映画『ヘヴィ・トリップ』感想。熱い気持ちになれるメタル映画。

『ヘヴィ・トリップ』という映画をご存知ですか?
とても面白そう!と、個人的には話題になっていた作品なのですが、あまりに上映している映画館が少なかったので、驚きました。
地元の映画館で上映していなかったので、新宿なんてオシャレな街にたった一人で行くことになってしまいました。

シネマート新宿には一度も行ったことがありませんでした。
小さめだけど、雰囲気があって、落ち着く映画館でした!ほかの映画に出てくる拳銃のレプリカ(スタッフさんたちが作ってるのかも?)や、雑誌の切り抜き、映画のシーンの写真たち。
映画好きが行ったらとてもワクワクする空間です。間違いなしです。上映作品が変わるたびに入れ替えてるのかな…そう考えたらめちゃすごい…

『ヘヴィ・トリップ』グッズのTシャツがとてもかっこよかったので、買おうとしたところ、売り切れ!
マジか!いや、大人気って聞いてたから仕方ない。上映している場所が少ないのもあるからな…
半分しょんぼり。そして映画を見ました。

めっちゃ良かった!!!

感想を書きます。ネタバレは無いようにしますが、これから見るよ!って人は一応、気をつけてください。


舞台はフィンランド。バンドを組んでいる4人の若い男性がいます。ジャンルはメタル。彼らの見た目も完全にメタルしてる人。
長い髪に、黒いバンTを着て、猫背で歩いてる感じ。ちょっと暗い感じ。周りから馬鹿にされてもうまく言い返せない感じ。陰キャ感。
そうそう!メタラーってこんな感じですよね。世間的に、メタラー=強面で凶暴な怖い人、みたいなイメージがあるんじゃないかと勝手に思っているんですが、本当のメタラーはちょっと暗い、静かな人たちが多めなんですよね。

彼らはライブをするため、フェスに出演するために、オリジナル曲を作ろうとします、しかし、いざリフを作ると、他の有名バンドの曲に似ちゃう!!
なかなか難しいんですよね…昔メタルバンドをしていたので、めちゃくちゃわかります。
かっこよくしようとすると難しいんです。大事なのはここから。ギタリストのロットヴォネンくん。トナカイの肉を解体する機械の音からインスピレーションを受けて、リフを作ります。
かっこよくしよう!と考えるとうまくいかないけど、もっと感覚的な、頭で考えないようなところからポン!と生まれるんですね。
もうギタリストが天才じゃん!って感じでした。めちゃくちゃかっこいいリフ。トナカイが叫んでそうな感じ。怒りと悲しみと、トナカイ。最高です。
そうして彼らは、初めてオリジナル曲を作ることに成功します。メタルならではの、ヤバい歌詞とデスボイス!バンド名は?『インペイルド・レクタム(訳:直腸陥没)』!!なんだそれ!!かっこいい!!(メタル脳)

ベーシストのパシくんが個人的にめちゃくちゃツボでした!(見た人はパシくん好きになった人多いんじゃないかなと思います。)
「君たちはどんな音楽をやるバンドなの?」
パシ「終末シンフォニック・トナカイ粉砕・反キリスト・戦争推進メタルです。
いや欲張りすぎ!!トナカイ粉砕しか絶対合ってないし!!そこまで、反キリスト・戦争推進してないでしょ!!付けときゃかっこいいと思ってるでしょ!!かっこいいよ!!もう爆笑でした。

メタラーって暗くて、静かな人が多いけど、それは内に秘めた熱い思いがあるからだと思います。
誰にも言えないけど、本当は世界中を呪ってやりたいと思ってる。本当はみんなをひき肉にしたいと思ってる。反キリスト!って叫んでみたいと思ってる。
それってみんな同じですよね。みんな静かに生きていても、夢とか野望とか、譲れないものを持って、強く生きているんです。
そういうことを決して忘れてはいけない。この映画を観て、そう思いました。

めちゃくちゃ笑って、最後はジーンと感動するような、心に優しい映画でした。

メタルが好きな人は、ぜっっっったいに観た方がいいよ!ホントに。

最後まで読んでくださり、ありがとうございました!


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