ごみも、ストレスも、少ない暮らしへ。
都内でひとり暮らしをしている頃、家事の中でも“ごみ出し”がすごぶる苦手だった。
毎週の燃えるごみの日も、前日までちゃんと覚えているのに、翌朝、いったいなぜ?ってくらいに忘れてしまう。
大体、電車に乗ると思いだすけれど、時既に遅しで、チーンとなる。
こんなうっかりを、何度繰り返してきたことか。
長期出張前なんかは、生ごみ出しをコンプリートするため、何日も前から気合いを入れる必要があった。
埼玉に越してからは、ダンボール古紙回収が月1回に減ってしまい、案の定何ヵ月も出しそびれてしまう。
ダンボールがもはやインテリアだと錯覚するほど、ダンボールと小さな部屋で共存してきた。
そんなうっかりずぼらな私にとって、
「ごみの少ない暮らし」や、
「ゼロウェイスト」
というワードは、憧れの存在だった。
ポルトガルの田舎に暮らして4ヶ月。
シンプルな農的・手づくりの暮らしでは、驚くほどにごみが出ない。
一緒に暮らすホストファミリー宅では、1ヶ月に出るごみの量は、小さなコンビニ袋半分ほど。
都会暮らしをしている頃の私1人分のごみよりも、ずっとずっと少ない。
下手したら、1日分のごみより少ないかもしれない。
どうしたら、こんなに減らせるのかな?
まず、暖炉のある暮らしでは、紙類のごみは焚き付けになる。
暖炉から出た灰も、山菜の灰汁抜きに使ったり、畑の肥料にしたりと、様々な使い道があって頼りになるアイテムだったりする。
牛乳パックは半分に切って、種の仕分けボックスにしたり、苗のプランターにしたり。
ヨーグルトの容器は、畑にまく卵の殻入れにしたり、ネジなどの工具入れにしたり。
なにか買うときは、なるべく大容量のものを選んで、小さなパッケージゴミが出ないように気をつけているのだそう。
割れてしまったお皿も、倉庫の外壁の可愛いアクセントにしちゃうあたりが、すごく好きだ。
野菜やチーズはローカルマーケットで買うので、基本は量り売りになっている。
スーパーでも、日本のようにプラスチック袋にキレイに包装された野菜は、ほぼ見ない気がする。
卵のケースは、古紙で出来た紙製パックが主流。
空のケースをローカルマーケットに持っていくと、直接たまごを入れてくれる。
やっぱり、1番大きいのは、コンポスト(堆肥)の存在だと思う。
生ごみはすべてコンポストにして、畑の肥やしになる。
生ごみと呼ばれてるものは、ほんとは全く“ごみ”じゃなかった。
Hotコンポスト
Lazyコンポスト
みみずコンポスト
ぼかしコンポスト
落ち葉コンポスト
などなど、コンポストにも色んな種類、やり方があるようで、奥が深い。
NGO職員として働いている頃、地方の出張先の多くで目にする機会はあったのに、どこかで自分の暮らしとのつながりを掴めずにいた。
学ぶ機会はたくさんあったのに、もったいなかったなぁーなんて思ったりする。
でもきっと、今からでも遅くない、よね。
日本に帰ったら、出来ることから自分でもやってみたいな。
庭には、手作りコンポストトイレ。
おがくずパワーなのか、まったく匂わない。
自分たちの体から出たものが、畑の肥やしになる。
そのおかげで、おいしい野菜が育つ。
自然との繋りが少ない生活をしていると、こういったシンプルな循環がどこかで途切れていて、もはや循環していたことすら忘れてしまったりする。
ゴミの少ない暮らしは、私に大切なヒントを教えてくれている。
ごみを減らして、ストレスフリーに暮らしたい。
目指すは、ごみ出し苦手女から、ごみ減らし上手女。
帰国してからの楽しみがまた1つ増えた。
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