はるのもみじ

29歳。女性。人生迷子中。眠れない夜に、ぐったりと疲れた夜に、何もかもうまくいかない夜…

はるのもみじ

29歳。女性。人生迷子中。眠れない夜に、ぐったりと疲れた夜に、何もかもうまくいかない夜に、そんな誰かの気持ちに寄り添った文章を書けるよう努力しています。

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29歳独身、親友の結婚に涙する。

最近、毎日のように周りで誰かが1日に1人くらいのものすごいペースで結婚している。 そんな中、私には好きな人もいなければ、彼氏さえいない。 そんな現実を自分自身あんまり意識したことがなかった。 別に一人でも事足りていたし、忙しいし もちろん、いい人と巡り合えればそれでいいなぁなんて、なんとなーく思っていたくらい。 そんな中、私の親友が3月に結婚することになった。 あとから気持ち悪がられることがないよう、私と親友の親友概要について先に記載しておこうと思う。 そんな大好きで

    • 【小説】たぶん、きっとそれは愛。(第1話)

      「ふぅ」と大きく息をはいて彼はくるりと背中を向けた。その背中をそっと指で撫でてみると驚くほどに冷たかった。さっきまで、私の身体全体を包み込んでいた熱い体温はもうそこにはなかった。 彼の背中を指でなぞった後、その冷たさに寂しさを感じて、それと同時に悲しみも感じて、哀愁に浸っていられるほどの心の余白なんて私にはない。 だから私だって、くるりと背中を彼に向けて、ベッドの下にあるバックからおもむろにタバコとライターを取り出して、火をつけた。 天井に向けて、彼の冷たい背中にこびりつ

      • 眠れない夜に、眠れる森の美女の話をしようと思う。

        眠れない夜というものはいつだって唐突に訪れる。 それもなぜか今日に限ってと、自分にとって限りなく都合の悪い形で。 「あぁ、眠れない。」そうやって、藁にすがる思いでスマホに明かりを灯しても、そこに私の中に渦巻く不安や、恐怖を打ち消す術はない。 あきらめて、部屋を真っ暗にして目を閉じる。 そんなときに思い出す、眠れる森の美女の親友の話をしようと思う。 彼女は、私が大学生時代を過ごした京都の街で出会った親友である。 背丈は私と同じくらいの小柄で、帰国子女だった彼女は、どこかのハー

        • 関西の絵の具に染まらないで帰っていたら私は。

          そうやって、都会へ旅立った彼、彼女が、田舎へ戻る確率っていったいどのくらいなんだろうと思うときがある。 この歌の彼も、結局彼女のもとへは帰らなかった。 涙をぬぐうためのハンカチーフが届いたかの行方はわからないけれど 彼が都会の絵の具に染まったことは事実で、それを待っていた彼女の心情を考えると、切なく、悲しく、、、名曲だと思ってよく私はこの歌を聴いている。 私自身も、九州の小さな田舎で生まれ育って、高校を卒業するまではその町を一度も出ることなく育った。 そして大学進学のとき

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        29歳独身、親友の結婚に涙する。

          会社を辞めると宣言した彼女は。

          「6月末でこの職場辞めます!」 先日、職場の後輩がそう私に告げた。 彼女は、つい最近まで、「私は何がしたいのかわからない。」そう言いながら、ぐるぐると終わりなき迷路の中をあてもなくさまよって、まるで、一生生理2日目が終わらないみたいな浮かない顔を浮かべていたのに。 「6月末でこの職場辞めます!」 そう言った彼女の顔は、まるで雲ひとつない青空のように快晴で、晴れ晴れしかった。 迷路のゴールが見えたのかと思って尋ねてみたけれど、そういうことでもないらしい。 まだまだ20代が

          会社を辞めると宣言した彼女は。

          29歳、友人と疎遠になるその前に。

          29歳。 世の中一般的にみて、今まで一緒に過ごしてきた友人たちと疎遠になりやすい時期らしい。 特に、女性はそれが顕著らしい。 同棲、結婚、妊娠、出産、それに伴って、仕事の変化、転職などなど。 この時期、女性のライフステージの変化は著しい。 たしかにそんなようなことは聞いたことはあったけれど 26歳、27歳のとき、私の周りには、私と同じ独身の友人も多くて、あまり現実味を感じていなかった。 けれど、ここ最近、28歳、29歳になって、まるでみんなで口裏を合わせたかのように、一気に

          29歳、友人と疎遠になるその前に。

          気が狂いそうなときに1人で叫びたい名曲3選

          人は、なぜ、落ち込んだり、つらくてどうしようもなくて、気が狂いそうになったとき、ブルーハーツを聞いて、1人で熱唱してしまうのだろう。 そんなことをよく思う。主語はあえて「私」にしなかった。 きっと私と同じようにブルーハーツの歌を1人で叫んで、救われている人はたくさんいると思うから。 私は今、どこに行くにも車を使うしか足がない場所に住んでいて、だから自分の車を持っている。 毎日がつらくて、苦しくて、どうしようもないとき、訳もなく私は車を走らせて、ブルーハーツを爆音で車内に流

          気が狂いそうなときに1人で叫びたい名曲3選

          あやうく一生懸命不倫するところだった。

          昨今、人々は「不倫」という言葉に非常に敏感になっている世の中だと思う。私が物心ついたときから、ドラマやニュースでその言葉を聞かない日はないくらいに世の中は不倫ブームだ。 自分が社会人になるまでは、「不倫」は私にとって、どこかの国のおとぎ話のようなものだと思っていた。 きっと、私の知らないどこか違う世界で起こっていて、まったく自分には関係のない話。 そう思っていたけれど、社会人になって大人の階段を上ると、同僚や友人、自分の身の回りにいろんな「不倫」がいたるところに存在している

