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私は上司に向いてない。


社会人になって、会社や組織に属すると、業績や年次の関係で、先輩、後輩とか、上司、部下とか、いわゆる上下関係というものができるように世の中はできている。

もちろん、その上下関係で見たときに「下」に位置する立場も普通にしんどい。
俗に言うばんばんプレッシャーをかけてくるパワハラ上司とか、逆に仕事ができなさすぎてフォローが大変なダメ上司とか、私自身もすでに3回の転職を繰り返している中で、何度もそういった人に遭遇してきたし、それが原因で仕事を辞めたこともあった。
先輩や上司は選べない。だから難しくて大変だ。

けれど逆に先輩や上司、リーダー職など、「上」に位置する立場も普通に大変だと、最近、仕事でいわゆるリーダー職を任されるようになって思った。はじめてのリーダー職というわけではないのだけれど、やはり20代後半になってくると、後輩や部下を持つ機会って普通に年次の関係でよくあると思う。

私はこの「上」に位置する立場が驚くほどに自分に向いていないと思っている。
今日はそれについて、「3K」ならぬ「3M」をここに提唱して綴っておこうと思う。

まず1つ目の「M」は「まかせられない」である。「上」に立つ人間として一番の致命傷であることはわかっていながら、私は人に任せると言うことが死ぬほど苦手である。

いつも思う。
「人に任せるより、自分でやってしまったほうがどう考えても早い。」と。

一番いけない考え方だとはわかってはいるのだけれど、自分がリーダーであれ、下に部下がいる状況であれ、昨今の世の中において、「人に教える」みたいな教育の余白を持った仕事の分配が十分にできている会社や組織なんて少ないと私は思っている。

普通に考えて、自分1人でこなすのに精一杯な仕事量の中で、部下や後輩に教える時間を捻出して、彼らがやりやすいようにゴールや期限を決めて、パワハラにならないように優しく気遣いをしながらタスクを振り分けて、上がってきたものをチェックして、修正して、顔色を伺いながら間違っているところを指導して、、。

それができる人が私には羨ましい。
どう考えてもその過程がしんどすぎて、いつもメンタルをやられそうになるので、メンタルやられるくらいなら残業してでも私がやったほうが楽だし早い。

そう思ってしまう私は上司に向いてない。


次、2つ目の「M」は「まてない」である。この間、「月曜から夜ふかし」というマツコさんの番組で、「まて!!まて!!」
と言われて、頭ではわかっているのに、えさを食べたすぎて、勝手に身体が動いてしまう可愛らしいワンちゃんが特集されていた。見ているときは、かわいくて微笑ましく笑いながら鑑賞していたけれど、よく考えてみたら、どう考えても仕事中の私にそっくりだった。

頭ではわかっている。
新しく入ってきた後輩に電話対応をマスターしてもらわないといけないって。けどね、2コール鳴ってるよ、次3コール目じゃん?え、4コール鳴ってるけどまだとらないの?って。
「まて!!まて!!」
そう言い聞かせても手がつい動いて電話を取ってしまうのが、そう、私。

頭ではわかっている。
部下に任せた仕事の進捗状況が明らかに悪そうで、けど締め切りまではあと1日あって、けどどう考えても終わらないよねって、そしたら私が困るんだけどって
「まて!!まて!!」
そう言い聞かせてもいつのまにか「間に合わなさそうだから私やっとくね。」って気づいたら仕事を巻き取ってしまっているのが、そう、私。

頭ではわかっている。
「電話対応緊張するよね。でも待たせないようにできるだけ1コール目でとろうね。」
って寄り添いながら、見守ることが1番大切だということも。

頭ではわかっている。
「進捗状況どう?ちょっときつそうだね。せっかくここまできたんだし、手伝うから最後まで一緒にやろっか!」
って一緒に奔走して、成長を影から支えることが1番大切だということも。

でも、私はまてない。何度「まて!!」と言われたって待てない。

だから、私は上司に向いてない。

そして、最後の「M」は「まにうけすぎる」である。

「上」の立場になると、後輩や部下から、相談を受けることや、逆にダメ出しや叱責をくらうこともあると思う。

その一言一言のパンチを、よけることなくすべてダイレクトに喰らってしまう癖が私にはある。

「今日ちょっと仕事のことで相談あるんですけど。」
明らかにこの間話していたうまくいっていない彼氏の話だろうとプライベート臭がぷんぷん香っているストレート。

「今日夜大事な予定があって、けどこの仕事終わらなさそうで変わってもらえませんか?」
明らかに私がやってくれることを前提としたある種強制力の強いストレート。

「〇〇さんって、仕事中いつもせかせかしてますよね。」
せかせかさせないように仕事してくれたら、私だってゆとり持って仕事できるのにとはどう考えても言えない、ここでフック。

「〇〇さんって、いつも全部1人で仕事しちゃいますよね。なんか信頼されてないのかなって悲しくなります。」
うん、それは何度指摘してもあなたがミスを繰り返しているからだよ、とは言えないよね、ここでトドメのアッパーがくる。

「カンカンカン」

私の頭上にゴングが鳴り響くのが聞こえる。
試合終了のお知らせだ。

安西先生は「そこであきらめたら試合終了ですよ。」って言っていて、私だって何度も身体に鞭打って戦ってきた。
けれど、やはり人にも限界はある。

本当はこうゆうとき、しっかりと自分の関わる範囲を決めて、うまくかわしたり、ダメ出しだって、ときには無視して、嫌われるゆとりを持って、後輩や部下とうまく接することができたらいいのだけれど、まにうけすぎる私は、ありとあらゆるパンチをダイレクトに身体に喰らってしまうのだ。

だから、私は上司に向いてない。

一度、自分の上司に言われたことがある。
「こんなに頑張って働いているのに、かわいそうだ。」と。

かわいそうにしているのはあなたですけどね。とは言えなかったけれど自分でもしっくりくると思う。

「かわいそう。」と。

自分で「3M」を提唱してみて、やはり向いてなさが顕著になった。
でも再認識できたことはとても私にとって有益だ。
「上」を回避して生きる道、たとえば個人事業主とか、社員じゃない働き方とか、自分にあった働き方を、「かわいそうな自分」にならないような働き方を、これから模索していこうと思う。






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