見出し画像

グラウラーのすすめとおすすめのグラウラー 〜樽生クラフトビールを家で飲もう!

おうちビールグッズ「グラウラー/グロウラー(Growler)

おうちで飲むビール、ほとんどが缶やビンですよね。でもね、それにとどまらず、劇的におうちビールの世界を広げるおすすめアイテムがあるのです。

それがグラウラー(Growler・グロウラーと読むことも)です。

画像1

普段からグラウラー生活を楽しんでいるビールクズのひとりとして、今回はその魅力を紹介したいと思います。送り手視点の記事は割と調べると出てくるのですが、飲み手視点の感想があんまりないなーということで、じゃあ自分が書いてみようかと。

グラウラーというのは、ビールなど炭酸飲料を入れてもOKな耐圧容器のこと。詳しくは恵比寿のグラウラー専門店・ナイトオウルさんのウェブサイトとか。大雑把に言うと、ビール入れられる水筒、という理解でOKかと。

 ■ Liquor Shop NIGHT OWL OFFICIAL BLOG

※この記事は、専門家でもなんでもないただの素人ビールクズが6年のグラウラー生活の経験を通じて書いているものです。6年の間にいろいろな専門店の方から聞いた事や、自分の失敗や成功の実体験を元にしていますので、正確を期すようにしていますが、ひょっとすると古い情報や不正確な情報があるかもしれません。異論反論疑問などあればぜひメッセージやコメントをください。情報もアップデートでき、非常にありがたいです。

画像2



グラウラーのすすめ


 おうちビールの幅を広げるのがグラウラー

グラウラーがあると、おうちビールの幅がぐぐぐっと広がり、より楽しむことができます。なぜグラウラーはビールの幅を広げるのか? それには2つの側面があります。

1つ目は、缶やボトルになってない「樽生」ビールが飲めること。
2つ目は、選べる缶やボトルの種類が増えること。

つまり、ビールの選択肢が増えるんですね。家でも色々なビールのみたいじゃないですか? そのためのグッズが、グラウラーなのです。

画像3



 「樽生」が家で飲める


グラウラーの1番大きな用途は「樽生」を家で飲めるようにすること。

クラフトビールのお店に行って美味しいビールを飲んでいると「ああこのビール、家でも飲みたいな〜」と思います。缶やボトルにはなっていない樽生ビールはたくさんあります。グラウラーを持っていれば、それを入れてもらって、持って帰って飲めるようになります。

ただし今のところ、持ち帰り用樽生を繋げている酒屋さん(いわゆる酒販免許を持っているお店)やブリュワリーのタップルーム(醸造所併設の施設)からしか持って帰ってはいけない法律になっています。ところが、この免許が緩和されるという話もあります(※2020.4.13の情報です)。普通のビアバーやレストランのタップといった今まで持ち帰りができなかったところからも可能になるかも!(→コロナで一度緩和されましたが、元に戻りました。※2021年初めの情報です)

この世には限定ビールやコラボレーションビールなど、樽生でしか飲めないビールがたくさんあります。他にも、出会って、今飲みたいと思ったビールがたまたま樽だったなんてことはよくあります。

グラウラーがあれば、飲めるのです。

画像4



 買いにくかったボトルが飲める

グラウラー本来の目的ではないけれど個人的に活用しているのが、飲みきれなかった缶・ボトルビールを保存する、という使い方です。

ビールは鮮度が命で、基本は開けたらその時に飲み切るのがベターです。が、中には開けたあと少し冷蔵庫に置いていても美味しく飲めるものがあります。インペリアルスタウトやバーレイワイン、ランビックなど、スタイルやそのビールの性質によって、炭酸が抜けても空気に触れても影響が少なかったりむしろ面白い変化をしたりするのです。

そういうもの(アルコール度数も高いことが多い)に限って、750mlの大瓶やUKパイント缶に入っていたりするのです。飲みたいけど一気に飲めないしなーどうしよっかなーと敬遠して買いにくいのですが、2日に分けてなら飲めるし買おう!となるわけです。

画像5



おすすめのグラウラー


 グラウラーを選ぶ基準

では、どんなグラウラーが良いのでしょう?

