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老舗蕎麦屋「砂場」で感じた#1の雰囲気

 今日のランチは虎ノ門にある明治5(1872)年創業の老舗の蕎麦屋「名代 虎ノ門 大坂屋 砂場 本店」の仮店舗でおろしそばを頂きました。私は蕎麦好きですが、東京に数ある名店のなかでも、この「大坂屋 砂場 本店」と「京橋 紅葉川」が一番好きなんです。というわけで、ダイレクトに数秘に関係ありませんが、今日は砂場レポートをさせていただきます。

愛宕下通りの拡幅工事で大正12年築の本店を後方へ移動

 江戸三大蕎麦といえば、「藪」「更科」「砂場」ですが、大阪城築城時の資材置き場の一つ「砂場」に由来すると言われる「砂場」の歴史が一番古いと言われています。その砂場系の中でも、虎ノ門の砂場本店は150年近い歴史を持ち、オフィス街にあった建物は一九二三(大正十二)年、関東大震災の直前に建てられた登録有形文化財です。歴史を感じさせる本店の写真はこちらの東京新聞の記事に掲載されています。

 昨年の秋、虎の門病院を出てふと砂場の方向へ目をやると、なんと虎ノ門のランドマークとなっている砂場本店の建物がない!! 虎ノ門再開発の犠牲になったのか、あるいはコロナ禍で閉店して建物まで売却したのかと心臓が止まりそうになりましたが、違いました(笑。愛宕下通りの拡幅工事が行われることとなり、曳家(ひきや)を行って4メートル後方へ移動させることになったそうで、昨年の9月から仮店舗で営業しています。

 この仮店舗は虎ノ門駅から新橋駅へ向かう外堀通りに面しており、本店の場所よりアクセスが良くて便利です。しかもあまり目立たない普通の建物なので、スタスタ歩いていると見逃してしまうくらい。リッチでない庶民には敷居が低くなって、ぐっと入り安くなりました。

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 今日の昼過ぎ、病院で定期検診を終えて新橋方向へ歩きつつ、「お昼はお蕎麦が食べたいなぁ」と思っていると、チェーン店の安いお蕎麦家さんが目の前にあったのですが、スーツ姿のサラリーマンでぎゅうぎゅう詰め状態で、換気も悪そうです。そこをスルーして通りの反対側に目をやると、「砂場」の文字が見えるではありませんか。

 「あ、砂場、ここに移転してたんだ。ランチタイム真っ最中だけど、入れるかな?」と思いつつ、足は磁石に引かれる鉄屑のように通りを渡って砂場の前へ。リモートワークが増えたせいか、12時半でもすんなり入れました。

ランチタイムのお客は全員が「おひとりさま」

 お客は私を含めて5名。女性3名に男性2名で、全員が「おひとりさま」です。見たところ40代以上だけど、仕事を持ってますといった風情の人たちで、編集とか翻訳者とか先生とか、そんな感じの職業かもしれません。

 近くの男性2人はメニューもほとんど見ず、「もりそば(740円・税込)」を注文。ちょっと離れた席の女性もやはりもりそば。「蕎麦好きはなんたってもりそばだろ!」と言われてるような気がしましたが、私はあえて「おろしそば(卵黄入り)(970円・税込)」にしました。生卵は嫌いなのですが、ここの卵は黄身が美味しくて、これだけは食べられるのです。

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 砂場の蕎麦はそば粉八割、小麦粉二割の二八そばで、細くてコシがあります。汁はダシがきいていて、甘くて濃いめ。どちらも私の好みです。量はそれほど多くありません。いや、むしろ少なめ。男性がもりそばだけ食べたら、きっと3時頃にお腹が空いてしまうでしょう。ですが、この少なめのお蕎麦をしっかり味わって、お蕎麦そのものを食べたという感じが、なんとも言えない満足感につながるのです。

美味しいものはひとりで味わった方が断然美味しい

 美味しいものは、ただ美味しい。相方なしで、ひとりで黙って食べても美味しい。いや、むしろ沈黙を楽しみながら、ひとりで味わった方が断然美味しい。
今日の私のパーソナル・デイ・ナンバーは#1です。#1は全ての数の始まりで、人がついて来なくても、自分がひらめいたら一人で走りだすバイブレーションを持ったナンバーです。キーワードは先導者、独立、開拓。

 なんだか、店内にいるお客さんたちは、みんな1のバイブレーションを持った人のように思えました。お蕎麦はあっと言う間に完食してしまいます。お店の滞在時間はせいぜい20分程度。男性は特に早くて食べ終わるとさっと立ってお会計です。だけど、みんなその短い時間をとても満足げに過ごしているのです。ライフ・パス・ナンバーが#1である私は、その雰囲気をとても心地よく感じました。

 ああ、砂場が仮店舗で営業を続けてくれて本当によかった。コロナ禍に日本の食文化を破壊させてはいけない。改めてそう思わせてくれたランチタイムでした。







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