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デンマーク音楽賞JAZZを見てきた<>デンマークでジャズを浴びる6

「デンマークとスウェーデンで北欧ジャズを全身で浴びる旅」をピアニストの視点からレポートする、第6回はデンマーク第二の都市オーフス (Aarhus) で見てきたデンマーク音楽賞ジャズ(部門?)です。


デンマークの人口 580万人は兵庫県とほぼ同じ。この都市オーフス (Aarhus) に限ると人口わずか 34万人。それでも北欧最大のコンサートホールを持ち、ジャズだけの音楽賞を開催し、1600 もの座席を SOLD OUT してしまう。デンマークの人には、芸術、音楽、コンサート、ジャズの文化が深く根付いている。

会場に着くと、みなさん仲間で話しながら早速ビール。ロビーだけかと思ったら、ビールそのままホール内の座席に持ち込む人も。入り口の係員も気にしない。イベント中はみんなスマホでパシャパシャ。最初はヒヤヒヤしたが、おれも負けじとパシャパシャ開始!好きなグループ出てきたら大声上げるし、みなさん陽気で表現がストレート。

写真も自由にとれた、動画も

表現がストレートと言えば、昨夜はライブに行ってみたら、なんと当日キャンセルになっていた!流れで、アメリカから学会で来ていた中国系の男性と一緒にビール飲むことに。ピアノが置いてあったので、彼の提案で「戦場のメリークリスマス」を少し弾いたら、それだけでいろんなところから歓声と拍手と笑顔が!坂本龍一さんの曲は偉大だし、表現がストレートなのはいいな。その後ピアノの鍵盤に布がかけられてしまったが(笑)余談。

ライブがキャンセルされて、生まれた出会いに乾杯

今年のジャズリリース、作曲家、New Jazz、ボーカルジャズ、実験的ジャズ、子供のジャズ、ジャズ奨学金、コンサートホール、その他の部門別にノミネートが発表され、そこから受賞が決まるのは、グラミー賞やレコード大賞と同じ。途中で演奏もはさむ。

楽器が上手く音楽的な高みにいるよりも、少しくらい荒削りでも個性的で意欲あふれるグループが多く選ばれた印象。これはお祭りなので SHOW UP することが必要だとしても、その多様な個性と、攻めている姿勢を観客が楽しんでいるなあ。

Årets Orkester の奨学金を受けた Bévort 3
ジャズシーンと文化に意欲的なところに評価されている

トラディショナルなジャズは、最後に地元のビックバンドとシンガーの演奏のみだったかもしれない。デンマークではジャズの守備範囲はどんどん広がっている。ジャズの良き伝統は、それを土台に、さらに発展させることで意味を成すのかもしれない。

Teitur Lassen (vokal) and Aarhus Jazz Orchestra の演奏がフィナーレ

約2時間半のイベント後、ロビーではバーが開く。ビールと赤ワインでゆっくり写真の整理など。23:30 になったからそろそろ引き上げようかな、あれ、クロークに預けたコートが消えている!!焦ったが、Reception に移動されただけと知りホッとする。

このイベントに気づいたのは二日前、チケットはギリギリ端っこをゲット。あれ、コペンハーゲンではないの?と気づいたのは次の日。鉄道に乗って Aarhus まで小旅行も楽しかった。

Aarhus に到着。まるで映画のワンシーン。気温マイナス2度。

自分らしい音を出そうと思った。素直になろうと思った。楽器が上手い・上手くない、を理由にするのはある意味、思考停止なのかもしれない、と思った Aarhus の夜。いいものを聞いた。

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