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対面鑑定を希望されるお客様が求めるもの

足掛け5年のリピーターからリアル鑑定の依頼受ける

 日曜日の午前中は足掛け5年になるリピーターさんのご希望で、リアルの対面占いをさせて頂きました。商業施設のブースに週1で出ていた頃、3年間、毎週欠かさず鑑定に来てくださった方です。企業に専門職でお勤めで、最近は特に忙しくて帰りが遅いので、夜10時くらいからの電話鑑定が多かったのですが、「やはりリアルが良い」とご依頼をいただき、占い講座で使っている会議室を予約。2時間くらい、じっくり近況を伺い、数秘術やOSHO禅タロット、モンゴルの骨占い・シャガイで総合鑑定させて頂きました。

自分の立場や状況が理解できる人に占って欲しい

 このリピーターさんが重視されているのは、「自分の立場や状況を的確に理解したうえでのアドバイス」なんですね。この方は財力のある素敵な男性とお見合いで意気投合し、年内に結婚できればという方向でお話が進んでいます。とはいえ、事情があって仕事量が急に増えて毎日残業。関西におられるお母様の具合もよくないなど、婚活以外にも色々な悩みがおありです。ところが、結婚相談所の女社長は企業勤務の経験がなく、「女性は結婚した方が絶対に幸せ。パートナーがいる方がいいに決まってる」という価値観を前提にプッシュしてくるので、コミュニケーショに齟齬が生じて、それがストレスになっているのです。

最初の1時間はひたすら傾聴

 こういう状況におられるお客様の場合、2時間あったら、最初の1時間くらいはひたすら「傾聴」します。もちろん、驚いたり、相槌を打ったり、質問したり、「聴いていますよ」というシグナルは出すのですが、基本は聴くことに徹します。その方の場合、転職を繰り返され、昨年末に新しい会社へ転職されたばかりなので、社内に友達はいません。関西のご出身なので、学生時代の友達も首都圏にあまりいないし、いても専業主婦やパートで軽く働く女性が多いので、なんでも話せる友達が近くにいないのです。

第三者の占い師だからこそ話せることがある

 恋愛しているときって、誰かに聴いてもらいたいんですね。でも、万が一、上手くいかなかった場合を考えると、利害関係のある人には話したくない。その点、占い師は第三者ですし、鑑定以外では一切関わりがないので、気軽になんでも話せます。話してしまえば心が軽くなり、悩みの7割程度は私はそのお客様の人生を、実のお母様や姉妹よりよく知っていると自負しています。残念ながら、親も80代ともなると、気付かぬうちに自分勝手になり、“Me First”になる方が少なくありません。姉妹も配偶者や子供がいると、遺産相続で争う相手になりかねないのが実情です。お客様の将来を本当に心配し、幸せを祈っているのは、人生に伴走してきた占い師である私ではないかと思うのです。

 お客様の今いる位置、状況をしっかり確認し、それをベースにコミュニケーションをとりながら、目の前でカードを切ったり、骨を振ったり、ゆったりしたペースで占っていく。これぞリアル占いの醍醐味です。1分○○円だから10分でとか、20分で終わらせたいではなく、料金は確定させて、会話を楽しむ、言わば「傾聴占い」ですね。残念ながら、お客様も午後にデートがありますし、私も家族と食事をする予定があったので、二人でランチとはいきませんでしたが、別れ際のお客様のお顔は来た時とは別人のように明るく、笑顔になっていました。

zoomに慣れると人に会う回数は激減

 チャット占いや電話占いは、全国のお客様が対象となり、商圏が広がります。それに交通費やお茶代、あるいは貸し会議室のお金もかからなければ、移動の時間もないので、お客様も占い師もラクで効率が良いのです。私はライターでもありますが、これは取材でも同じことで、一度zoom取材の便利さを体験してしまうと、首都圏の取材対象者に「取材に伺いますよ」と言っても、「いや、忙しいのでzoomにして下さい」と返す方が多くなりました。

 コロナ禍で何が一番変わったかといえば、人とリアルに会う回数が減ったことと、夜に出歩くことがほとんどなくなったことです。皆無ではありませんが、アメリカから友達が帰国したので、留学生仲間で集まると言った特殊な場合です。これは個人だけでなく、ある会社の社長さんも「交際費がガクッと減った。みんないらないことに気づいちゃったんだね」とおっしゃっていました。全国組織の組合の理事もされている方がそう言うのですから、ライフスタイルも働き方も変わったのは間違いありません。

 それでも、Netflixなら世界のドラマや映画が990円で見られるから、生の舞台は必要ないかといえば、違うと思うのです。画像で舞台中継を見ても、肉眼で見るのとは全く違います。照明も音楽も画像では完璧に伝わりませんし、生の人間が目の前で演じていると、観ている方も集中します。映画館ならコーラにポップコーンで観られても、舞台ではありえないからね。

「リアル鑑定」は占い師として名誉なこと

 占いにも同じことが言えると思うのです。チャットや電話ならスッピンにパジャマで待機OKで、終わったらそのままベッドにダイブすれば良いのですが、リアル鑑定ではそれなりの服装(私はチャイナ風ドレスが好み)に身をつつみ、お化粧もきちんとして、鏡をチェックしてから予約した会議室に向かいます。そういう心地よい緊張感を伴った鑑定をためにやると、「やっぱりリアルの対面鑑定は良いな」と思うのです。

 占い業界では、10代から30代前半まではチャット、30代後半から40代までは電話、50代以降は対面鑑定を好むと言われています。ですが、LINE占いでは30代、40代でチャットを好まれる方が多く、チャットが9割です。LINE電話やメッセンジャーの電話なら通話代は無料ですが、それでも相手に遠慮して、LINEやCメールなどでメッセージを送る時代になりました。その中で顔を突き合わせて行うリアルの対面鑑定って、とても贅沢なエンタメではないでしょうか。なので私は、リアル鑑定のご依頼があれば、少々無理してでもお受けしているのです。「偆日先生に話を聴いてもらいたい」と思っていただけるのは、とても光栄なことですから。



 

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