但し、ロックダウン(都市閉鎖)が今後発動された場合は、その外出も出来なくなってしまいます。非常にやりにくい中での業務となりましたが、会社としてもこの厳しい経済活動の中で、一定の成果を上げることが出来たなら、新しい勤務体系を体現化でき、社会全体のお手本になるだろうと言ってます。何はともあれ、コロナウイルスの収束を一刻も早く願うばかりです。

さて、前回は「製造業」×「営業職」の魅力(前半)ということで、このような記事を書かせて頂きました。「スキ」をして頂いた方々、本当にありがとうございました。今回の記事はこの続きのため、まだ読んでないという方は、こちらをまず先に読んで頂いた方が、より内容が頭に入ってくるかと思います。

①魅力を一言で表すと?

タイトルにもある通り、「製造業」×「営業職」の魅力(後半)は一言でズバリ表すと「お客様と長いお付き合いを構築できること」です。

保険・住宅・自動車ディーラー・アパレル等、世の中には製造業以外にも、たくさんの営業職があります。住宅メーカーの営業職を少しかいつまんで話してみます。基本的には、マンションや分譲住宅は、平均的な家庭においては一生に一度の買い物だと思います。お客様が販売した営業マンをどれだけ気に入って頂いても、販売が終われば、その後のお付き合いはなかなか続かないのが現状です。そして住宅メーカーの営業マンは次の案件創出のため、新たな顧客獲得に向けて動きます。

製造業の営業マンはどうでしょうか。ルート営業・新規開拓営業、商社とメーカーによってその比率は違えど、どちらも必ず両方あります。どんな営業方法であれ、「製品を買って頂いた後のアクションをどうするか」がとても重要になってきます。つまり、販売後の対応次第で、芋づる式でリピート購入が発生するか、大手企業なら販売した部署とはまた違う部署・工場へ横展開され、新たな案件が発生するか、こういった事例が出てきやすいからです。

②ビジネススタイル

会社は業界・職種・会社規模・雇用形態・事業内容に限らず、ビジネスを行う以上、継続的に収益(売上・粗利)を獲得し続けなればなりません。その収益を獲得する方法には大きく分けて2種類の考え方があります。

フロー型:必要なときに必要な商品やサービスを提供するビジネススタイル。住宅やブライダル等、販売することができれば一気に大きな利益を得ることが出来るものの、常に新たな顧客獲得をしなければならない。

ストック型:携帯電話代や水道代等、仕組みやインフラを作ることにより、継続的に収益が入ってくるビジネススタイル。 毎月のように決まった額の収支があるため、安定した経営を行える特徴がある。

先ほど例として述べた住宅メーカーの営業職は「フロー型」に当てはまり、いわゆる「売り切り型」のビジネススタイルであります。製造業の営業職の場合で考えてみましょう。工作機械・ロボット・センサーといった製品も分譲住宅と同様に「売り切り型」であるように見えます。確かに、製品をお客様へ販売して、販売した営業マンが「特に何もしなかった」場合はごく普通の「売り切り型」で終わってしまいます。但し、販売後の問い合わせ対応であったり、営業マンのフォロー次第では、「新たなリピート」が生まれます。一つのお客様から、フロー型の案件が次々に出てくる可能性があります。

ものづくりの工場には、数多くの生産部署があります。当たり前の話ですが、従業員数・事業所数・売上額・系列会社等が多ければ多いほど、その拠点数は多くなります。架空の製造会社の組織図を私の方で作成してみました。

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一つの工場だけを俯瞰しても、様々な部や課があります。例えば「生産技術部  生産技術課  生産技術第一係」へ設備用のセンサーを導入しました。そしてこのセンサーを導入したことによって、導入前と比べて約20%生産性が上がりました。当然、この部署にとって生産性向上という利益を得ることが出来たので、部署内にある他の設備にも同じセンサーを導入しようか、若しくは他部署にも、センサー導入後に生産性が上がったという事例を展開して、A工場全体の生産性向上に繋げようといった、流れになる可能性があります。

汎用性のある又は、他部署でも使用できるようにカスタマイズ可能なセンサーであれば、A工場全体で導入することも出来るかもしれません。もっと言いますと、大手の製造会社であれば、国内外に多くの生産拠点を有してますので、A工場だけでなく、B工場やC工場にも導入が検討され、はたまた事業部の垣根を超え、その波及効果は絶大なものになるでしょう。

もちろん、こういった事例を達成するためには、新しい部署・新しい担当者を大幅に増やすという営業マンの活動量が鍵となってきます。そのためには、営業マンが担当している企業を「1顧客」と考えるのではなく、キーマンとなる各部署の担当者一人ひとりを「個客」と考え、この「個客」を増やしていくことが大切となります。

③「個客」を増やすためには

「個客」を増やす方法は様々あると思いますので、今回の記事では以下のシチュエーションを想定とします。

・すでに取引ある企業であり、長年に渡り自社製品を使って頂いている。
・直近1ヵ月、ある部署で自社センサーを購入して頂いている。
・センサーを導入したことで、約20%生産性が上がった。
・自社センサーを購入して頂いてる部署は毎回限定的であり、他部署への拡販の余地がある。

まず大前提として、買って頂いた製品がお客様にとって役立っているということです。この大前提が崩れると、おそらく当面リピートはないと思って良いです。友人から薦められたラーメン屋が予想を反して全く美味しくないところだったら、二度と行かないのと同じ感覚です(笑)

