ドイツのファストフード
残業が続いた日。
家に帰っても、冷蔵庫は空っぽ。
もしくは、家に帰って何かを作る気力がない。
そんな時に頼りたくなるもの。
もしくは、ちょっとお出かけし、レストランに入る程ではないけれど、小腹が空いた時。
そんな時に食べたくなるもの。
私にとって、それがファストフードだった。
Bratwurst 焼きソーセージ
焼きソーセージは、ファストフードの代表!
Currywurst カリーブルスト
細かく切ったソーセージに、カレーパウダーやカレー味のケチャップがかかっている。
ベルリンがその発祥地とされている。
Pommes フライドポテト
こちらもお馴染みのフライドポテト。
マヨネーズかケチャップかの二択が多いけれど、こちらのお店frittenwerkでは様々なトッピングができるので、選ぶだけでも楽しい。
Kartoffeln じゃがいも
料理の副菜として食べるのとは別に、街で小腹が空くと食べる時もある。
シンプルに茹でたジャガイモを、様々なソースと共に頂く。
お肉や野菜をトッピングしてもらえるので、結構なボリュームだ。
写真を見返していたら、フライドポテトや付け合わせのジャガイモを食べている事が多く、さすがドイツだなと、つい笑ってしまった。
Döner Kebap ドネルケバブ
ドネルケバブは、トルコをはじめとする中東の国の食べ物であるけれど、ドイツでも非常に多くのお店を見つけることができる。
Dönerは回転を意味するので、大きな肉の塊を
回転させながら焼き、そして焼けた肉を、ナイフで削ぎ落とすように切る。
具が溢れそうなケバブ。
トルコに行った時、もちろんこのドネルケバブのお店を見つけたが、本場トルコではこのようにパンに挟んだものはなく、お皿に盛られて出てくるものが一般的だと、トルコ人の友達が教えてくれた。
トルコからドイツへの移民が増えた時期、ドネルケバブと、ハンバーガーを融合させたものが販売され始め、今こうして定着しているのだとか。
一緒に飲むのはいつも、ヨーグルトドリンクのAyran。
残念ながら写真が一枚も見つからなかったのだが、この他にもLahmacunラフマジュンと呼ばれるロール状に包まれたトルコピザもとても美味しい。
Spießbratenbrötchenシュピースブラーテンブレートヒェン
(ドイツ語の発音記載はとても難しい・・・)シュピースブラーテンは豚肉を焼いたもので、ブレートヒェンは小さなパン。
甘くなるまでじっくり炒めた玉ねぎが、たっぷり挟んである。
クリスマスの時期にもよく食べるのだけれど、他の時期でも屋台で見かけると、ついつい列に並んでしまう。
この肉の存在感溢れる感じが、ドイツらしくて好きだなと思う。
ハンバーガー・ピザ
ファストフードの代表格の、ハンバーガーやピザも好きだ。
マクドナルドやピザハットなどのチェーン店よりも、ハンバーガー屋さんやピザ屋さんに足を運ぶことが多い。
Backfisch フライドフィッシュ
香ばしい油の匂いが漂ってくると、それはフライドフィッシュ屋台だということが多い。
日本にいる時よりも、お魚を食べる機会が減っているので、こんな屋台を見つけると、つい駆け寄ってしまう。
Matjes オイル塩漬けニシン
お魚つながりで、もう一品。
初夏に出回るオイル塩漬けニシンも、とても美味しい。
さて、コロナの影響が強かった頃、食いしん坊の私でさえ、半年の間に一度もレストランに足を運ばなかった。
自宅のポストには、デリバリーサービスのチラシがあちこちから頻繁に入るようになった。
レストランでお持ち帰りはできたが、開店しているお店自体が減ってしまった時期もあった。
ちょっとお出かけし、軽く外で何かを食べる事は、あの時は大変な贅沢に感じた。
コロナが終息したら何をしたいかと、ひたすら考えていたあの頃。
どこか遠くに出かけたいという願いは、遥か遠い夢のような話だった。
目的もなく街を歩きたい。
可愛い洋服を見つけたら、ワクチンや迅速テストの証明も必要なく、お店にフラッと入りたい。
気軽にファストフードを食べながら、街をお散歩したい。
私が恋しかったのは、その『自由』だったのだと思う。
あの時は、ファストフードを食べる何気ないちょっとした喜びが、貴重なものに思えたのだ。
再び、マスク無しで街をお散歩できるようになった。
そして、旅行にも行けるようになった。
美味しいファストフードを頬張りながら、また街を歩く事ができる。
それは、きっと、とても幸せなことだ。
コロナを経て、私にとってのファストフードは、お腹を満たすという単なる行動だけでなく、ささやかな幸せの象徴となった。
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