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菜の花食堂のささやかな事件簿

こんばんは。

碧野 圭さんの『菜の花食堂のささやかな事件簿』シリーズの最新刊がまもなく発売になるようです。

『書店ガール』シリーズでもお馴染みの碧野さんの料理教室を舞台にした日常ミステリー。
一冊目の刊行から早5年目を迎え、シリーズ第四弾が来月発売予定。
小さな食堂のオーナー・靖子先生は、毎回一つの野菜をテーマに複数のメニューを作る料理教室を主宰しています。
そこにアシスタントとして加わった女性が、本作の主人公です。

毎回周辺で起こるちょっとした騒動を見事に解決する靖子先生のひらめき。
深刻な事件ではないので、気楽に楽しむことのできる短編集です。

野菜の下ごしらえのワンポイントから、美味しい調理方法、食堂のメニュー解説は、家庭でも実践できそうな素朴なもの。
料理+ミステリーのかけあわせのおすすめ書籍です。

話が進むごとに登場人物の背景情報も明らかになりますが、オーナーの靖子先生は他人の事情に土足で踏み入らない、心のソーシャルディスタンスが明確なキャラクター。
従来のミステリー小説のマダムにありがちな好奇心旺盛でお節介なタイプとは一味違う、クールで冷静なタイプ。

「このあたりでは評判らしいですよ。ちょっとしたヒントから真実を見抜く、日本のミス・マープルだって」グルメサイトには載っていない、だけどとっても美味しいと評判の菜の花食堂の料理教室で靖子先生が教えてくれるのは、ささやかな謎と悩みの答え、そしてやっぱり美味しいレシピ。


書店ガールの勢いと行動力のあるヒロインたちとはまた一味違う、落ち着いたほんわかした空気が漂います。


江戸東京野菜コンシェルジュの資格を有する著者だけに、ご当地野菜の紹介描写も実に鮮やか。
『菜の花食堂のささやかな事件簿』シリーズは、読んだら「しっかり野菜を食べよう」「久しぶりに料理がしたいな」と思うような一冊です。


最新刊の『菜の花食堂のささやかな事件簿 裏切りのジャム 』は、2021年7月10日発売予定。
文庫サイズなので、移動時やバスタイムのおともにも最適です。


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