前回の個展から3,4年が経った。
出産し、子は3歳半になった。
夫婦だけで不動産屋をスタートして3年半になる。父が難病で倒れたのがきっかけだ。父を継ぎ不動産屋をする可能性もある、と私と夫と弟は独学で宅建を取得していて良かった。
生活の杖は何本あっても良いし、万一の可能性で取っておいた資格が役立っている。

夫も美大卒で作家活動をしながら働いていたので、私達夫婦は不動産屋の雰囲気や知識をtwitterから得ているとこもある。
父の時代の手書きカーボン契約書をデジタル化し、資金の流れを把握し、全ての権利の整理をして、作家夫婦で不動産屋して売り上げ毎年微増は珍しいと思う。
夫は不動産屋界隈のオフ会に行った時に「筋がいい」と褒められており、向いていそうでもある。私も夫とワイワイ進めるのが面白い。

完全に全ては奇跡でしかない。

9年前、結婚したとき夫はパチンコ屋でバイトしていたし、分からないものだ。
その後宅建、 FP2級取得等つぎつぎ勉強している。
私は結婚後ミラノ賞を受賞し、1年2ヶ月ミラノの建築デザイン事務所でインターンや滞在制作をして、遠距離結婚から帰国。
高齢だけど39歳で出産できた。本当に奇跡。

最近は賃貸メインから方向を変えて『ご近所さんの不動産相談、相続や借地権売買など複雑案件』に取り組んでる。あと管理物件のお仕事。

私も全角文字を半角に変換して大手企業の派遣で時給1350円時代もあったから、この人生の流れは不思議だ。
しかし、全角半角変換を1日中するより、自営の危うさと面白さの船を上手く舵取る方がずっと面白い。
今後の希望としては少しずつ美術と不動産屋を何かしらで繋げたい。

出産後40代になり、絶望的に体力低下した。
リングフィットをコツコツ全クリし、秋の陽気に誘われて100mからランニングをしだした。そうしたら体作りができてきた。
非認可保育園から認可保育園に通えるようにもなった。
今、健康と仕事と生活のリズムがやっとできてきたのだーーー

ただ、美術の制作時間を十分に取れるほどの余裕はない。
でもリズムができた今だからこそ、何とか制作を隙間に捻じ込んで作品に取り組んだ。

ーーー自己紹介、前置きが長くなりました！

はい、今回の個展についてです。

前回展示告知の時は不動産Twitterアカウントの人達迄交流してなったし、告知も届かなかったから、今回来てくださると仰ってくださる方迄おり感謝感激してます。
今迄でも「twitter見てたんですけどフォローしてなくて...でもギャラリーにいるらしいので覗きに来てみました」という方もいらっしゃった。
twitterでただ発信していて手応えがなくても誰か見てて、個展にフラッと来てもらえるんだと実感してる。
最近は無敵の人事件が多いのが怖いのだけれど、今迄ネットの出会いは良縁しかない。
私がギャラリーにいる時も、ギャラリストの大島さんも奥の部屋にいるので安心感はある。
どんな方でも大歓迎ですのでぜひお気軽に遊びにいらして下さい。無料です。
私がギャラリーにいなくても、大島さんが接客してくれます。
自由に見て、芳名帳にサインして、終始無言で風のようにスーーーと帰られてもOKです。

今回の個展作品テーマやコンセプトについて書きました。

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個展『彼方の風が頬を撫でる』

ー風なびく奏でる時のひずみから宙のあいだに浮かぶ空白ー

物語の「むかし、むかし」という出だしは、今ここから何十年前ということではない。
今もしかしたら並行してある世界までをも含む大きく広い言葉で、その世界の描写が続くと考える。
私はふとした瞬間にその気配を感じることがある。
30年前に祖父が、19年前には母が、2年前には祖母が他界し、3年前に子が生まれた。
いつまでも続くと思っていた日常が節目節目で変化していく。
輪廻と浮遊感については、身体にまとわりつくようになった。
母は私が3才の頃はどう接していたのだろうか。
私もまた3才の子に接しているのは不思議な気持ちになる。
毎朝のように河川敷沿いをランニングするようになって、1年が経った。
走ると共に移りゆく景色に刺激され、様々な事を思い出したり空想が広がる。
昔と今は分断されていて、ちょうど橋から見る「空と川」のようだ。
空の様子は川に映り、交わらないが、空も川も刻々と変わっていく。
しかし一体の風景に存在している。
私は風景の中に豊かな物語を見て、風に撫でられながら走っている。
それは輪廻や死生観にも繋がるだろう。
サブタイトルに短歌を詠んだ。

ー風なびく奏でる時のひずみから宙のあいだに浮かぶ空白ー
時は1秒も止まらず、景色も1秒として同じものはない。
ただ足を止めて自己を省みると浮かびあがる空白がある。
今回の個展では、風景と空白を行き来しながら、画面に向かった。
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ギャラリーは、ガレージを改装した1階部分です。DIY的にも面白いと思います。

今回の出品作品は絵画が4作品です。
展覧会なので、お気軽に楽しんでご覧ください。

不動産は1人の買主が、婚活も1人の相手が、作品も1人の買い手がいれば良い。
作品は唯一無二であり、この機会でしか見れないのは貴重だなと展示を見るたび思う。
ここに飾りたいから買えば良かったとなっても1点物だから早いもの順。私の作品が今後値上がってあの時買っておけば良かったーとなるかもしれないし、ならないかもしれない。不動産と同じです。面白いです。
今後も作家活動、制作は続けていきますので長い目で見守って頂けたら幸いです。

今回、キャンバスにアクリル絵の具で描いた後に、オイルパステルで線画を重ねて絵作りをしています。
モチーフの裏に色を塗ってボールペンで描くと画面に線が載る要領です。
日本画専攻していたので、線の強弱で立体や空間を見せることから、辿り着いた描き方です。
日本画を専攻したのは、祖母が華道茶道の先生で私も教授資格持つ程教えてもらい、その日本文化の背景をより学んで描きたいと考えたからです。
同時に海外にとても興味があるので、日本をより知りたい気持ちもありました。

日本画は和紙に岩絵具や墨だったりしますけど、日本画専攻の血は流れてるよね、という絵でしょうね。きっと。
短い言葉に世界が詰められる短歌も愛している。和は最高。

私のギャラリー在廊予定です。
■10/16(土),10/20(水),10/21(木),10/27(水),10/28(木)13時から17時位迄
◇10/23.30.11/6の土曜日は行けるか調整中。
11/3(水)は祭日でギャラリーお休みなのでご注意です。
お気軽に遊びにいらして下さい！
色んな方と出会えたら嬉しいです。
無料。手ぶらでOKです。
宜しくお願い致します。

個展『彼方の風が頬を撫でる』
ー風なびく奏でる時のひずみから宙のあいだに浮かぶ空白ー
2021年10月16日(土)〜11月6日(土)
13:00-19:00 水木金土　オープン（祭日休み）
Ohshima Fine Art
東京都文京区本駒込4-33-10　1階

私のwebiseteはこちらです。http://www.harukusaemi.net