          あやうく一生懸命不倫するところだった。

          時間を守らない彼女は。

          改めて、人は毎日を時間に縛られて生きていると思う。 起きる時間。 電車に乗る時間。 仕事に行く時間。 仕事から帰る時間。 家事をする時間。 寝る時間。 友人と過ごす時間。 家族と過ごす時間。 私はよく余裕がなくなると、その時間の呪縛の監獄に閉じ込められた気分になることがある。 幼いころから、時間はしっかり守るようにと言われて育った。 それと心配性の性格も重なってか、例えば、待ち合わせの約束をしていたとして、私は基本的に10分前行動ではなく、30分~1時間前行動をすることが

          時間を守らない彼女は。

          私は上司に向いてない。

          社会人になって、会社や組織に属すると、業績や年次の関係で、先輩、後輩とか、上司、部下とか、いわゆる上下関係というものができるように世の中はできている。 もちろん、その上下関係で見たときに「下」に位置する立場も普通にしんどい。 俗に言うばんばんプレッシャーをかけてくるパワハラ上司とか、逆に仕事ができなさすぎてフォローが大変なダメ上司とか、私自身もすでに3回の転職を繰り返している中で、何度もそういった人に遭遇してきたし、それが原因で仕事を辞めたこともあった。 先輩や上司は選べな

          私は上司に向いてない。

          明日、会社が消えてなくなってしまえばいいのに。

          世の中は4月。 桜が咲いて、そして散って、葉っぱになったりしているこの季節、街は新生活がはじまる、もしくははじまっている人たちで溢れている。 まだまだ制服やスーツに逆に着られている感が否めない、新生活がはじまった人たちは、時に不安そうに、時にうれしそうに、たくさん浮かび上がってくる自分のさまざまな感情に戸惑いながらも、頑張っているんだなと自分自身も鼓舞されたようなどこか懐かしく、ほほえましい感情に陥る。 私も彼らと同じように新生活を経験してきた。 小学生、中学生、高校生、大

          明日、会社が消えてなくなってしまえばいいのに。

          昼下がりの東海オンエア

          最近、私は休日によく、駅前のドトールコーヒーに行く。 店内喫煙所があって、電源も使えて、Wi-Fiまで飛んでいるという、私にとって三種の神器が揃った空間で、読書をしたり、noteを書いたりする時間は、至福の時間である。 その日もいつものように私は昼下がりに、そのドトールコーヒーを訪れていた。ホットコーヒーを注文して、noteを書いて、ひと段落したところで喫煙スペースに入る。 平日が基本休みの私。いつもその喫煙スペースには、仕事の昼休みや、営業回りで休憩中のサラリーマンと一

          昼下がりの東海オンエア

          「桜が雨で散っちゃいそうですね。」って言う人。

          桜がちょうど満開を迎えようとしていた昨日、大雨が降った。 雨が明けて、今日は曇り、せっかくきれいに咲いた桜たちが、見事に足元に散らばっている。 散らばった花びらたちを見ながら、いつの日か、誰かが私に言った言葉を思い出す。 「桜が雨で散っちゃいそうですね。」 確か、仕事で出会ったとあるお客さんだったと思う。名前も思い出せないくらい、数回しか会ったことなかったし、あくまで仕事上の関係の人だった。 けれど、その人が放った一言は、私にとって、とてもインパクトのあるものだった。 き

          「桜が雨で散っちゃいそうですね。」って言う人。

          「大丈夫。」その言葉に嘘がない世界線で生きていたい。

          「大丈夫。」 そう言った誰かが「大丈夫じゃない。」可能性って、割合的にかなり高いのではないかと私は思っている。 「大丈夫。」 そう言って、少し経ったあとに、壊れて行く人たちに人生で何度も遭遇したことがある。 「大丈夫。」 私自身もその言葉を、いまだに適切に使えた試しがない。 「先輩の大丈夫って、基本大丈夫じゃないですよね笑。」 そう笑いながら私に言ってきたとある会社の後輩がいた。おっしゃる通り、私の大丈夫は基本大丈夫じゃない。けど、それがバレないよう懸命に仕事し

          「大丈夫。」その言葉に嘘がない世界線で生きていたい。

          ほどよく無関心で、人と関わっていたい。

          「あんたなんか嫌い。」 「もう絶交だよ。」 まだ幼かった頃、そうやってトドメの一言を相手にぶっ刺して、あるいはぶっ刺されて、友だち関係が終了したことが何度かあった。今思えばその頃がなんだかほほえましくて、少しうらやましい。 大人になった今の世の中、世界では「多様性」という言葉が飛び交っている。 そして、普段関わっている誰かとの関係を終了させてしまうそのトドメの一言も「多様化」が進んでいると私は思う。 ふと悪気なく発した一言が、相手にとっては、とんでもなく傷つけられるトドメ

          ほどよく無関心で、人と関わっていたい。

          「生きている実感」が沸いた気がした、23の夏。

          暑さが煩わしくなりはじめた23歳の初夏。 私はとある山に移住して暮らしはじめた。 移住するまでの過程はこちら↓↓ いろいろあったけど、新卒で、1年と少し勤めた会社を辞めて、晴れて自由の身になった私は友人の紹介で、とある山奥に住んで、小さな林間学校のインストラクターの仕事をすることになった。 住んだ場所は、とある山の標高約200メートル付近に位置する小さな温泉街。それなりに都会での暮らしが長かった私は、家を探そうとネットで、suumoやhomesで検索をかけたけれど、ネッ

          「生きている実感」が沸いた気がした、23の夏。