見出し画像

【本紹介】ころんで学ぶ心理療法⑤


遠藤裕乃 著


初心者のための覚え書き

五感を使って面接を振り返ること

録音記録を聞き返すだけでなく、五感を使って面接を振り返る
→面接室の中で
セラピストとしてその時にどう考え、どんな感情がわいていたかを思い出す
クライエントになったつもりになって録音テープを聴く
クライエントがどんな気持ちや考えだったか追体験する
セラピスト側とクライエント側の記録がどれくらい噛み合っているかチェック

論文を書くこと

事例を論文にすることで第3者の目線で観察して記述することができ
冷静で客観的な観察者の目が段々と出来上がっていく

活字にすることによって大勢の研究家の目に触れるのでいろんなコメントをもらうことができる

心の成長のイメージを明確にしておく

クライエントが「心の葛藤をなくしたい」「悩みから解放されたい」と言ってきたときにそれをそのまま返すことは自分の頭でクライエントの心の成長が何か考えていない証拠

心の成長=苦しみからの解放、葛藤の解消
ではない

心の成長とは、悩みや葛藤を心の中に入れて置けるようになること
次々やってくる悩みや葛藤を受け止めるこころの器を大きくすること

◆まずはクライエントのこころの器がどれくらいかイメージすること
→器の大きさに対してボール(悩み)がどのくらいか、収まらなさそうならこころの器をどれ程広げたら良いか思い描く

心理療法家を選んだ理由を自覚しておくこと

セラピストが自分の悩みに囚われて
クライエントに対して「このクライエントは私と同じ悩みを抱えている。私の面接を足掛かりにしてこうした悩みを克服してほしい」と期待してしまう


どんなセラピストでも無自覚なところで自分の悩みの解消をクライエントとの面接に持ち込んでしまう
→心理療法家としての成熟は、「自分が心理療法家というアイデンティティをなぜ選択したのか」を常に自覚しておくことにある

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?