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「分搗き米」について

 「分搗き米」ってご存知ですか?「ぶつきまい」と読みます。

 今さらですが…お米には「白米」と「玄米」があります。
 「玄米」の前は「籾」です。さらにその前は「稲穂」です。「稲穂」から「籾」を取り、さらに「籾」から「籾殻」を除去して「玄米」になります。
 この辺りの工程は、実際に見てみないとイメージがつかないと思いますが…。

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 さて「玄米」。
 みなさんは「糠(ぬか)」はご存知かと思います。「玄米」の茶色い部分が「糠」です。専門用語で言うと「果皮」と言います。
 「糠」を「果皮」と言い換えると何だかお米がフレッシュな感じに聞こえますが、実際、お米は生鮮食品ですから正しい言い方です。

 この「糠」は米粒全体の1割を占めています。つまり
 白米=玄米×0.9
 の重さになります。

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 世間一般的には、白米を好む人と玄米を好む人に分かれます。そして筆者の経験則ではたいてい女性が前者、男性・こどもが後者になります。

 さて「分搗き米」。

 前述のように「糠」は米粒全体の1割を占めます。つまり10分です。玄米を10分削れば白米になります。そこまで精米せずに、7分・5分・3分削ったお米を、7分搗き・5分搗き・3分搗き…と呼ぶのです。

 つまり7分搗きはより白米に近く、3分搗きはほぼ玄米です。5分搗きはその中間にあたります。

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 もちろん分搗き米はこれだけではありません。
 「どれだけ削るか」だけの違いですので、種類は無限大にあります。ただもちろんある程度は区分しなければ混乱が起きますので、一般的には上記の3パターンに集約されます。

 その3パターン以外も含めて、どういったお客様で使用されるのか見ていきましょう。

■1分搗き(ほぼ玄米)
 玄米の表面は光っていますが、これは糠の「ロウ層」に当たります。つまり水を通さない部分です。その部分だけを削ったものを「1分搗き」と言います。これを削るとプチプチした食感が楽しめなくなる代わりに水が通りやすくなりますので、炊飯時間が短くて済みます。玄米と変わらぬ栄養価を求めつつ、調理時間を短くしたい人向けです。

■3分搗き
 玄米の栄養価を求めつつ、あまり硬くない方がいい、という方がお求めになります。

■5分搗き
 主婦の方が「私は玄米が食べたいけれど夫や子供が嫌がるので」というご家庭向けです。どちらの側もご満足いただけます。このパターンは本当に多く見られます。

■6分搗き
 あまり玄米っぽいのは避けたいが、胚芽はしっかりと残して欲しい、といった方がお求めになります。最近では保育園や子ども園での採用が増えています。

■7分搗き
 玄米は食べたいけれどあまり胃に負担はかけたくない/白米だけれども玄米の風味も欲しい…といった方がお求めになります。いわゆる「胚芽米」に近い仕上がりになります。

■8分搗き
 もう少し白米を硬めに仕上げたい、という方がお求めになります。最近ではお寿司屋さんがお求めになる場合が多いようです。

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 以前、そういった分搗き米の食べ比べイベントを行ったことがあります。

 白米を食べるイベントと比べると、参加者の皆様にとって、驚きの部分、新鮮さの部分が多かったようです。
 いつも白米を召し上がっている方は、玄米や分つき米の香りや食感に驚き、いつも玄米を召し上がっている方は、分つき米という選択肢の広がりに心踊らせ、それぞれお米談義には花を咲かせていました。

 そして、分搗き米で大事なことは…洗米はいつも以上にゆるく行うこと。そもそもお米を砥ぐ目的は、表面の糠層を最後まで取り除くことにあります。
 ところが、分搗き米はその糠層も一緒に食べるわけですから極端なことを言いますと、

洗米しなくてもいい

ということです。

 ただ口に入れるものですから、野菜と一緒で軽く水ですすぐ程度でいいのです。

 今回のような「分搗き米」ですが、どの米屋でもここまでのカスタマイズを引き受けてくれるのか、というのは皆さん疑問に思われると思います。
 通常の精米店であれば、そもそも玄米で仕入れているので、あとは機械の調整だけですので、可能です。

 ただ「1㎏から精米が可能」という機械がある米屋であれば対応可能ですが「最低30㎏から」という機械しかない米屋だと難しいでしょう。
 最近は「1㎏から精米が可能」という機械を持っている米屋が増えていますので、ぜひ近くの米屋に問い合わせをしてみてください。

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 個人的には「分搗き米」は米屋だからこそ製造できる商品だと思っています。これは生産者やスーパーなどの量販店ではなかなか行うことは出来ません。現に弊社のネット販売では、実に8割はこの分搗き米になっています。

 分搗き米は、各米屋が持っている玄米の種類の豊富さ、そして精米技術が問われる商品です。是非ともお試し下さい。

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「楽しくなければお米ではない!」
有限会社 小池精米店
三代目 小池理雄(ただお)

五ツ星お米マイスター
東京米スター
6次産業化プランナー(中央サポートセンター登録)
社会保険労務士

東京都米穀小売商業組合所属
東京都ごはん区メンバー

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