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『パパママ銭湯』が変わります、の話

2019年8月から始まった高円寺・小杉湯での『パパママ銭湯』も今年で4年を迎えます。多くの人に参加いただき、誠にありがとうございます。

新型コロナウイルスの影響を受け、様々なスタイルを模索してきましたが、今年から新たな形で再スタートを切ることになりました。
今日はそのお知らせです。

『パパママ銭湯』の定期開催をテスト的に再開します

これまで不定期開催だった『パパママ銭湯』ですが、拠点を高円寺・小杉湯に定め、定期開催を目標として、2023年2月、つまり今月からテスト再開します。

これまでと変わる点としては、貸切スタイルではなく、通常営業の間に開催されること。貸切ではなくなるので、事前予約が不要になりますが、それに伴い、スタッフの人数を最低限に絞り、入浴にいらしたお子さん連れのサポートに徹します。

あくまでお子さんとお風呂に入るのは保護者の方で、我々はそのサポートをする、という意味では、今までのように手厚いケアができなくなるかもしれません。この点についてはかなり悩みましたが、後述しますね。

開催スタイルの変更を決定した理由

今までの『パパママ銭湯』では、主催のわたし自身が子育て当事者ということもあり、「自分だったらこんなのがあると嬉しいな」という思いをもとに、スタッフを複数名配置し、場合によっては浴場でのサポートも行っていました。

が、今回、通常営業との並行開催に踏み切るにあたり、いつもどおりにお風呂を楽しみたい、と思って足を運んでいらっしゃる方への配慮として、最低限の人数に絞ることにしました。

これは前回のnoteにも書いている通り、

わたしが考える本当の目的としては、「パパママ銭湯がなくても、子育て者がゆっくりお風呂に入れたり、子どものにぎやかさを受け入れる場所を増やすこと」です。

パパママ銭湯について 2022
https://note.com/hase0831/n/n4a52b83f60f7

という点に立ち返ったことが理由です。

あくまで『パパママ銭湯』は地域と子育て者のハブとして、銭湯という場をきっかけに、街が子どもを受け入れられる場所を増やすための企画である、という結論に至りました。

この視点については小杉湯の三代目・平松祐介さんとも何度か対話を重ね、お互いの見ているものが同じである、ということから、開催場所を小杉湯に置き、定期的に、街の人と同じように入浴するためのきっかけを作っていくことに舵を切ります。

では、なぜ場所を絞るのか。

「点」を「線」にしていきたい

今までのように、『パパママ銭湯』に集まってくれた志を同じくするスタッフと、「大きなお風呂とこのメンバーがいれば、どこでも『パパママ銭湯』はできる」という強みを活かして、声をあげてくれたほかの銭湯で開催する、という方法もありました。

でも、それはあくまで「点」としての開催であって、「線」になっていかない、という課題も抱えていました。

せっかくこうして集まっているメンバーと、参加してくれた親子が、イベントとしてその瞬間でしか交流できず、子どもの成長を一緒に見守ったり、足を運んでくれた保護者のみなさんへの定期的なサポートを行なうことが難しかったのです。

本当にこれがやりたいことへの道筋なのだろうか、ということをずっと悩んでいました。前回のnoteをふたたび引用します。

本来であれば、貸切タイムとして街や街の人との関係を分けるのではなく、自由にお風呂に入りに来ていただくことで、育児者が銭湯をきっかけにその街に交わり、「顔見知り」という地縁をつくってほしい、と願っています。

パパママ銭湯について 2022
https://note.com/hase0831/n/n4a52b83f60f7

『パパママ銭湯』のスタッフの多くは高円寺周辺に縁があり、小杉湯という銭湯に愛着を持っています。そういう人と、小杉湯に足を運んでくれた親子が定期的に顔を合わせ、顔見知りとなって「地縁」を作っていくきっかけづくりをするには、どうしても「決まった銭湯での定期開催」と「貸切ではない開催スタイル」が必要でした。

「内輪」を広げていくために

貸切スタイルではなく、通常の営業時間で、他のお客さんと共存しながらやっていく。それは、『パパママ銭湯』が始まった当初のスタイルに戻す、というシンプルな決定ではありましたが、悩ましい判断でもありました。

スタート当初、まだ『パパママ銭湯』の開催が認知されていなかったこともあり、どっと親子連れが押し寄せたことで「子どもの声がうるさい」「『パパママ銭湯』があるなら、その時間を避けて入浴しに来たい」という、多くはないが少なくはないクレームがあったからです。

貸切スタイルにすれば、街の人との棲み分けができました。スタッフも、参加者も、ここはそういう場だから大丈夫、という精神的な安心感もありました。

それでも、やっぱり子どもは街の中で育っていってほしいし、大きなお風呂で、いろんな人と触れ合ってほしい。これはわたしの完全なエゴではありますが、小杉湯のみなさんとお話した際、同じように「親子で銭湯に入りに来て、そこで街の人との交流が生まれる、という暖かい風景を、n=1でもいいから作っていきたい」とおっしゃってくれたことで、この決断に踏み切ることができました。

子どもが苦手な人がいる、というのは理解しています。そういう人にまで受け入れてくれ、というのは身勝手だったな、と反省しています。
この点については、小杉湯のみなさんから、常連さんに『パパママ銭湯』開催のお知らせを積極的に行ってもらうことで棲み分けられるようにする方法を模索していきます。

ただ、もし「『パパママ銭湯』、まあいいんじゃない」と思ってくださる人がいたとしたら、今まで通り、小杉湯のすばらしいお風呂を楽しみながら、子供連れにも暖かいまなざしを向けていただければと思います。

そのためにも、今までのようなスポット開催ではなく、定期的に振り返りを実施し、改善のサイクルを回していけるようなスタイルにしていきたいと思っています。

最後に

思いが長くなってしまったので、要点をまとめます。

  • 『パパママ銭湯』を2023年2月から再開します

  • 高円寺・小杉湯を拠点とし、定期開催を目指します

  • 今までと異なり、予約不要、通常営業との共存となります

  • そのため、スタッフのサポートスタイルが今までと変わります

このスタイルで良いのか?本当に子育て世帯のためになるのか?という疑問については、わたしも正確な答えを持ち合わせていません。

ただ、子連れだけど、広いお風呂でのんびりしたい!という思いを受け入れてくれる、待ってくれている銭湯があるということ、その場を作ろうとしてくれる人たちがいることを知ってほしい。

そして、子どもを育てる、というタフな状況に立ち向かっているみなさんは、けしてひとりではないよ、ということを伝え、一緒に子どもを見守る大人を増やしていけるような仕組みをつくっていきたいと思っています。

これを読んでくださった方が、少しでも共感してくださると嬉しいです!

最後までお読みいただきありがとうございました。

★以前書いたnoteも貼っておきます👇

★パパママ銭湯公式Twitterはこちら。
今後の告知などもこちらで行っていきます!

https://twitter.com/PapamamaSento

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