見出し画像

2020.3.8(日)リリースツアーファイナル ワンマン公演を無期限の延期にしたことについて

正直、悔しくてたまらないです。「リリースツアーファイナル ワンマン」を「無期限の延期」にすることを、ライブを主催するアーティストとして決めました。会場のK.Dハポンのモモジさん、オープニングゲストのayaka.さんともお話し、多大なるご理解をいただいた上で、僕の判断でこう決めさせていただきました。


会場を用意してくれていたK.Dハポンのスタッフの皆さん。前売チケットを買ったり、予約の連絡やお話をしたりして、ライブ当日の予定を空けてくれていた人たち。行こうか迷ってくれていた人たち。オープニングゲストとしてライブを快諾してくれていたayaka.さん。スタッフとして協力するよと言ってくれていた人たち。ご連絡が遅くなってしまい申し訳ありません。僕が「やる」と言ったイベントにいろいろな人が合わせようとしてくれていたのに、本当にごめんなさい。


いろいろな立場や状況、意見があることは分かっています。音楽ライブが自分や人に与える力を今でも信じています。だけど、それよりも僕は、新型のウイルスについて未知なことが多い現段階で、取り返しのつかない傷を誰にも絶対につけたくない。そこには政府の動向がどうだとか、他のイベントがどうするかとかは一切関係ありません。僕は、新型コロナウイルス感染の可能性に、自分の企画に集まる全てのお客さんや関係者の人をさらしたくない。


「体調が心配な人は来場を自粛してください」とアナウンスして、予定通り開催することも考えました。また、無観客ライブをオンライン生配信できないかと友人に相談をしたら、友人はその他何人かにも声をかけてくれ、なんとかできるはずだと懸命に考えてくれました。


また、この10ヶ月余り、このリリースツアーファイナル ワンマンに向けて、すべてをやってきました。2020年3月8日に一つ自分の中の大きなゴールを絶対にして、そうして気持ちよく次へ向かいたいと心から思っていました。大規模コンサートが中止されるとなっても、僕がやるのはそれに比べればずっと小さな規模だからなんとかできるはずだとも思っていました。


だけれど、このイベントの会場や行き帰りの道中に、自覚症状のない感染者がいないとも限らない。また仮に本人は大丈夫でも、ライブ会場を後にしたその先にいる家族や職場の人たちの中に体の弱い人がいれば、感染させて最悪の場合死亡する可能性もある。世の中では2次感染、3次感染も起こっている。そして、日々更新されながら今も出回っている情報が、正しいにせよ間違いも含まれているにせよ、それらのものだけで判断するしかない。そんな特効薬も未だなく全容の見えない新型肺炎になり得るウイルスに、会場やその道中で感染しないという可能性がゼロにできない。


また、この状況でも何とか「やろう」と動き出そうとしたとき、どんな形にせよ僕がそうと言えば、協力してくれる人がいろいろな交通手段で会場に来てくれたり、自己責任で観に来ようとしてくれようとするのだと知った。本当に恵まれていて感謝したいことであると同時に、それは黄色信号を渡らせることを僕が自動的に各人に自己判断させることになるのだって思った。


このようなもやもやした状況の中で、僕自身が「ワンマンライブをやります!来てください!」とか、当日会場で「来てくれて本当にありがとう!!」って胸を張って言えない。それにね、無観客配信ライブをしたとしても、僕の音楽にはネットの向こうじゃなくて目の前にお客さんが必要なんですよ。想像して改めて思った。特に弾き語りというものは、そういうものなのかもしれません。バンドのスタジオライブのようにはならない。


もしかしたら心配しすぎなのかもしれないしネットやテレビの情報に踊らされていると言われればある部分ではそうのかもしれないとも思います。でも、僕は自分の企画に関わる人は一人残らず絶対に守りたい。自分が企画を主催する以上、僕は気をつけろって言ったよ?とか、感染した人は運が悪かったんだよ、自己責任だよ、なんて言いたくない。今はまだ小さな規模であっても、1イベントの主催者として、僕が1番揺らいじゃいけないのは関わる人全員の安心できる状況と安全な環境の保証だと思い、それができない今回のイベントの延期を判断しました。


