見出し画像

「家事代行」以上の価値をもたらしてくれた、二人と一匹暮らしを支える家事代行の方との日々

日曜日の朝7:50頃、「ピンポーン」と鳴る来客のチャイム
これが我が家の始まりの合図だ。

鳴らしてくださるのは家事代行の方。

7月から、毎週日曜の朝8時から3時間、家の掃除・洗濯をお願いしている。

二人暮らしが始まった日からずっと、家の掃除は毎週末私がやってきた。
掃除をしていたらあっという間に週末が終わる。そんな感覚だった。

以前、そんなモヤモヤを夫に伝えたところ、「家事代行お願いしてみる…?」の一言が返ってきた。もともと興味があった夫の一方、「他の人に掃除をしてもらうなんて…」とどこか抵抗を示していた私。若干の潔癖症で、片付けでも元の場所にきちんと戻してほしいと思う派なのもある。(もちろん夫も全く片付けをしない、というわけではなかったが、優先順位は低い)

とはいえ、今の家に引っ越しをしてから、さらに広くなった我が家では、より負担が大きくなり、いつの間にか自身が理想とする完璧な掃除を諦めている私がいた。

6月もまもなく終わろうとしていたある日の夜。
きっかけは忘れたが(諦めていた私に夫が痺れを切らしたのだったかな…?と思ったり…)、「一回試してみよう」と話になり、お願いをした。

当日私は朝から不在で、夫にお願いをしていたのだが、随時LINEでくる様子に夫は満足気味だった。どんなものか…と楽しみに帰ってみると、確かに綺麗になっている。「掃除」だからこそ、モノがなくなっている訳ではないのだが、スッキリして見える。悪くはないかも…と思うと共に、そもそも断る理由もなく、以後、毎週お願いをしている。

洗面やお風呂、トイレやキッチンなどの水回りから、リビングや各部屋の掃除をしていただきながら、シーツなど週末にしか干せないものも含めて洗濯を3回。

契約上、鍵は預けずにどちらかが在宅しながらお願いをしているが、家事代行の方がルーティーンとしている流れで、みるみるうちに整っていく我が家。私の気持ちが一番スッキリしているのは、日曜日の午前中かもしれない。

そんな日々が訪れて、あっという間に3ヶ月半が経ち、私たちの生活になくてはならない存在になった

これまでは「他の方にお願いをするなんて…」との気持ちが強くあったが、今はほとんどない。それ以上に、「掃除できておらず、汚くなっていくのを見ること」への罪悪感、辛さが日々積み重なる感覚で溢れていた日々から一変、今では「ちょっと汚いけれど、全て日曜日にお願いしよう」と思えるように

気づいたら溜まっていく段ボールをまとめることすら、「お願いしよう」という夫に従い、お願いすることで「相手に頼る」訓練になっている気がする。(そもそも段ボールの量を減らせないものか…と思ってしまうがなかなか難しい…)

そして完全に副産物だが、私にはさらに大きな価値を感じていることがある。

「生活を支え、時に話し相手となってくださる存在」の心強さである。

たまたまご家族が犬を飼われていることもあり、我が家の犬が距離を一気に近づけてくれた。

我が家の犬を可愛がってくださったり、犬の飼い方や犬用のアイテムについて話をしたり。また直近、犬が怪我をした際には心配をしてくださり、毎週少しずつ良くなる様子を見守ってくださっている。もちろん名前も覚えてくださっており、必ず呼びかけてくれる。犬も少しずつ認識をしてきたのが、家事代行の方がいらっしゃった時には勢いよく駆け寄り、しっぽを勢いよく振っている。

また実家から送られてきた、食べきれないほどの果物や野菜をお裾分けした際には、かえってお返しの品をいただいたり。

結果、家事代行以上の価値をもたらしてくれている

自分達の生活をサポートしてもらえるのは「親」くらいだと思っていたこれまでの認識を広げ、これを機に第三者がいる生活もいいな、と思うように。

とにかく私は感謝の気持ちでいっぱいだ。

たかが二人と一匹の暮らし。それでもお互い、忙しくする日々での優先順位を振り返ると、二人で支えるのは難しかったのだと思う。もちろん家事など生活を整えることに優先順位が高く「一緒にやろう!」との思いが強ければ、必要がないとは思うが、私たちの中では…だ。

この文章を書きながら改めて思ったが、我が家は夫と私の価値観が同じではないのも大きい。価値観の背景や思いを知りながらも、その時の最適解をつくっていくことが大切である。

そして最適解を考えるにあたって、私はなぜか思考と行動が矛盾していることがあるようだ。今回でいうと、自分は「自分のやりたいこともあるけれど、それ以上に『やらねばいけない目の前のこと』を一人で背負い込みすぎる」癖があることに気づいた。自分のやりたいことを本当に実現したいのであれば、「やらねばいけないことを極力減らす。それにあたって必要あらば他者(プロ)を頼ることも一つの選択肢である」とも悟った。

時には自分の考えの枠を取っ払うことも必要だが、それは私の可能性をさらに広げてくれるきっかけでもある。そう気づかせてくれたのも、未来に向かって淡々と行動する夫がいるからだ。

ちなみに日曜の朝、もっと寝ていたい…との気持ちになる日もあるのが正直なところだが、そんな時には仕事部屋で仮眠を取ればいい、とも覚えた。

「では、今日はこれで終了します。また来週もよろしくお願いします。○○ちゃん(犬の名前)、またね〜!」

今朝もいつも通りに家を後にするお姿に、犬を抱えた私は「ありがとうございました」と言いながら見送る。そして綺麗にしてくださった家をぐるっと見渡し、感謝の気持ちと共に「また始まる一週間を充実したものにしよう」そう心に誓うのだった。

この記事が参加している募集

QOLあげてみた

ありがとうございます。今の私はたくさんの人生の先輩方にお世話になったからこそだと感じています。いただいたサポートでは、後輩が迷った時に話を聞く際のカフェ代に恩送りさせていただきます。