夫婦の写真
夫婦で、ふたりで写真を撮ってもらう機会はとても少ない。めったにない。来月で5歳になる息子の写真はたくさん撮る。放っておいても気づけば撮っている。最近は撮ろうとした被写体から怒られることもある。
今日は結婚記念日。ぼくには今日も仕事があるが、昼ごはんは家族三人で食べられそうだ。お祝いに、ぼくと息子はまだ行ったことがなくて、妻もたいへん久しぶりだという奇珍へ行くことにした。
奇珍は道草の家から歩いて行ける中華料理屋だ。近くにある店ほど遠い。なかなか入る機会がなかったが、ようやく行けた。
竹の子ソバ。細い麺に、優しいスープ、その上にぼくの指よりも太いメンマ(ジューシー!)がゴロゴロのっている。
丼ぶりに入ったチャーハン。赤いのはチャーシューで、これまた美味しい。スープつき。
ほんとうは5つあったシュウマイ。ザーサイつき。どれも美味しい。
さて、書きたかったことはグルメ日記ではなくて、夫婦一緒に撮ってもらう写真のこと。
今日は撮りたいと、ふいに、何となく思った。
近くにいる人に頼んで撮ってもらうこともできる。けれど、隣で美味しそうにチャーハンを(ラーメンとシュウマイも)頬張っている息子を見たら、あぁ、この子に撮ってほしいな、ぼくのスマホなら軽いから、彼でもじゅうぶん撮れるだろうと思った。
食後に頼んでみたら、嬉しそうに引き受けてくれたのだった。
カシャカシャカシャカシャカシャ! と連写し始めたのには驚いたが(自然とそうなってしまったんだろう)、次から次へと撮るので、大笑い。
たしかに、写真を1枚撮ってほしいとは頼んでないし、何枚撮ってほしいとも言ってない。
──何枚でも撮ればいい。思う存分。
結果、おそらく一生忘れないだろう、素晴らしいフォト・セッションになった。
(つづく)
「道草の家・ことのは山房」のトップ・ページに置いてある"日めくりカレンダー"、1日めくって、2月22日。今日は、"食"の話。※毎日だいたい朝に更新しています。
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