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2019.10.16 エッセイ日記 *私を見つめて。

仕事を終え、外に出ると青空に冷たい風が身体を包む。これからもっと厳しい寒さになるのだと思いながら車に乗る。エンジンをかけ、仕事から解放された思いで発進する。
青空から夕暮れに変化し、自宅マンションの近くにある川沿いには、すすきと麒麟草のコントラストが秋の風景を演出している。麒麟草、詳しくはセイタカアワダチソウ。北アメリカ原産の帰化植物で大きいのでは3メートルを越え、秋頃には枝先に黄色い花を付け、種子による繁殖のほか、地下茎でも増える。アレロパシーという他の植物の成長を阻害する物質を根から放出するらしい。
だから群集で生えているんだと思う。

自宅に着くと、ネコがしっぽをぴんと立てて
「にゃー」と、お帰りの挨拶をしてくれる。
職場の人からいただいた緑色で取りたての小さな
みかん一つをテーブルの上に置いた。
ベランダから取り込んだ冷たくなった洗濯物を畳んでいると、ネコがテーブルに上がり、みかんを下に落とした。ネコは下に降り、みかんを手で転がし始めた。
「ボールじゃないのよ」そう私は言って、洗ってテーブルの上に再び置いた。
疲れていたのだろう。早いめに寝た。
朝、起きるとテーブルから少し離れた冷蔵庫の前にあのみかんが置いてあった。ネコの仕業だ。
そんな、みかんの季節だ。
洗って、仕事終わってから食べることにするよ。

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