読む一人芝居。 ~2020年春、別世界の始まり!!編①~

さてさて、noteを始めたものの、どんな方向性で書いたらよいのか悩んでいたのですが…。noteって記事を書く人のことを「Creator=クリエーター」と呼ぶんですよね。

CCC-静岡市文化・クリエイティブ産業振興センターのCCCは「the Center for Creative Communications」。

どちらも「Create(=クリエート、創造する)」が入っているんです。

CCC静岡応援MVプロジェクトのnote…。
だから、私も何か「Create」してみたい…?

そんなことを考えていた矢先にですね、CCC静岡応援MVプロジェクトのT氏から電話がありまして、note投稿に関しましてある提案を受けたわけでございます。

その名も…

「読む一人芝居」!!!!!※1

電話口のT氏:
「俳優がやるnoteだから、普通の文章というよりかは、お芝居調にしてみるのもありかもしれませんね。」

別現場での本番直後に電話を承ったわたし:
「あー、それは面白いかもしれませんねー!
やってみますよー!!」

はい、私、女優ですので、自分が出演するパフォーマンスの台本を書いたり、原作のある作品を上演用に脚色したり、そんなことは普段からやっているわけです。
というわけで、「読む一人芝居」書いてみたいと思います。上手くいくか!?テーマは…?

電話口のT氏:
「あ、テーマはコロナ禍における舞台芸術のお仕事についてハルカさん自身の実体験を交えつつ書いてもらえたら…」

ははーん…
コロナ禍における舞台芸術のお仕事!!
これは書きたい!!

なぜなら、私もまさしく“コロナ禍で打撃を受けたアーティスト”の一人なのでありまして、出演予定であった公演が4本中止または延期、ワークショップが2本中止、その他諸々受けていた仕事も軒並みキャンセルされたのです。(しょぼん(´・ω・`))

とはいえ…
なぜ舞台の中止ということが俳優にとって大きな打撃なのか、実際に中止になるときには現場でどんなことが起こっているのかは案外知られていないのでは?と思うのですよね…
私が「芝居」としてそれを書くことで少しでも伝えられたら!!

はい、というわけで、前置きがずいぶんと長くなりましたが…

読む一人芝居、
タイトル

「2020年春、別世界の始まり!!」。


はじまりはじまり~~


第1場
2020年1月中旬 静岡芸術劇場女子楽屋

『グリム童話―少女と悪魔と風車小屋』
が終演。必死で手洗いうがいをするハルカ。

楽屋の手洗い場には私物のイソジン
共演の先輩俳優も次々と戻ってくる。

ハルカ:
「(うがいをして、手を拭きながら)
あ~、やっぱり、この1月~2月の公演って
感染症心配ですよね。」

この時期は大事な仕事がある年は
インフルの予防注射しておきますし…」

先輩①:
「そうそう、万が一、
パンデミックが起きて
マスクが売り切れたりしたら困るから
マスクとか、買い溜めておくよねー」

ハルカ:
「あー、分かりますー!!
私も年末に安売りだったマスク
1箱買いましたもん!!」

先輩②:
「分かるー!!なんかでも、最近中国?で
新しいウイルスも出たらしいじゃん?
怖いよねー」

ハルカ:
「(まあ、でも…
こういう新しいウイルスの報道は
過去にもいくつかあったし、
でもそれで広がったことなんて
稀だよね。

それよりも、
毎年流行るインフルや風邪、
気をつけなきゃー。)」


そう、身体が資本である俳優という職業は
常に体調管理が仕事のようなものだ。

とりわけ、本番のある期間は神経を使う。
毎年1月~2月のインフルエンザが流行る季節は尚更だ。キャリアを積み重ねる中で、それぞれが自分に合った体調管理の方法を探していく。


第2場
2020年2月中旬 静岡芸術劇場玄関

『グリム童話―少女と悪魔と風車小屋』
の全公演終了後

ハルカ:
「ほんとに稽古スケジュールハードだったし、
この時期の公演で
1人も体調崩さなかったってすごいです!!
ありがとうございました。
お疲れさまでした。」

他の俳優たち:
「(口々に)お疲れさまでしたー!!」

芸術総監督:
「公演が終わった後は気が緩みやすいから、
みんな、インフルエンザとか、あとは…
新しい感染症も?気をつけてくださいね。」

他の俳優たち:
「(口々に)はいっ!!」


今思えば、この公演が、
“普通にできた”最後の公演。

1か月の公演期間で
週ごとにキャストが変わる公演で
私が最後に演じたのは
主演の「少女」役だった。

大好きな作品で、大きな役で、
悔しかったことも
上手くいったこともあった。

「この役を演じた、
この作品の祝福を浴びた経験を活かして
もっと俳優として頑張りたい」
と心から願い、
ブウぉーンと
エンジンがかかったような気持ちだった。

その直後に舞台芸術界に
今まで経験したことがない壁が‥。
(第4回に続く…)

※1
「一人芝居」というのは、いくつか手法はありますが、舞台上で出演者が1人しかいないお芝居のことをいいます。

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