見出し画像

子どもの盗み行為ー③原因と対策

1、原因

必死にあちらこちらに相談に行ったけれど、娘が万引きをする「理由」は結局分からず仕舞いでした。

それから一年以上たって娘は中学生になりました。中学生になってもある問題を起こし、その件で子育て支援センターの相談に行った時のことです。時間が経っていたので担当の心理士さんが異動となり、新しい心理士さんになりました。

簡単に今までの娘のことを説明する中で、小学校時代の万引きの件も話しました。

「娘の小学校時代は万引きに苦しみました。いまだにその理由も分からないし、だからいまだにまたやるんじゃないかと不安でたまらないのです。」

と私が言った時、あっさりと心理士さんは言いました。

「いますよ、そういう子。いますいます。」

理由なく気付いたらやってしまう子、います。でも大丈夫です。そんな感じでした。

なぜかその時、すっごくホッとしました。スパッと断言してくれたからでしょうか。そうか、娘のような子、いるんだ。

親の愛情不足とか、寂しさとか、ストレスとか、私に原因があると思っていました。育て方が悪かったのか、とか、自分の対応が悪いのか、とか。

もちろん、当時の娘の根っこには常にストレスがあったと思います。学校生活とか受験とか。そのストレスが関係していないとは思っていません。それが根底にあった上で、でも無意識にやっていたことなのかな?と今は思っています。

娘が中学生になったとき、自ら当時のことを振り返って言ったことがあります。

「あの時なんであんなことをしたのか。今でもさっぱり分からない。」

と。本当に無意識下だったようです。そしてそのあとはっきりとこう言いました。

「でももう絶対しないよ、私。」

その言葉通り、娘はその後一度も万引きしていません。

2、子どもの盗み行為に対する具体的対処法

最後の万引きをした直後は、しばらく不安で不安でたまらなかったです。

でもいつまでも監視のようなことをしているわけにはいきません。そこで、各方面に相談しながら次のような対策を取りました。

①通学および習い事などに行くときは必ずお金を持たせる。

必ず300円持たせました。これは親にとっても子にとっても「お守り」になるものです。一つの財布だと入れ替え忘れを”絶対に”するので、すべての習い事カバンとランドセルに入れました。

「基本的には勝手にお店にはいかないルールだけれど、でもどうしても、という時にはこのお金があるから使おうね、お守りのお金だよ、ちゃんとお金があるから大丈夫なんだよ」と言って持たせました。

「どうしてもという時」は普通はそうそうないはずですが、娘の場合は我慢ができずすぐにお金を使ってしまう可能性が高い、とカウンセラーさんは言いましたし、私もそう思いました。でも、それでもよしとするというのがカウンセラーさんからのアドバイスでした。たしかに万引きされるよりはお金遣っちゃった、の方がいいですからね。

②家庭内でも財布や現金を見えるところに置かない。

親の財布からお金を抜き取ることの防止です。とにかくそのような行為を「起こさせない」のが大事。ならどうするかというと、きっかけとなるシチュエーションを作らないようにするのです。

話は前後しますが、娘は私の財布からお金をとったこともありました。

これはこれでとても悪いことですが、「親の財布からお金を抜く」はけっこうある話のようです。
実は私も小学生の頃やりました。この動機についてはまた別記事に詳細を書くとして、盗みのトリガーにならないよう、自宅であっても無防備にお金を置かないこと。

まず、できる対策としてはこの二つ。盗みは悪い、親を悲しませる、なんてことはどっかで分かっていると思うのです。それまでちゃんと育ててきたのならそれは自信を持っていい。

でもやってしまう。それがADHDの衝動性からくるのか、脳が発達途上だからやってしまうのか、専門家でないからわかりません。根っこにはストレスがあるのかもしれません。原因ははっきりしないけれど、でも一定数「無意識に」やってしまう子はいるということ。

原因追求に必死になって、原因が分からないから将来が怖くてたまらなかったけれど、ある意味諦めて上記対策を取ることで少しラクになるのではないかと思います。

続きはまた。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?