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貯金がゼロの人間を慮るということ

過去の記事で言及したように、貧困は人の努力を許さない。それを「努力が足りないからだ」と非難するのはあべこべだ。

「自炊の方が安く済むのに自炊をしないのは甘えだ」と言う人がいたとする。

ええと、自炊の方が安く済むってのは野菜やら肉やら生鮮食品を、少量からではなくある程度一定量を買って、それを保存できる環境下で、ですよね??

ニンジンを買うとして。一本ずつより三本ずつの方が、普通は一本あたりの値段は安い。けれど、一本ずつより三本ずつの方が、一度に出さなくてはいけないお金は多いのである。みんながみんな「一本あたり」を考えられる環境にあるとは限らない。ニンジンの一本あたりの安さより、すぐに食べられる菓子パンの特売に飛びつかなくては生きていけない人もいる。

百歩譲って、三本が一パックのニンジンを買えるだけの余裕があったとする。けれど、一人暮らしで三本のニンジンを、一日のうちに使い切ることはあまりない。冷蔵庫があって、保存できないと、やはり「一本あたり」が安いニンジンは買えない。

冷蔵庫はとても安いモデルでも数万円はする。安月給で働かされ、キャリアアップのための時間も与えられず、固定費である光熱費と家賃で収入の大半が持っていかれてしまう人はどうやって冷蔵庫を買うのか。

ワーキングプアに対する、普通の人たちの無関心は酷すぎる。ましてや、自己責任論だなんて。

貧困は連鎖する。

貴方が貧困家庭に生まれなかったことは、貴方の「努力」なのだろうか?


春瀬由衣

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