見出し画像

生まれ育った場所

結婚してから、夫の地元で暮らしている私。

名字もかわり、通勤するのに遠いから職場も変わり、全く知らない街に越して来た。

大学も就職も生まれ育った街だったので、結婚して初めて、そこを離れた。

友達もいない、風景も知らない、病院も学校もヘアサロンもどこがよいのかなどよくわからない。

そんな中で、子育てもしなければならない。

何年かかけて、少しずつママ友ができたり、地域情報にも詳しくなり。
もうこの街の人間になれたな、と思う。

でも。久々に先日、自分が生まれ育った街に帰ったら。

やっぱり私が落ち着くのはこっちだな…と思ってしまう。

生まれ育った街は、割と都会で便利な地域で。
今住んでる街は、別に山の中とかではないけど、どっちかというと少し田舎。
そんな風景にも慣れたと思っていたけど。

でも、やっぱり生まれ育った街がいいなぁ…。

子供時代に通った学校、いつもお世話になった病院、いつも通った店、毎日乗ったバスや電車…思い出がいっぱい。この街のことならなんでもわかる。

ただ、私がこの街に戻ることは、たぶんない。
私にとっては、故郷がホームタウンだけど、子供にとっては、たぶん今住んでるところが一番落ち着くホームタウンに、もうなっているし。
夫に転勤の予定はないし。

私の親も高齢なので、そのうち「実家」もなくなるだろう。

そしたら、生まれ育った街に、「とまり木」みたいなところがなくなるし、帰る理由も無くなる。

結婚したりして、新しい街で暮らせば、慣れてそこを「居場所」と感じるようになれると思っていたけど。
やはりどこか、いつまでも違和感が残っている。

あと20年くらいしたら、さすがに今住んでるところを、居場所だと感じるようになるのだろうか?

いや、いつまでも、心は生まれ育った街に戻ってしまうように思う。

それでもいい。
「居場所」が増えたと思うことにしよう。
この街でも、行きつけの店を増やして。
この街でも、好きなことをして過ごして。
「失礼します」みたいな、お客さんみたいな顔ではなく、堂々と地元顔をしよう(笑)。

この不便で人が多くない、こじんまりとした街を、愛そう。


この記事が参加している募集

ふるさとを語ろう

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?