『私の時間』(小説)⑫

朝から細かい雪が降っている。乾燥したアスファルトに落ちては、冷たい風で吹き飛ばされながら雪は溶けていく。
襟付きのジャケットに中は白のアイテムに白と黒の千鳥格子のマフラー、黒のパンプスの姿で真帆は、ハローワークの紹介で会社に車で向かう。
夫の洋平が亡くなって半年になる。息子の和弥はもうすぐ2歳になろうとしている。真帆が働いて息子を育てて行かなければならない。そのため、和弥を保育所に預けて働くつもりだ。
守衛室で面接時間と名前を言った。
「ここでお待ちください」と言われた。

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