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プロデューサーとは何か?を考えてみました。「プロデューサーシップ」「プロデューサーのキャリア連帯」「天才をプロデュース?」を続けて読んで。

プロデューサーとは何か?を考えてみました。「プロデューサーシップ」「プロデューサーのキャリア連帯」「天才をプロデュース?」を続けて読んで。

大学院の研究課題をどうするのか?4月の入学前からずーっと自分の中で宿題になっています。そして、具体的に何を研究してみたいのか?が何となく漠然としています。いくつか、もやもやっとした候補になるテーマはあるのですが、やはり自分がおもろいと思ってワクワクしながらやりたい!というのがあります!やらされている研究やったら、やる必要ないしな!と思っていますし、単位や資格を取るために、この歳で学んでいるわけはないので。いつ死んでも、よう生きたな!と思って死にたいから、そのためにより善く生きるためのワクワクを探しているんやで!ということなのかも知れません。

数か月前に私の研究課題の件で、2年ほど前に修士論文を書かれた、おおたゆいさんに相談に行きました!阪大の学食でカレーを食べながらお話をさせていただきました。その時に「プロデューサーシップ」という本を書かれた経営学の先生がおられるという話を聞きました。早速、山下勝(現在、青山学院大学の経営学の教授)先生の著書を2冊購入しました。
その後、本棚に置かれたままだったのですが、この夏のお盆休みに、しかも私がコロナに感染して外にも出られなかったので、読んで見ました。

まずは「プロデューサーシップ」。山下勝先生は、映画のプロデューサーと言う仕事に関して調査研究を長年されておられ、そのことについて日経BP社から本を出しませんか?というリクエストにお応えして書かれたのが本書だそうです!出版は2014年11月。

プロデューサーが映画監督と独特な連帯を作って高いレベルでの映画造りが可能になると!創発的な創造をするための環境がそこから生まれてくると。その関係は唯一無二のものであって代替が出来ないもの。属人的な部分が高く、この知見を別のカタチで応用していくのがかなり難しい!というようなことがここには書かれています。

私が、今、考えていることのひとつに「プロデューサーのキャリア教育」というものがあります!優秀なプロデューサーを生むために、教育によってある程度のレベルにまで高めていくことは可能なのでは?ということ。そして、その教育が日本では高騰の教育機関ではほとんど行われていなかった!ということです。そのためには上記で書いていたような優秀なプロデューサーの属人的な知見を何とかわかりやすい構造にして次世代に伝えられないか?ということでした。そして、本書を書かれた山下勝先生はまさにそうしたニッチな研究をされている方なんやな!ということが良くわかりました。

「プロデューサーシップ」を読み終わってすぐに続けて「プロデューサーのキャリア連帯」山下勝・山田仁一郎:共著(@白桃書房)というものを拝読しました。本書の発行は2010年2月。本書は大学の研究書としての書籍と言うのでしょうか?長い長い論文のようでもあります。先行研究の引用がたくさんされており参考になるような気がしています。本書の個人的に面白かったのが13名の映画のプロデューサーに直接インタビューをされてそれを文字起しして分析され(GTA分析という手法があるそうです)、その発言などもここで紹介されながら、それらの発言を、帰納的に類推するとでもいうのでしょうか?ある種の共通したものを捜し出そうと奮闘している様子が論文を通して伝わってきました。共通しているような発言を、要素を分けて、カテゴライズして図表にしてみると見えてくるものがあるかも知れないという前提を基にまとめておられます。しかし、そのカテゴライズや標準化的なものが、あまりに抽象的過ぎると、それは自分事からまったく離れた世界のお話にも見えてくるというような、思考の「いったり来たり」が垣間見えてとても興味深いものがありました!

私も40年近くプロデュースをするという仕事をしながら、それを通じての身体的に獲得した経験があります。今までに獲得したその無形の経験が、13人のプロデューサーの発言と多くの部分でつながり、強い共感を覚えることが本書で何度も登場しました。特にROBOTという制作会社の堀部さんや創業者だった阿部さんのお話などは、ROBOTがTVCM制作会社でもあったので、まったく他人事ではなく仲間の発言としてのような共感をすることが出来ました。
プロデューサーの仕事とは何か?資本を出してくれる人(発注してくれる人?仕事を出してくれる人?)=ビジネス、と、監督あるいはディレクター=アーティストとの間に入る人であります。そして、1、ビジネスの世界のことを考える人と、2、アートの世界をどうやってより良くしていくかということを考える人の両方を演じていくのが本当の意味でのプロデューサーやと思うのですが、いかがでしょうか?
そのためにビジネス(経営や財務なども含む)と人を感動させたい!という感覚のバランスを取りながら、一緒に仕事をしてくれる監督や脚本家(プランナーなども含めて)と切磋琢磨する環境を作っていかなければなりません。監督との相性やその時点でのプロデューサーの人格やキャリアの経験値などもあって一概には言えないのですが、芸術家をレスペクトしながらビジネスとして成立させていくというとてつもなくややこしいことをしているのがプロデューサー業ではないのかな?とも思っています。

この経験をどうしたら、これから経験するだろう人に伝えることが出来るんやろ?ということをこれらの著書を読んで考えました!

これらの本の中にオフィス北野の映画の事例なども登場します。そういえばずいぶん前に購入して積読になっていたのがあったな!?と本棚から引っ張り出して来て読んだのが3冊目の「天才をプロデュース?」森昌行:著(@新潮社)でした。ここで森さんがおっしゃっていることと、山下勝先生、山田仁一郎先生の著書には実は共通したことがたくさん、あるんやな!ということが実感できました!

ということは、これらの中にはやはり「プロデューサー」としての共通の知見は必ずあるんやということです。
それを、どのようにして伝えていくのか?をやはり再度考えてみたいと思ったのでした!それによって、私が40年近く居た業界への恩返しができ、より優れた新たな才能と才気あふれる面白いプロデューサーが生まれて来るために自分の時間を使ってみたいなと思ったのであります。(続く…。)

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