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物語という贈り物

此処で書くようになって、もうすぐ半年が過ぎようとしている。早いものだと思う。

エッセイでも小説でも、私は自分の原体験を元にnoteを書いている。私自身のことを書いていくなかで、少しづつ読んでくれる人が増えていった。それはとても嬉しいことで、ありがたいことだった。

なかでも嬉しかったのが、私の周りの人のことまで「好きです」と言ってくれる人が現れたことだった。息子たちのこと。幼馴染のこと。私の命と心を守ってくれた人たちのことを、私と同じように大切に想ってくれている。私の文章に心を添わせてくれる。その幸せを日々噛みしめながら、毎日書き続けた。


そんななかで、思いがけずこんなにも素敵な贈り物を頂くことが出来た。

ふゆほたるさんの創作小説。物語の主人公は私と、ふゆほたるさんのフォロワーさんである「ちぃ坊さん」だった。私にとって、ちぃ坊さんが幼馴染と重なった。物語のなかで私たちは再会していた。そのときの光景は、とても優しくて温かいものだった。

「言いたいことは 言いたい時に 伝えるもんだ…その方がいい。」

オジサンにそう伝えられた主人公の葉流(はる)は、素直に頷いた。この台詞が、ずっと私のなかで鮮やかに息づいている。伝えられる相手がいるなら、想いを伝えた方がいい。そう思う一方で、余計なことをぐちゃぐちゃと考えだしてしまう。葉流のように素直になれたらいいのに。

「ありがとう」

そのたった一言を伝えるのに、私は随分と長いこと躊躇ってきた。

いつか必ず伝えよう。此処で書いているだけじゃなく、ちゃんと彼の顔を見て。笑顔でそう言って、ビールで乾杯でもできたらいい。


ふゆほたるさん、本当にありがとうございました。凄く凄く、嬉しかったです。物語のなかで、私たちを出会わせてくれてありがとう。伝えたい言葉を伝えさせてくれてありがとう。

葉流とちぃちゃんの手は、ずっとずっと繋がれていて欲しい。心から、そう願います。臆病な私の背中をそっと押してくれた。ふゆほたるさんの優しさを、私は忘れません。


◇◇◇

先日、ヒトミさんからもこんな素敵な物語を贈って頂いた。

主人公は、詩織という女の子。そして彼女の隣にいる人懐こい青年は、私の息子だった。長男と、彼の大切な人との物語。

「うん。それに、俺にはもう、ほかに守りたいひとができたからさ。」

小さな身体と大きな心で私のことを守ってくれている息子。そんな彼が、こんなふうに自分の大切な人を温かく包める大人に育ってくれたら。守りたい人を優しく守れる人間に育ってくれたら。私は本当に幸せだ。

息子が私のことについて語る台詞を、涙しながら読んだ。本当に、こんなふうに思っているのかもしれない。だから彼は、いつも強く優しく在ろうとしているのかもしれない。

私の未来はまだ分からない。この物語の結末のような未来に出来るかどうかは、私次第なのだろう。


”私なんて”とどこかで思っていた。どうせ何も変えられない。見たくないものは目を瞑って歩いていくしかない。随分と長いこと、そう思って生きてきた。

でも、そうじゃなかった。踏み出して必死に声をあげてみたら、たくさんの人が聴いてくれた。寄り添ってくれた。自分を取り巻くあらゆる環境が驚くようなスピードで変化した。大切な人たちが出来た。「大切だよ」と伝えてくれる人たちが出来た。


幸せになって欲しい

幼馴染だけがくれたその言葉を、惜しみなく伝えてくれる人たちがいた。


書いていて良かった。生きていて良かった。

此処で書いてきた私の時間は、かけがえのない宝ものになった。そしてそれはこれからも続いていく。


ヒトミさん、本当にありがとうございました。作品のあとがきも、とても嬉しかったです。息子のことを、とても大切に想ってくれてありがとう。私の笑顔を望んでくれてありがとう。幸せを願ってくれて、ありがとう。

「もう大丈夫」と息子に思ってもらえるように。安心して旅立ってもらえるように。私は私の人生をちゃんと生きようと思います。自分を粗末にするのではなく、後回しにするのではなく。私自身の幸せを、きちんと考えていきたいです。


創作小説を書いてくれたお二人だけではなく、answerノートを書いてくださった方。素敵な絵を贈ってくださった方。コメントで気持ちを寄せてくれた皆さん。いつも読んでくれる皆さん。本当に、ありがとうございます。たくさんの方々の支えのおかげで、毎日書くことが出来ています。

自分のこと。家族のこと。過去、現在、未来。書くことは、呼吸をすることと同じ。


私は明日も、此処できっと書きます。

それが私の一番やりたいことで、生き抜いてきた意味なのだと思うから。

最後まで読んで頂き、本当にありがとうございます。 頂いたサポートは、今後の作品作りの為に使わせて頂きます。 私の作品が少しでもあなたの心に痕を残してくれたなら、こんなにも嬉しいことはありません。