見出し画像

199.「ティール組織」という組織の行き着く形

しばらく前ですが、本屋で一冊の本が目に留まりました。

それはなかなかに分厚くて、組織論なんて考えたこともなくて、ただとても興味を惹かれて手に取りました。

少しだけ、読む。
こんな世界、生き方、組織の形があるのかと知る。

スキル・テクニックの世界ではありませんでした。
人と人、個と全体、それらが形成する組織。

もしかしたら概念的すぎるかもしれません。

ただ、目指したい形だとは強く思いました。

次世代型組織モデル「ティール(進化型)組織」

そもそも組織に関して、5つのフェーズがあるとのこと。

「ティール」は青緑色という意味で、それぞれのフェーズを色に例えて表現されています。

レッド(衝動型)組織

リーダーの圧倒的な力によって支配する組織形態のことです。

目の前の利益を優先し、短期的な目線で動くという衝動的な組織であることが特徴です。
メンバーはリーダーに依存しており、リーダーも個の力に依るため再現性のない組織だとも言えるようです。

アンバー(順応型)組織

アンバーとは琥珀色のこと。

軍隊的とも例えられるこの組織形態は、上の者から下の者へ命令を行い、指示命令系統が明確なことが特徴です。

「支配する側」というヒエラルキー内での役割を登場させることで、特定の個人への依存度を低下させています。
このように明確に役割が決められおり、厳格にその役割を全うすることを求められている組織形態です。

オレンジ(達成型)組織

多くの企業のマネジメントはこの組織形態だといえるそうです。

社長と社員といったヒエラルキーはありますが、アンバー組織のように厳格な階級ではなく、評価の高い社員は出世をすることが可能です。
時代に合った能力や才能を持っている人が力を発揮しやすくなり、イノベーションが起こりやすい環境となります。

一方で、絶えず変化する環境で生存するために、競争を続けることが求められ、「機械のように絶えず働き続けること」が助長されているとも考えられています。

グリーン(多元型)組織

ヒエラルキーが残ったままなのは、オレンジ組織までと同じです。

ただ、この組織形態は、主体性を発揮しやすく個人の多様性が尊重されやすいことが求められています。
組織に属する個人に初めて焦点が当てられている形態となっています。

多様な意見を出し合い、尊重し合える組織ですが、形成に時間がかかるという問題もあります。

ティール(進化型)組織

この組織形態は「組織はひとつの生命体」であると捉えられています。

組織は組織に関わる全員のものであること、そして「組織の目的」を実現すべく、メンバー同士で共鳴しながら行動をとります。

ここでは誰かが指示や命令を出すというヒエラルキーは存在しません。

ティール組織に必要な3つの要素

なんだか言葉だけではよくわからない組織形態ですが、その形に至るために3つの要素が必要とのこと。
その要素を備えた人たちの集まりだと考えると、少し容易に捉えられるのかもしれません。

①セルフマネジメント

全メンバーが意思決定に関わる責任や権限を持っているため、他者からの指示を受けて行動するのではなく、自分の判断で行動しています。

誰かに責任を取ってもらう立場や、何かの決まりの元で動く受動的な姿勢を持っていると成り立ちません。
互いにアドバイスをしつつ、独立した一人ひとりが積極的に意思決定に関わります。

仕事をするにあたって、視座を上げて取り組むことが求められます。

②ホールネス

組織内の心理的安全性を確保し、自分の考えや気持ちを誰に対してでも安心して発言できる状態をつくることです。
「ありのままの自分」でいられる環境を構築して、能力や個性を最大限に引き出すという考え方です。

従来型の組織においては、人は「期待されている役割」を演じようとして自分の一部分しか見せず、評価を受けようとする傾向があるようです。

すべてのメンバーが個性や長所を発揮し、それを受け入れることが必要とされています。

③進化する目的

組織の存在目的やビジョンを固定化せず、メンバーの意思でどんどん進化するべきだという考え方です。

目標を進化するものとして流動的に捉え、組織や会社、社会、時代などさまざまな環境の変化に適応した方向性を目指します。

ティール組織が最上ではない

このようにティール組織は理想郷のような組織形態ではありますが、すべてにおいて最も良い、優れているとは限らないようです。

どの組織にも最適な形態があるということですね。

ただ僕個人としては、とても興味深く、憧れる形だと思いました。

まるでアドラー心理学のように、「共同体感覚」をベースにした人の集まりのようです。

会社という組織だけでなく、いろいろな集合体に適用できそうな考え方です。

ティール組織は一般に浸透していないため、誤解されることも多いようです。
確かに聞いただけではあまりに抽象的で、概念のつながりのようで、生命体だなんていうものだから、曖昧すぎて捉え難いかもしれません。

ただこういった組織の形は、どこまでも自由で、個人の可能性を最大限まで追うことができて、新しい世界をたくさん創り上げられそうな、提示できそうな、そんな魅力を秘めているようにも思います。

僕の関わる人たちの形態はどのようなものでしょうか。
どのような組織を、チームを創りたいのでしょうか。

次世代の組織形態を追いかけて、まずは僕自身が相応しい人間になるよう努力し続けます。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?