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他人に助けを求める立場なら【ヘルプマーク】

休憩室からこんにちは!98度のお湯を注いだばかりのオートミールが冷めるのをお腹すかせて待っている、はるねずみです。

突然ですが、みなさんは【ヘルプマーク】についてご存知ですか?

名刺サイズくらいのカード型のキーホルダーのような形状で、赤字に白十字がついたものです。

通勤中や街中を歩いているときなど、ヘルプマークをカバンに付けている方を最近よく見かけるようになりました。

私はこれまで何となく見聞きした情報から、"何らかのハンディキャップや障害を抱えていて、助けを必要とする人"という程度の認識は持っていましたが、具体的にどのような人が身につけるものなのかは知りませんでした。

そこで先ほど検索してみました。


"ヘルプマークとは

周囲の方々に援助や配慮が必要なことを知らせることができるストラップ型のマークです。見かけたら思いやりのある行動をお願いします。

対象となる方(例)

  • 義足や人工関節を使用している方

  • 内部障がいや難病の方

  • 妊娠初期の方

  • その他援助や配慮を必要とする方"

(札幌市HPより引用https://www.city.sapporo.jp/shogaifukushi/sabetukaishou/helpmark/helpmark.html


ということなので、私の認識はおおよそ合っていたかな?という感じです。


特定の障害や疾患に関わらず、援助や配慮を必要とする人が、それを周囲に知らせ理解してもらうために身につけるものなんですね。

妊婦さんが付けている【お腹に赤ちゃんがいます】のキーホルダーと同じような意味合いかもしれません。



なぜ、私がこんな話を急にしたかというと、話は今朝の出来事まで遡ります。


私は平日、自宅から職場まで地下鉄で通っているのですが、いわゆる【通勤ラッシュ】と呼ばれる時間帯のため、地下鉄車内はめちゃくちゃ混みます。

駅に停車する事に、これでもか!!というくらい人が乗り込んできて、ギュウギュウ押し込められ、乗り換えの駅に着くまで身動きが取れない状態になります。

(とはいえ、札幌の地下鉄は路線が三つで乗り換えできる駅は一駅のみなので、そこに着きさえすれば一気に人が降りて満員状態は解消されるのですが…)


満員電車に限らず、人がたくさん密集するような場面では、「今押した(ぶつかった)だろ!」「通るからどけろよ!」「ちょっと、痛いんだけど!」のような、人と人同士の言い争いや騒動は付き物だと思います。

ただ、常識ある社会人であれば、わざわざそういう場面で声を荒げたりするようなことはなく、「この時間帯だから仕方ない」と割り切って、静かに目的地到着までじっと耐えると思います。


でも、私は実際に色んな場面を目撃してきました。

【女性専用車両】にて、女性と女性が「なんで押すんですか!!」と言い合いをして、相手を車両の外に突き飛ばしている場面。

「通るからどけてーーー!」と、隣の車両まで聞こえそうなほどの大きな声で叫びながら、周囲の人たちを押しのけながらモーゼのごとく道を開けさせる若い男性二人組。


ギュウギュウ詰めで息苦しいのも、押されて痛いのも、通りにくいからよけてほしいのも、みんな一緒です。

それでも、こんな風に失礼とも言えそうな態度を公共の場面で取ってしまう人たちは、一部います。

そういう場面を目の当たりにするたびに、自分が何かされたとかではなくとも、なんだか悲しいような腹立たしいような、複雑な気持ちになります。

どうして、もっと言い方を考えられないのかな。とか、何もそこまで無理に押さなくても・・・というように。


地下鉄には高齢の方や足腰の悪い方、小さな子供、妊婦さん、若くてか弱い女性など、色んな人が乗っています。

混んでいるのは仕方ないと言えども、必要以上にぐいぐい、肩をぶつけるかのように強く押す人を見ると、「普段からそうなのかな?」「自分勝手な人なのかな」と少し警戒してしまいます。


そんな中、今朝も似たような場面を目撃しました。


乗り換えの駅で皆が一斉に降りるとき、人の波の中でやたらと前の人をぐいぐい押して進もうとする男性がいたんです。

別によくある光景なのですが、なんとその肩が背負っている黒のリュックには、【ヘルプマーク】がぶら下がっていたのです。

地下鉄や電車の中では、リュックは体の前に持つようにというのもマナーの1つですが(地域によるかな?)、その方は背負ったままで、さらに、今まさに降りようと進んでいる人たちを後ろからグイグイ強く押していたんですね。


車両のドアは完全に開いていて、降りる人が通りやすいように、地下鉄にこれから乗り込む人達は目の前を開けて道を作ってくれています。

だから、降りる人の目の前には何もない状態。つまり、勢いよく後ろから押されたり突き飛ばされたりすれば、前の地面に向かって転んでしまう危険性だってあります。

それなのに、どれほど急いでいるのかは知りませんが、その黒リュック男性の背後にはスペースができるくらい、前の人に体重をかけながらグイグイ押していたのです。


ヘルプマークを付けた人を街で見かけるたびに私は、「もしこの人に何かが起こって、困っていたら助けなきゃいけない」と意識します。

ヘルプマークを見かけるようになってから、白杖をついて歩く目の不自由い人や、脚が悪いためかスキーのストックのような棒を2本つきながら歩く人、背中を90度近くに曲げながら荷物を乗せたカートを押してゆっくり歩くおじいちゃんおばあちゃん。

ヘルプマークを付けていなくても"助けが必要そうな人"が目に入ってくるようになりました。


そんな中、今朝のその男性の行動を見て、やはり残念というか複雑な、なんとも言えない気持ちになってしまいました。


他人の援助を必要とする人はヘコヘコするべきだ、低姿勢でいるべきだ、などと言いたいのではありません。

それでも、いざと言う時に自分が助けてもらいたいと思うなら、せめて他人を自分の都合で傷つけたり困らせるべきではないんじゃないかな・・・?と思ってしまうんです。

急いでいるのかもしれないし、予定に間に合わないことでものすごいパニックを起こしてしまうなど、そういうハンディキャップを抱えているのかもしれません。

けれど、グイグイ後ろから押して、誰も転ばなかったからよかったものの、もしも先頭の人が転んで、後ろから来る人に蹴り飛ばされたり踏みつけられたりしたら?それでなくても、転んだ衝撃で捻挫や骨折をしてしまったら?

もしかしたら、本来"他人の援助を必要とする自分"が、加害者になってしまう恐れだってあるわけです。


助けが必要、弱い立場、不自由さを背負って生きている。そんな自分を大事にすることは大切ですし、それこそが周りに対する配慮とも言えるかもしれません。

でも、できたらもう少し、自分より丈夫そうに見える人にたいしても、思いやりを持てたらなぁと。



そんなふうに考えた朝の通勤時の出来事でした。

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