おうちビールを楽しむためのグラウラーを選ぶ基準としては、
1、洗いやすさ
2、扱いが簡単
3、持ち運びやすさ
があります。

後は量と価格が合うかどうか、気に入ったかどうかです。

画像6


・洗いやすさ

ビールの天敵は、雑菌と空気と温度。雑菌に汚染されてしまうと、元々どんなに良いビールであっても、マズくなってしまいます。ですので、飲み切ったらすぐに綺麗に洗うことが大原則。

もちろんその上で、慣れている専門店だと洗浄と消毒殺菌をきちんと行ってくれますので、完璧な状態のビールを持って帰れます。ですが、ここの対応はお店によってかなりバラつきがあると思っています。特に、これから規制が緩くなって色々なお店で持って帰れるようになるなら、余計にまず自分自身でグラウラーを清潔にしておけると良いだろうなあーと。

洗ったり消毒したりしやすいように、口が広く構造が単純なものが、めんどくさくなくて良いのです。

画像7


・扱いが簡単

せっかくの美味しいビールも空気と触れていると酸化するわーガスは流出するわーで劣化してしまいます。ですので、グラウラーを詰める時はフタまできりきりに液体を詰めるのが基本。

樽生をタップからグラウラーに注ぎ入れるのですが、その場で美味しく飲むためにグラスに注ぐのとはまったく違った注ぎ方になります。

ビールの泡を含めて、液面とフタとの間に空気の層が入ってしまうと、劣化であったり、フタを開ける時に強烈に周囲にビールを吹き飛ばしてしまう原因になります。最後にちょっとだけ液面を押し下げてこぼしながらフタする構造のもの、それができるだけ簡単なものが良いです。

画像8

真ん中が凹んでいるフタたち

豆知識ですが、もし買いに行ったお店がグラウラーに慣れていなかったりして中途半端な量しか注いでくれなかったら「できれば、ヘッドスペース無くして欲しいんだけどなあ〜」とつぶやく事をおすすめします。ビールが飛び散ると、ほんと嫌な気持ちになります。好きなものなのにね。

また、洗いやすさのところでもちょっと書きましたが、構造がシンプルなものほど洗浄などお手入れも簡単にできるので良いでしょう。

市販されているグラウラーの中には漏れやすいものとかもあるみたいなので、心配であれば「検討しているグラウラーの名前 漏れる」とかで検索して使用実感を調べてみるのが良いと思います。


・持ち運びやすさ

持って帰りたいようなビールにいつ出会うかは、わかりません。確実に量り売りショップに行けるかどうかわからない日もあります。

軽くて持ち運びに気を使わないグラウラーであれば、可能性のある日にかばんの奥に入れておくことができます。チャンスを逃さずにすむのです。

車で量り売りのお店に行くなら、これはほとんど気にしなくて良いポイントです。

ですが、ちょっと長く歩く、電車移動する、それも他の買い物など用事のついでにする、などであれば持ち運びやすさは大変重要なポイントになります。

画像9



 迷いやすいポイント


・金属製?ガラス製?

おすすめは金属製です。金属の方が軽いことが多いのと、万が一落としたりした時の破損のリスクが少ないというのが理由です。

が、ガラス製の方が安いことが多いです。手始めにひとつグラウラーが欲しいけどあまり予算をかけたくない、、、というのであれば、何もないよりもガラス製であっても手に入れてみる方が100倍良いです。


・シングルウォール?ダブルウォール?

金属製のグラウラーの中には、真空魔法瓶構造になっていて長時間保冷が効くものがあります。大変便利です。ですが、おうちビールを楽しむという観点だけで考えると不要と考えます。

家に帰れば冷蔵庫に入れてしまいますから、断熱スペース分大きくなって邪魔になります。そして重量も増えてしまいます。持って帰るまでの保冷であれば、グラウラーと一緒にタオルを2枚ほど持って行ってくるんでビニール袋にでも入れてしまえば、保冷もできるし結露も防げます。暑い日であればタオルごと100均にあるようなぺらぺらのクーラーバッグに入れてしまえば良いのです。

画像10

画像11


ついでに缶ビールも合わせて持って帰るときなどは、缶ビールとグラウラーをまとめてタオルにくるめば、どちらの保冷にもなります。ダブルウォールにはそれはできません。

画像12

画像13

元はカメラ用だったキルティングの袋もちょうど良いです



で、お前はどんなの使ってるの?