それからもう一つ、いつもここぞという時に相談に乗ってくれる人たちの何人かと様々な話をする中で「会場に集まる人たちがそれぞれの不安や心配を多かれ少なかれ抱えながらも、企画が予定されていた当日にライブを決行すること」と、「いつになるか分からないけれど、たくさんの人の前で誰もが気持ちよいライブを開催すること」、どっちが僕はしたいのかと問われたとき、僕は後者をしたいと思った。なぜなら、苦渋の決断ではあるけれど「たくさんの人の前でライブをすること」の方が、このアルバムを作ってリリースツアーを始めるときから僕が願っていたこのリリースとツアーの大きな目的だったからです。それをこんな錯綜する情報とウイルスにぐちゃぐちゃにされたくない。だから事態の終息を待って延期し、もう一度挑戦させてください。


予定されていた2020.3.8(日) 名古屋 鶴舞K.Dハポンのライブの振替公演については未定ですが、新型コロナウイルスの事態が終息次第、また一から準備をします。また晴れて全く新しい気持ちで、やるはずだった会場で、集まるはずだったすべて、いや、それ以上の人に集まってもらって、人いっぱいの会場で気持ちよくライブが開催できることを、心に押し込めるように閉まい願っています。

その日にまた元気な顔で皆さんに会いたいです。


《今回の僕の判断の補足》
今回の無期限の延期については、僕がライブ会場を経営している人間ではなく、イベントに呼ばれて出演するアーティストでもなく、会場を1日借りてイベントを企画していた1主催アーティストという立場からした判断です。僕の立場は、その日1日だけのお客さんと関係者の安心と安全を確保することです。


ですが、ライブ会場を経営する人たちは違います。無闇に、僕と同じようにイベントを中止、延期するように言わないでください。なぜなら、それぞれの会場がそれぞれの会場スタッフの人たちから見えるリアルな人々の様子や各会場の経営状況や思いと照らし合わせて、感染拡大防止対策をし、自分の店から感染者を出さないことを最大限に努力しながら、音楽を鳴り止まさせないようにと、生計を立てていこうと踏ん張っている現実を浅くはあれど僕も知っているからです。また、たくさんのアーティストが、苦しい状況と思いの中で、開催されるライブに出演している気持ちも至るところにこぼれています。


また、有名無名に関わらず、企画を続行しているアーティストを責めないでください。僕が無期限延期の判断をできるのは、会場や出演者の方々の多大なる理解と、僕がレーベル等に所属していない1人のアーティストだからだと思っています。詳しいことは分からないことも多いですが、ライブ当日に向けてかけてきたお金の額や会社やアーティストの金銭的体力、巻き込むスタッフの数やその先に家族がいることなどから、急な変更ができないアーティストもいるのは当然かと思います。一人一人のアーティストがそれぞれの状況に合わせて最善の答えを出すしかない状況が今だと思っています。


蛇足や出しゃばりかもしれませんが、僕のこの行動で、中小規模でも素晴らしい時間を作っているライブ会場やミュージシャンに対する誤解や新たな偏見が生まれないことを望みます。どうか以上のことをご理解いただけると、ありがたいです。


できるだけ早く、また思いっきり音楽がいつどこであってもできる状況に戻れることを願っています。


《前売チケットを買ってくださっている方へ》
前売チケット代全額を払い戻しさせていただきます。個人様宛てに、各SNSのDM等でご連絡をさせていただきます。大変お手数ですが、払い戻し方法等の詳細については、そちらをご確認ください。


《取り置き予約の連絡をくださっている方へ》
本公演の開催を無期限の延期にさせていただいたので、混乱を避けるために一度こちら側からキャンセルさせていただきます。日程が決まり次第、改めてofficial website、各SNS等でお知らせさせていただきます。大変お手数ですが、再度しかるべきときにまたご予約いただけたらとても嬉しいです。


大変長文になってしまいましたが、最後まで読んでくれて本当にありがとう。


2020.2.29 ハルラモネル


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?