いっそ何も聞こえなくなればいいのに、とさえ思うミソフォニアの生活

ズルズル鼻をすする音、クチャクチャ食べる音、ゴクゴク飲む音、カツカツ靴底を鳴らす音、パンパンEnterキーを叩く音。

人間のいる空間ならほぼ必然的に耳にする音。

「あ~確かにうるさい人いるね」「クチャラーはマナー違反だよね」「鼻すするのはちょっと汚らしいね」

とか、そういうレベルではないんです。

何と表現したらいいのか分からないのですが、その音を聞くたび、パニックになるというか、怒りを感じるのです。いや、怒りというのもまだ優しい気がする。もっと、抱いてはいけない感情さえ湧いてくるんです。

「神経質だね」「気にしなきゃいいのに」「そんなんじゃ生きていけないよ」

そんなの十分わかってます。
自分だって、こんな人生、嫌です。

外出するときはノイズキャンセリングのイヤホンは必須。
公共交通機関での移動中は基本的にイヤホンを装着。
イヤホンを超えて鼻すすりの音が届くときには、車両を移動。
移動ができない、身動きが取れない状況のときは、ただただ地獄。

心療内科には行きました。
聴覚過敏のようなものだ、治す薬も治療方法もない、
うまく付き合っていくしかない、と言われました。

私は、人間が誰もいない無人島に住むしかないようです。

イヤホンも耳栓も耳に負担がかかって、四六時中つけているわけにはいきません。

不謹慎だ、と言われるのは百も承知で言います。
いっそ、音なんて全部聞こえなくなればいいのに。
そうすれば、こんな怒りもそれ以上の強い感情も抱かずに、穏やかに生きていけるのに。


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