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分からないって、つらい。

完全に甘く見ていた。

私自身も不登校を経験しているから、自分の子どもが似た状況になっても、理解してあげられる自信があった。

でもね、ダメだわ。不登校って、きっと誰一人として同じパターンはない。何なら自分の経験が、娘と向き合う足かせになっている気すらする。

***

私は学校に行けなかったとき、先のことが不安でたまらなかった。だから毎日のように「私、この先大丈夫だよね」って母親に聞いていた。

だけど、娘からは焦りとか不安みたいなものが感じられなくて。過去の自分と比べては、YouTube漬けの娘にイライラしてしまう。

せめて、娘自身がどう思っているのかを話してくれたら。もうちょっと穏やかでいられるのに。

彼女が学校について、どう考えているのか、まったく分からない。聞いても話さないのだ。その状況がもどかしくてしかたなかった。

***

できないことじゃなくて、できることをちゃんと見ようって、つい最近決めたばかりなのに。やっぱり無理だ。前向きな気持ちで娘を見守る余裕がない。

私が毎日を楽しんでいれば、娘も元気でいられるって信じてきたけど、自分自身のご機嫌を取るのも、何か疲れちゃったなあ。

気持ちの収拾がつかなくなった私は、久しぶりに外が明るいうちから布団の中にもぐりこんだ。

どうにもならない感情を、本人にぶつける勇気はない。だから、現実逃避するため、深い眠りに入る。

でも、今回はそれだけじゃ落ち着かない。全身に見えないトゲをまとっているのが自分でも分かった。

気付いたときには遅かった。夕食の準備中「〇〇、食器並べてもらっていいかな?」と、娘に向かって自分でもびっくりするくらい、冷たい声を発していたのだ。

そのあとも止められなくて、今まで心の中に留めていた、彼女に対する気持ちを、ぶつけてしまっていた。

学校が合わないなら戻らなくていい。だからといって、毎日好きなことだけしてていいよ、とは言っていない。〇〇だって、いつかは自分の力で生きていかなきゃいけないんだよ。そのためには、人と関わったり、ときには頑張ったりする必要がある。せめて、〇〇は学校のことどう思っているのか、教えてほしい。

娘はただ黙って話を聞いていた。「何か答えてくれるかな」と思ったら、静かにリビングに移動し、またYouTubeを見始めた。ため息が出る。

少しは向き合ってよ。向き合ってるなら、ちゃんと教えてよ。何にも分からないのは不安で苦しいんだよ。

分からないから、勝手に想像して悩んでイライラして。どんどん心がすり減っていって…。

せっかく親子でカウンセリングに通って、二人とも精神的に安定したから卒業したけれど、もうダメだ。

私が落ちてしまったら、娘に影響してしまうのに。

分かっていても、止められない。


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▼娘の不登校について、親である私が思うことを素直に綴ったエッセイ集です。

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