そして先ほど述べたこのシチュエーションで、次に何が起きるかというと「購入したセンサーに関する問い合わせ」です。「使い方が分からない」「調子がおかしい」「壊してしまった」等、問い合わせ内容も千差万別だと思うものの、私の経験上、製品を買って頂いた後のお客様の問い合わせは、先ほど述べた「だいたい後ろ向きのもの」が多く、「新たに再度購入したい」といった営業マンにとって前向きな話は早々来ないです。正直、他の案件で忙しければ対応するのも億劫になりますし、サービス部門がある会社なら、そこへ丸投げしたくなる気持ちも分かります。

しかし、この対応を面倒臭がらず真摯に向き合うことが肝であり、購入して頂いた時以上に、「気持ち良く相談できる営業マン・信頼される営業マン」になれるチャンスです。この真摯に向き合う対応で、お客様との距離感を縮めることが出来て、今まではなかなか言いにくかった他部署の紹介依頼を言いやすくなります。

「A様が所属されておられる生産技術第一係は、主に金属加工の工程を担当されていると思いますが、生産技術第二係ではどのようなお仕事をされているのでしょうか?・・・それであれば、先日導入されて頂いた同じセンサー、若しくはこのシステムがお役に立てるのでないかと思います。つきましては、第二係のリーダー様をご紹介頂けないでしょうか?」

恩を返すという訳ではないですが、アプリケーション(応用)や部署内容を絡めたりしながら「役に立てる」ということを強調して紹介してもらうことが、通常よりスムーズに行えます。またお客様が製品や営業マンを評価して、自ら他部署・別工場へ導入事例として情報展開してもらえるという好循環が生まれる場合もあります。

新規顧客開拓を行ううえで、「お客様からの紹介」が最も理想的な営業手法だと、私は思います。お客様の本気度も高く、製品スペックや導入後の成果を事前に一通り把握されている可能性が高いです。その部署の仕事内容や担当者次第ではあるものの、営業マンが自らアプローチする通常の営業手法より、高確率で受注を獲得できるからです。

他方、購入して頂いたのにも関わらず、その後、何もお客様から連絡が来ないのは「センサーが上手く稼働していない可能性」が考えられます。忙しい、使いこなせない、担当する人が決まってない等の理由が考えられますので、それはそれで営業マンから一度フォローを入れてもよいと思います。「問題なく稼働しており、直近で新たに購入する必要がない」というパターンも考えられますが、目安として、導入して約一ヵ月間何も連絡がなければ一度営業マンから電話やメールでの方法でフォローするのをお勧めします。

④リピート購入

工作機械や半導体といった、原材料・部品・設備品など生産のために使用される製品を生産財と呼ばれます。自家用車と同じように、工作機械や半導体も定期的なサービス点検を実施を行っても、経年劣化は少しづつ進行していき、いづれ買い替えが必要となってきます。工作機械の場合、経年劣化が進行しますと異音・振動等が発生して、加工精度や加工時間を担保を出来なくなってしまうので、稼働率や機械自体にもよるものの、10年置きを目途に買い替え(若しくはオーバーホール)をします。

工作機械に限らず、製造業の営業は既存のお客様からの売り上げが多くの割合を占めます。理由はお客様毎によって様々でありますので、そのために長期的なリピート購入を見据えて、営業マンは日々、既存のお客様に対してサービスサポート・情報提供を欠かさず行ってます。購入する際の商談期間も長く、お客様との長い関係構築が非常に重要にあり、それだけお客様との深く長い信頼関係が築けているということです。言い換えれば、営業マンがお客様に対して、何か少しでも不利益を被ってしまった場合、導入して頂いている製品をいくら気に入ってもらっていても、リピート購入の土俵から外される若しくは、担当営業の交代を命ざれる可能性があります。一度買って頂いたお客様とは「長い年月を共に過ごす」という意識が必要です。


安田工業(本社 岡山県里庄町)は業界屈指の加工精度を誇る工作機械を製造・販売している。高価格帯ではあるものの、高い加工精度に惚れ込んでいるユーザーがたくさんおり、「リピート率」は6割を超えている。

またリピート購入は経年劣化以外にも、「増産体制に対応するためのライン追加」という場合もあります。この場合は経年劣化以上に、景気に左右される場面が多い傾向にあります。しかし、この場合も一度買って頂いたお客様とは「長い年月を共に過ごす」という意識が必要なのは、変わりありません。

⑤終わりに

製造業における「フロー型」の「ビジネススタイル=リピート購入」の良い面を紹介いたしましたが、もちろん、後ろ向きな面があるもの事実です。

・高額商材のため、案件創造から購入決定までのプロセスが非常に長い。
・受注できなかった場合、かかった工数を回収することが出来ない。
・先輩社員から引きついた長年お付き合いあるお客様と、何かしらのトラブルがあった際のプレッシャーが会社・お客様の双方から半端なくのしかかって来る。

また人によっては、住宅営業や自動車ディーラーといった「完全な売り切り型の営業スタイル」の方が性に合うという人もいらっしゃるかと思います。そしてどちらがビジネスを行ううえで優れている・劣っているという考えは、一切ありません。ただ、「お客様との長いお付き合いを大切にしたい」「完全な新規顧客を獲得しにいくより、既存の顧客から数珠つなぎで案件を獲得していきたい」といった方には、「製造業」×「営業職」の営業スタイルを魅力に感じるのではないでしょうか。

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