うちにあるグラウラーは4つ。

・532ml(18oz)ステンレス製シングルウォール(Kleen Kanteen)
・800ml(27oz)ステンレス製シングルウォール(Kleen Kanteen)
・946ml(32oz)ガラス製(made in USA ごくごく一般的なもの)
・1.18L(40oz)ステンレス製ダブルウォール(Hydro Flask 旧モデル)

それぞれの使い分けと使い勝手を、次に書いてみます。うちでの飲み手は主に一人、たまに二人という前提で。


①532ml(18oz)ステンレス製シングルウォール(Kleen Kanteen)

画像14

1番小さく、1番出番が多いのはこれ。

出番がなくてもカバンに入れててそんな邪魔にならないし、小さいけど1パイントちょっと入るので物足りなすぎることはないし。他のと2本持って行く時には、変わり種やハイアルコールなもの担当になるし。

フタをスイングトップに交換していて、これがものすごく調子が良い。閉めるのも開けるのも簡単。中も洗いやすい。

画像15

画像16


②800ml(27oz)ステンレス製シングルウォール(Kleen Kanteen)

画像17

グラウラー持ち帰る気満々のとき使うのがこれ。

重さ、大きさの割に量入るパフォーマンスが手持ちの中で一番高い。1回で飲みきれる量なので、フレッシュ命なものを入れても大丈夫。

①と、背の高さが違うだけで構造や太さは同じなので扱いやすい。

元々付属のキャップが中空部分にどうしても空気のスペースができてしまい不満だったのですが、今は①のフタを流用して使用して快適になりました。小さな改善を積み重ねて自分に合ったグッズにするには、アフターパーツやオプションパーツが多いメーカーのものが良いかも。

画像18

元々付属のキャップは構造上かなり吹きこぼれが多かった


③946ml(32oz)ガラス製(made in USA ごくごく一般的なもの)

画像19

重いので、車で買いに行くときメイン。もしくはガンガン飲むのがわかってるラガー系買うつもりのときは我慢して背負って歩く。

このくらい大きいと、みんなで飲む持ち寄り飲み会に使える。口が狭いので中は洗いにくいが、飲むときは注ぎやすい。

画像20


④1.18L(40oz)ステンレス製ダブルウォール(Hydro Flask 旧モデル)

画像21

荷物少なめで遠出したときはこれ。

かさばるので、ここぞというとき、保冷が欲しいとき、たくさん買う前提のときに使う。背が高いのでお店の設備によっては入れにくそうと感じる時があります。

画像22


使い分け方

普段は①と②のどちらか1本か、①+②の2本を使っています。パーティの予定がある時や正月前で「今日はグラウラー買い出しに行くぞ〜」というときは持てるだけ、最大4本持っていく笑。

画像23



結局、最初の1本におすすめなのは?

同じビールをガンガン飲む!ふたり以上で飲む!という人であれば、800ml〜1Lくらい(27〜32ozくらい)のステンレス製シングルウォールのものを。とりあえず試してみたい、いろいろ飲みたい、という人であれば、小さめ500mlくらいのものを。それぞれおすすめします。

ビールを美味しく飲むには、とにかく鮮度が大事です。そしてグラウラーはどんなに状態良く詰めてもらっても、缶やボトルに比べて劣化は早いものです。

流行りのヘイジーなやつであればその日中に、そうでなくても熟成系以外は翌日か翌々日くらいまでに飲むのがおすすめです。飲むときは、基本飲みきるつもりで。

まあこのあたりは、何度か試してみて、買い置きと新鮮さのバランスを探るのが良いかもですね。、あんまり新鮮原理主義に走ると苦しくなってしまいます。

そのあたり考えていくと、たくさん飲むよー人でも、大は小を兼ねる的大きなものを持つくらいなら、小さめなものを複数持ちした方が、種類も飲めるし新鮮に飲めるし、良いでしょう。

画像24


とにかく、まずは最初の1本を

とか言いながら、悩んで一歩踏み出せないくらいなら、なんでもいいからグラウラー始めましょう。

たまたま目についたもの、デザインが気に入ったもの、人からもらう・借りる、でもいいです。

洗いにくい注ぎにくいですが、手元にスイングトップのキャップがついた空き瓶があればそれからでもいいかもしれません。

まずは、グラウラー生活に一歩を踏み出せば、もっとこんなのが自分に向いてる、というのが見えてくるでしょう。

画像25


楽しいおうちビール生活を!

