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自分のためにごはんを作ること(料理好きへの道#1)

冷凍パスタ、ノンカップタイプの即席麺、前日のうどん、冷凍庫にあったカレー、なし。
平日に自宅で作業する日の私の昼食を書き出してみた。カップ麺でなく器に入れてお湯をかけるタイプの即席麺を選んだのは、「ひと手間かけた」という自分への言い訳が欲しかったからだ。しかも、生協の「化学調味料無添加」のノンカップ麺ときた。だからなんだっていうわけでもないのだけど、インスタントでも健康には気をつかっていると思いたい自分の小ささが悲しい。

私は料理が好きじゃない。夫と娘がいるから作っているけど、夕飯のことを考えると少し憂うつになる。家から歩いて5分ちょっとの距離にある大戸屋の誘惑に負けてしまいそうになった時は、「お母さんのごはん、おいしいよ」という娘の言葉を思い出してキッチンに立つ。自分を奮い立たせて作ったごはんはおいしいし、達成感も得られる。けれど、「今晩は外でごはんを食べよう」と決めるだけで、心が晴れやかになる。

少し前まで、料理が好きじゃないとあまり人前で言えなかった。「母親なのに……」と誰かに思われるのがこわかったのだ。その「誰か」は自分なのだと気づくまでには時間がかかったけど、口に出したら楽になった。そして、私と同様に子どものために作っているけど、本当は好きじゃないという人は意外といるものだ。

料理を好きになりたい。

日々の夕飯作りを楽にするための作り置きレシピやノウハウはネットで検索すれば出てくるし、関連書籍もたくさんある。実践すれば負担が軽くなることはわかっているものの、常備菜には大きな欠点がある。それは、食べ飽きることだ。

ひじきの煮物を作った時のこと。どうせ作るならと一袋分のひじきを水に戻した。水を吸ったひじきはむくむくと膨れ上がり、具材と合わせると鍋いっぱいの煮物ができあがった。粗熱が取れてから半分をタッパーに入れて冷凍し、残りの半分は数日分のおかずとして冷蔵庫にしまった。

2日目まではよかった。3日目、4日目くらいになると、食べ飽きると同時に傷んでないか不安になってしまい、テーブルに出さなくなってしまう。微妙に残ったひじきは少しの間冷蔵庫に居座り、やがて捨てられる。

「野菜を切っておけば、あとは煮る(または炒める)だけでOK!」のようなレシピもたくさんあるだろう。でも、そうじゃないのだ。私のような料理嫌いになると、「野菜を切る」ことすら億劫に感じてしまう時もある。

コツやノウハウではなく料理を好きになれる方法を知りたい。現時点での目標は自分のために朝食を作れるようになること。最終的には、「ストレス解消法は料理です」と言えるようになれたら素敵だ。

これを書いている時点では「催眠術で料理を好きになる」という情けない方法しか思い浮かばない。まずは情報収集からスタートし、一つずつ方法を探っていこうと思う。

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