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デジタルとアナログの融合地点の道に音楽を繋いで

絶対に勘違いしないでほしい。僕は、あのライブハウスに戻りたい。その気持ちはずっと変わらないです。

だけど、戻れない。なぜなら、こんなにも不平等な世の中になってしまったからです。


かつて僕を観に来てくれていたお客さんの誰もが、同じ条件で音楽を楽しめるようにしたい。だって、この新型コロナというウイルスによってそれが引き裂かれるなんて悲しすぎるし、引き裂かれないでやれる方法があるからです。

それは何かというと、インターネットだった。あんなに避けながら身体にまとわりついてきて鬱陶しかったそれが、ここに来て一番頼れる媒体になってきているのを感じます。だって、会わなくても届けられるんだよ。それは、2020年3月の始め頃までのあらゆるライブ会場にあったような身を震わせるような低音も息づかいも薄まってしまったかもしれないけれど、スマートフォンを通して、僕は音楽を誰にも会わずに届けられる。


なんでこんなふうに思うのかというと、これもまた僕のiPhoneの中にたくさんの悲痛な声が流れてきたからです。アーティストやライブハウスからの中止や延期の発表、お客さんの自粛生活の中の虚しさや悲しさ。そういうものを目にしているうちに、なんとかできるようにしたいと思った。初めて、音楽で誰かを喜ばせられたらいいと心から思いました。


音楽はきっかけになる。人と話すきっかけになるし、行動を起こすきっかけになる。と、僕はこれまでの音楽活動の場を失って気がつきました。決まっていたライブが中止や延期になるごとに、僕は音楽を演奏する機会を失われるばかりか、そのライブを通して人と話すことも、誰かの演奏や歌に感化されて自分の行動をすることもなくなっていた。音楽は素晴らしいものというどこかからのコピーペーストのような言葉の周りには、音楽はそういういろいろなきっかけをもっているということを僕は知りました。


だからね、これは失わせてはいけない。それに、もともとそういうものに触れていた人たちをそこから引き離してはいけないし、見捨てたくない。聴く人が音楽を選ぶも選ばないもの勝手だけれど、音楽を演奏する側の人間が聴ける人と聴けない人を初めから作っちゃいけないなって思った。

僕は岐阜県に住んでいるから、昔から名古屋に住んでいる人が羨ましかった。だって、好きなアーティストのライブがすぐに観に行けるんだから。だけど、仕方ないからね、岐阜に初めから住んでいるんだから仕方ないって思えた。でも、今回は違う。もともと、観れていた人たちが、ワクチンも未だにない新手の感染症への罹患を恐れて観れなくなってしまったのだから。高齢者と接する機会のある人や身体の弱い家族と生活している人は、人が密集した場所へ行くことをためらうことになっていると思う。持病をもつ人は健康な人を前より一層羨ましく思うことになる。

そんなのは嫌なんですよ。目の前にいる人をこのタイミングで切り捨てたくない。

勘違いされたくないのは、僕はずっとリアルなライブハウスでライブがしたくてたまらないということ。2020年3月9日のツアーファイナルワンマンを無期限延期してから5月末の今まで、未だに一度もその希望は叶っていないけれど、オンラインライブハウスを始めたことは、リアルなライブハウスでライブをもうしないということでは全くない。

「オンラインとリアルの共存」が音楽の喜びの存続の道だということに僕は賭けています。時代は発展はしても、逆戻りはしない。インターネットに人間が喰われる前に、僕はインターネットを操れる人間になることに決めた。

「前進しないサメは死ぬ」その前身の方向をこのデジタルとアナログの融合地点に見つけて進んでいく先にどうか誰一人見捨てることなく好きなものや人を好きなままでいられることを願っています。


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