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あの日の動物園

阪神淡路大震災から28年。

私が住む神戸の街では
この時期に小学校の参観があり
防災教育の様子を見ることができる。


先日の娘の学年の防災教育が
とにかく感動だった。


「あの日、動物園はどうなった?」

ということから、
震災に遭った神戸王子動物園の
動物や飼育員さんの『きもち』を
考えていきましょう、というもの。


泣いている動物たち。
困っている動物たち。

どうして泣いているんだろう?
何に困っているんだろう?


部屋を暖められないから
寒くて泣いているんだね。

餌が食べられないから
おなかが空いて泣いているんだね。

うーん困った・・・


これだけだと、
震災は大変だった。
震災はこわい!になる。


だけど。


「九州から2日後に餌が届きました」
「京都からも9日後に届きました」

「全国から食料がたくさん届きました」

「中国からパンダがやってきました!」


神戸の街を応援してくれている
世界中のみんなの「応援」の気持ちを
知ることができました。


そして、その16年後の2011年。

東日本大震災のとき、
真っ先に餌を届けたのが
神戸王子動物園だったんだよ。


困っていたときに
みんなが応援してくれたから

今度はこちらが応援しよう!と
あのとき受け取った気持ちを
次につなげたんだよ。

気持ちを「つなぐ」ことを学び
温かい気持ちになって
最後は王子動物園の歌を歌った。


あの震災に
こんなステキなエピソードがあったとは
震災経験者の私も感動しかない。


これまで、
私にできる震災の話なんて
実際に経験したことだけだった。


廊下に本棚のトンネルができて
くぐって抜け出したよ。

自衛隊の人が作ったお風呂に入ったよ

初めての食事は
ビニール袋に入った白ご飯だったよ

みんなで毛布を床に敷いて寝たよ

ママが通っていた学校は全部潰れて
運動会のテントの下で勉強したよ


だけど、今は大丈夫。
みんなで協力して『復興』したんだよ。

お家は、その時より丈夫になったよ。

でも、防災は大事。
準備していれば安心して過ごせるね。

といった話だけだった。


学校で学んだ話との大きな違い、
それは
「何を伝えるために震災の話をするか」
が、ハッキリしているかどうか。


もちろん、自分自身の経験や
その時の気持ちも伝えていい。


ただ、できごとは一つでも
人との絆や心をテーマにするのか
防災について考えるのがテーマなのか
目的によって話すことが変わる。


目的によって
フォーカスする事実が変わるし
同じ事実でも捉え方が変わる。


『今は何を伝えたくて話しているか』
普段から意識していれば

子どもへの伝えかた、
上司、後輩への伝えかた、
お客様への伝えかた、

全てが変わりそうな気がする。


授業参観は
その内容も学びになるばかりか
先生の伝えかたも学びになる、と
つくづく思うから

これからも先生の授業から
たくさん学ばせてもらおう。



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