マエボン全ページ解説その3_目次と奥付も普通じゃない_

マエボン全ページ解説その3、目次と奥付も普通じゃない!

オンラインサロン前田デザイン室が作った初めての雑誌『マエボン』が9/29に発売になりました。私は『マエボン』の編集長として、全ページを解説する企画に挑戦しています。

前回の記事はこちらから→マエボン全ページ解説その2、広告は「ダイスキ!」「イイ!」を伝える場所

今回は目次とスタッフリスト、つまり最初と最後のページに注目してみます。
このページを担当してくれたのは、表2広告を手がけてくれた時にご紹介したデザイナー、アートディレクターの安村晋くんです。

目次制作秘話

広告にフォーカスした写真なのでチラ見せになりますが、今回は左側の目次に注目。こんな感じになりました。

目次は各ページへ飛ぶことができるように検索できる機能があれば最低限いいのですが、それ以上に結構ドット絵、結構カラフルな感じに仕上げてくれました。

「START」から始まる感じがゲームっぽいですよね。ここに至るまで他の案も提案してくれていました。

左上の島になっている案がきっかけで、ゲームのようで可愛らしいことと、目次としての機能性を両立したものにしようということで制作を進めてくれました。

このページは、こんな風に進化をとげます。

今の形に繋がった横スクロール案です。テレビゲームのスタート画面のイメージです。
また目次の部分にもご注目ください。各ページのフォントやロゴ、ドット絵を引っ張ってきてくれていて検索性以上に見て楽しいページになってきました。各ページから見出しのデザインを引っ張ってくるデザインということは、どこかのページに修正があれば目次も直す必要があり大変な仕組みになることを意味します。
デザインしてくれた晋くん曰く「マエボンのごった煮感、普通の雑誌にはない楽しい目次にするために大変そうだけど、あえてやった。」とのこと。実際本当に大変そうでしたが、最後までやりきってくれました。

この方向性でこのままブラッシュアップして完成案ができました!といいたいところですが、実際はそう単純ではなく大いにデザイナーさんを泣かせることになってしまいました。

禁じ手!?度重なる目次の入れ替え

目次の構成は最初からありました。ただ、各ページ完成度が上がっていく様子を見ていると全体のイメージがしやすくなり「これはもっと前のページがいいかもしれない?」「このページとこのページ入れ替えた方がいいかも」など。主に前田さんからの提案でしたが、途中から私も何度か目次入れ替えを提案し反映してもらいました。

この雑誌の目次構成の方針は、こうです。
最初に巻頭メッセージで雑誌のテーマを宣言し、佐渡島さん、藤井さんの特集ページで雑誌らしい読み物を先に持ってくる。そしてエッジの強い「スカートめくりやすい手袋」「モザイクパンツ」「ダサT特集」の謎アート企画に続きます。この3つの中でも入れ替えがありました。

それから「スカートめくりやすい手袋」がインタビューのすぐ後ろに来たら、普通の雑誌と思って読んだ人からすれば、いくらなんでも唐突すぎやしないか?ということで、間に「前田デザイン室とは?」のページを挟み、「ここからは我々前田デザイン室というコミュニティのクリエイティブページである」ことを示すことに。この「前田デザイン室とは?」のページも当初の案ではかなり前の方でした。でもこれが前すぎるとコミュニティの広報誌要素が強すぎやしないか?ということで変更に。


と、こんな風に何度も議論を重ね、何度か目次の入れ替えをしました。よりよくするため!ではあるけれど、各ページの担当者からすれば、しょっちゅうノンブル(ページ番号)が変わるわけです。さらにいえば目次ページを担当いていた晋くんからすれば、全体の構成がなんども変わる…。

大変な思いをさせてしまいました。でも「よりよくするためだから!」と前田さんも私も思っていましたが、先日この雑誌の制作秘話座談会をイベントにて行った際に編集・校正・印刷担当赤松さんから衝撃の一言が

***

赤松:いや、目次の入れ替えは、普通の雑誌制作ではまずないですね。

前田、浜田:えええええ!そうなの!?

赤松:はい、間に広告ページを挟むとかそういうことはあっても、入れ替えそのものはないかと。印刷事故にも繋がりかねないですしね。

前田、浜田:確かに!


***

通常の雑誌制作はもっと時間をかけるようで、特に企画段階にもっと詰めてから動くと。だから目次の順番が変わることなどないらしい。我々の場合急に雑誌を作ることを決め、期限も決まった。企画を煮詰める時間は少なく、走りながら企画を決めて行ったのでこうなりました。よく印刷事故がおきなかったものです。デザイナーさんたちに心から感謝。


奥付は「ありがとう」を伝えるページに

そして最後のページ奥付ページも凝っています。右側に注目です。

このページも目次と同じくデザイナー、アートディレクターの安村晋くん担当。上のドット絵のゲームのようなデザインが目次と世界観があっています。

入稿段階の原稿はこうで、今と少し違います。

マエボンのタイトルの下が「STAFF LIST」でした。

・この少し前のページにスタッフ全員に落書きするページがあり、そこもスタッフリストの機能を兼ねている
・テレビゲームの発想で目次が「START」なら奥付はエンディングに相当するのでは?

という前田さんからの提案があって、

最終的には「Thank you」バージョンに。目次から始まって最後まで読んでくれてありがとうの意味もあります。

たくさんのありがとうを!

通常の雑誌と比べればその差は歴然ですが、この雑誌スタッフの数が多いのです。スケジュール的に大変だったので、単純にたくさんの人手が必要だったというのもあるけどあえての選択でもあります。

この雑誌はオンラインサロン前田デザイン室メンバーで作りました。編集チーム、アートディレクターチームは固定でしたが、ページの担当は途中で変わったり人が追加になったことも多々ありました。それでいいんです。だって会社じゃないから。その時一番やりたい人、その時一番楽しめる人にやってもらえたらそれが一番ベスト。

それでも人手が足りず何度かヘルプ要請もしました。

不思議なことに絶対誰かが手を上げてくれる。そうするたびに関わる人も増えてコミュニティとしてより制作チームの絆が強まる。そんな体験を何度もしました。

繰り返しますが、ここは会社じゃないし仕事でもないので金銭的な報酬はありません。だからこそ「ありがとう」の気持ちを伝える場所はここしかないと思い、お名前と担当ページを何度もチェックしました。「青山ブックセンター本店に置いてあるこの雑誌は、私が作ったんだ。」そう思ってもらえる人が1人でも多い方がコミュニティとして楽しいですからね。

それから最後の最後、デザイナーの晋くんからこんなデザインが!

ドット絵の私です。編集後記の欄にどうかな?と提案してくれました。制作の佳境で疲れ切っていたけれどそれが吹き飛ぶくらい嬉しかった出来事です。クリエイティブで喜びを届けるって最高だよね。



目次と奥付だけにどんだけ語るんだよ!って言いたくなる雑誌『マエボン』はこちらから。
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