グラウラーがあればおうちビールをもっと幅広く楽しめます。

そして、外でのビールが楽しみにくい今、在庫になっている樽生が多い今、量り売り対応が増えるであろう今、今こそがグラウラー生活始めどきなのです。

地元のブリュワリーやビアバーをチェックして、量り売りをやっていないか、これから始めようとしていないか、調べるのです。

無理せず楽しみながら、地元や馴染みのお店に貢献するチャンスでもあるのです。



長々と書きましたが、みなさんの楽しいおうちビール生活を祈って筆をおきます。

ほんとはこんなにハウツーチックな内容になるはずじゃなかったんだけどなあ。。。

今後もたぶん散文的なビールクズ文章を書いていくつもりなので、ぜひフォローお願いします。



ではでは、乾杯!


(2020.5.18 追記)

色々情報古いので、今売ってるものならどれ? というのがわかりにくく、調べてみました。

↓記事中では蓋交換してますが、使ってるのこれです。

スイングキャップ(Kleen Kanteen Swing Lok Cap)は
↓これなのですが、アマゾンでは欠品中のようですね。

Kleen Kanteenのサイト(国内代理店のもの本国のもの)も見てみたのですが、アクセサリとしての単品での掲載がないので、長期欠品もしくは廃盤のようです。

グラウラー としては採用されているのでパーツ自体は生産しているのでしょうけど、、、https://www.kleankanteen.jp/collections/growlers

次善のオススメとしては、上記リフレクトボトルに付属しているバンブーキャップをそのまま使用することです。これは、ネジ式ではありますが、構造上ヘッドスペースは生まれず、運んだ後の飛び散りは少ないです。十分機能は果たします。実際2本のうち一本はこれで使用しています。

画像37

画像38

↓クラシックボトルに付属の黒キャップは、上記バンブーキャップに比べると飛び散りリスクが高いです。

※コメントを頂いて知ったのですが、クリーンカンティーンのものはシングルウォールであっても輸入代理店さんはビールを推奨していないようです。5年ほど前の時点では、対応しているということでグラウラー 専門店で購入しており、実際使用上も問題なく使えてはおります。が気になる方は避けた方が良いかもしれません。

↓本文のハイドロフラスクのものはモデルチェンジしていて、大きくても良い!という人向けになっています。


改めて、色々な商品を見てみていますが、どんどん高機能=複雑化、小さなものはなくなって行っていますね。汲みに行くのは近くや車がメイン、たくさん飲む!という人は良いのでしょうけど。。

調べている中では、REVOMAX2というのが、12oz/20oz/32ozと小さいサイズ展開もあって良いのでは?と思いました。蓋の構造は複雑ですが、きちんとハイターできれば問題ないかと。(あと、少々お値段しますが、、)

(追記終わり)


画像26

画像27

5周年イベントが中止になってしまったMARCAの周年記念ピルスナー。ホップの香りも良いし程よく苦くてうまい!ついでに2本目でピーチシェイクIPAもいただきました。


画像28

軽ければ自転車のサドルバッグに入れて持ち帰り、なんてのも苦になりません。


画像29

中国で見た詰め替えボトル。でかい。グラウラーじゃないけど。ちなみに、青島では青島ビールをスーパーの買い物用ビニール袋でテイクアウトできるらしいです。いつか行ってみたい。


画像30

恵比寿ナイトオウルさんのある日のメニュー。他ではなかなかないラインナップもあっておすすめです。知っている限り、グラウラーの扱いが最も丁寧で、状態良く持って帰れるお店。


画像31

ナイトオウルさんは手書きでタグつけてくれるのも素敵なのです。


画像32

ニューヨーク・ブルックリンの Other Half Brewing のある日のメニュー。グラウラーは32ozと64oz。フレッシュで飲んで欲しいホップバリバリニゴニゴIPAなやつは、グラウラー対応できないって。なのでそういうのはその場で飲んで、持ちそうなやつをお持ち帰り。

画像33

日本から来たって言うと、キャップをダクトテープでガジガジに巻けばOKだぜって言われた。

画像34

、、、けど結局持って帰ってきた時には結構漏れてた。美味かった。


画像35

Brewdog のバレルエイジドスタウト Paradox Islay と Revival の Larkins Ice Fight Irish Stout 。飲み比べが、おうちでできちゃうのです。タップリスト的にそういうお楽しみを入れてくれてるお店は多いので、なおさら複数持ちはおすすめです。


画像36

ハイアルコールなUKパイント缶も、二日に分けて楽しめます。



余談が長くなってしまった。。。

ではでは。落ち着いたらどこかのビアバーで、持ち帰って美味かったおうちビールの話でもしながら飲みましょう!


(おしまい)

この記事が参加している募集

おうち時間を工夫で楽しく

サポートありがとうございます! 次のおもろい文章という形でお返しできるようがんばりますね