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摂食障害の長い長いトンネルを抜けて~「痩せたい」と「食べたい」のその先へ~687


最寄り駅が近付いてきた。どこに行けばいいのかわからないけれど、とりあえず来た電車に乗ることにした。

何のあてもなくても、何も決まっていなくても、私は歩き続けたかった。もう、立ち止まっている時間はなかったし、十分過ぎるほど、遠回りをしてきた。

もう、同じところを行ったり来たりすることはしたくなかった。出口のない螺旋階段を延々と上ったり下りたりすることはしたくなかった。どんな形でもいいから一歩でも、いや半歩でも前に進みたかった。進んでいると思いたかった。

実際には進んでいないとしても進んでいると思いたかったし、止まっているよりはマシな気がした。

電車がホームに滑り込んだ。私は迷わず電車に乗り込んだ。

私は、何もかもを脱ぎ捨ててやり直したかったけれど、たとえそうならなかったとしても、それでも今出来ることを一つ一つやっていくしかないのではないかと、思っていた。


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