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社会人3年目のあれこれ【81】サンキャッチャー

81 サンキャッチャー

ある12月の土曜日、以前より気になっていた近くのカフェ、「海猫山猫」でランチをし、そのまま井の頭通り沿いを吉祥寺まで歩く。考えてみると、井の頭通りを歩いて吉祥寺まで行くのは初めてで、花屋や毛糸屋など知らなかった素敵なお店を見ながらのんびりと歩いた。

ほどなくして紀伊国屋が見えてきたので左に折れて中道通りに入る。いくつかのお店を見て回り、お気に入りの家具店でデンマークのテーブルクロスやリトアニアの布巾を安く購入した帰り、これまた初めて入るお店と出会った。

一見、お店とはわからないような店構えだったが、入ってみるとサンキャッチャーのギャラリーになっており、店内は、虹色の柔らかな光であふれていた。サンキャッチャーは、9月に訪れた教授の山小屋で目にしていたから、こんな近くで売っていたのか!と驚いた。

店主は、もともとアクセサリーアーティストをしていたが、日本にサンキャッチャーが入ってきてからすぐの2009年からサンキャッチャーを作り始めた。太陽の光を美しく反射させるガラスは、オーストリアのもので、今ではオーストリアかエジプトで製造されるのみとなったそう。太陽の位置が低く、部屋の奥まで光が差し込みやすい冬至のころが最も綺麗に部屋を照らすのだという。

山小屋を一緒に訪れた友人へのクリスマスプレゼントとして一つ購入した後、もうすぐ日が陰って虹色の光が消えてしまうと聞き、消えるところが見たいと、しばらく店内に居させてもらった。3分ほど、サンキャッチャーの柔らかな光に包まれながら話をしていると、先ほどまで濃い虹色だった部屋を照らす光が一気に薄くなって、スッと消えてしまった。

日の短い冬至の時こそ美しく部屋の中に光をとり込んでくれるなんて、何だか素敵。日当たりのいい家に住んだら家に迎え入れ、室内でも太陽を感じる柔らかな光の中で過ごしてみたい。

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