会社に依存しない勤め人の行動。選択肢を増やすために転職活動をする


今回は“自分が所属する会社に依存し過ぎないことの大事さ”を記事に纏めていきます。

頑張っても努力や能力とは異なる要因で出世コースから外れてしまうリスクがあります。そのリスクをミニマイズしていくことが勤め人生活を生き抜く上で重要です。

わたしは一般的な役職名で言うと、「課長代理→課長への昇格」と「総合職→専門職への転換」の“ダブルキャリアアップ”がかかったタイミングで転職活動をしました。当時の年齢は31歳、年収は900万円でした。

他人の芝生は青く見える。“満足”と“不満”の中での葛藤

なぜ転職活動をしようと思ったか。理由から見ていきましょう。

異動で担当セクターが変わったばかりで前の担当セクターに未練有り。課長職への昇格と(総合職から)専門職への転換が叶わないリスクもある。同業他社に転職して年収アップした人も多いし、選択肢は多い方が良いのではないか。

当時、所属会社に対する“満足”と“不満”は以下のように考えていました。

①満足していた点

・難易度の高い取引先を担当しており、上司から期待されていた
・面倒見の良い先輩がいて、同僚との仲が良かった
・会社の中では”花形部署“。同期の中で出世コースに乗っていた

②不満だった点

・同業他社比で激務且つ給料は安く、優秀な人材が流出
・複雑な人事制度。総合職と専門職が混在して同じ業務内容なのに処遇が異なる
・課長職は非組合員であり、残業代が出ない
・異動後の上司が合わない。指示が多く仕事の自由度が少ない

新卒からずっと同じ会社で勤め人をしていたため、“他の会社も見てみたい”と考えるようになったこともヘッドハンター(転職エージェント)に会う後押しとなりました。

ヘッドハンターから「今の会社に留まるか転職するかはオファーレターをもらってから決めればいいじゃないですか」とのアドバイスもあり、転職プロセスを進めることしました。

“経験者”、“即戦力”の同業他社への転職は圧倒的に有利

転職面接はこれまでの経験が評価されて順調に進みました。
新卒の就職活動時と異なり、「経験者の転職はこんなにも簡単なものなんだ」と感じました。

以前に配信した「勤め人価値を図るスカウターの精度を上げる。マーケットバリューとレラティブバリュー」記事(音声)で「“業界の価値”と“業界内での相対的順位”を上げることが年収アップに繋がるよ」って話を解説してますのでこちらも聞いてみてください。

転職面接では心が揺れる魅力的な言葉をもらいました。

・「年収900万円?安いね。ウチなら実績ベースで課長代理級でも1,200万円払っているよ」
・「希望するセクターは担当させてあげられるよ」
・「皆、仕事のモチベーションは高いよ」
・「年次ではなくてその人の経験値や能力でボーナス金額が決まる。処遇はすごくメリハリあるよ」
・「頑張ればもっと給料の高い専門職に転換出来るチャンスがあるよ」

役員面談も順調に終わり、オファーレターをもらいました。
ヘッドハンターからは面接で聞いていた通り、想定年収は1,200〜1,300万円と聞きました。

それとほぼ同時に所属会社でも昇格と職系転換の結果が出ました。
「課長代理→課長への昇格と総合職→専門職への転換の“ダブルキャリアアップ”」が実現出来たのです。
所属会社はベースアップが大きく、想定年収は転職検討先とほぼ同等となりました。

こうしてわたしは“年収アップ出来る選択肢を2つ持つ”ことが出来たのです。

先輩と転職した後輩の一言で転職への“決意”が揺らぐ

今の会社に留まるか、オファーレターをもらった先に行くか悩みました。

・年収はどちらもほぼ同等
・やりたい業務は転職検討先で約束されている
・所属会社には“満足”と“不満”の両方がある
・転職するなら今の会社での退職金積み立てを50%程度放棄しなければならない(200万円程度)
・転職検討先で良好な人間関係を構築できるかどうかの不安

悶々と悩む中、わたしの尊敬する先輩が転職検討先に転職した後輩との飲み会をセットしてくれたのです。

その飲み会は自分が見落としていたことに対する“気づきのチャンス”を与えてくれました。
以下の3つの話が決め手となり、所属会社に留まることを選択しました。

・会社側からすれば経験者を安く買えれば良い(先輩)
・転職検討先は内部で徹底的に詰めるカルチャー。今の会社よりも精神的不可はかかる(後輩)
・転職検討先の上司は飲みが激しく、朝まで行くこともしばしば(後輩)

“他人の芝生は青く見える”のだと改めて気づきました。
転職検討先に行ってもそれなりに活躍して年収は更に上がっていたかもしれません。
ただ、転職活動をすることで同業他社の状況がよく分かりましたし、所属会社だけに依存しない選択肢を持てたことが良かったと思っています。
それぞれの会社の良い面と悪い面を見た上で判断出来たわけですからね。

飲み会をセットしてくれた先輩には頭が上がりません。
今でも会社や上司に対する愚痴はありますが、アドバイスをもらっています。

ちなみに転職検討先のオファーを断ったため、その会社でもう一度転職プロセスを行うことは出来ません。
そりゃそうですよね。会社は一度断った人にチャンスを与えることはしません。

所属会社に留まるか、転職をするか悩んでいる人でわたしと同じ方法を取る人は注意しましょう。
同業他社へのスライドを考える場合、何度も使える方法ではありません。
大事な昇格等、ここぞと言うタイミングに焦点を当てて活用するようにしましょう。

最後までご覧いただきありがとうございます! この取り組みに対する妻の理解が得られて時間を創出出来ます!