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ホンヨミタイ-読書前感想文-

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読書"前"感想文を集めたマガジン。なんでその本を本屋から選んだのかを書くほうが楽しいのではないか。読んだ本の結果は多少違えど、読む選択をした理由のような、もっと内的な話のほうが魅… もっと読む
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まっすぐになってしまった君へ【#カバーニャ要塞の野良犬と表参道のセレブ犬】

最近、すごく遠く感じる。 あんなに近くにいたのに、いつの間にか健やかに幸せになっていて、いくつもの冠を被り、身勝手だけどとても寂しくなった。 教室の後ろの隅っこで新聞紙丸めてゴルフしたり、失恋したら真夜中の公園を裸で走ったり、敗者復活戦でのし上がりはぁはぁしながら会場まで走ってたじゃないか。 こんな気持ちを、オードリーの若林正恭さんに抱いています。 私は学生時代の同級生とかではなく、彼がコラム等で綴っていたエピソードを集めて今、ここに記している。どうしてか、若林さんの

#1 人と人の繋がりを見直す 「他者と働く」

これは、読書前感想文です。 父が京都の僕の家にきた。これから必要な家や車を探して回るため、そのお手伝いをしに来てくれた。 コンビニでビールを買って、二人で飲む。足の指をぶつけて情けない骨折をしてからビビってアルコールには手を出せなかったが、1本くらい大丈夫だろう。 父の会社の話になる。僕が就活に悩みまくってぴえんぴえんしだした頃から、父の方からも会社や仕事の話を聞くようになった。打ち明けられるものがお互いに増えたみたい。 とはいえ、父が勤める会社は結構ボロボロな状態だ

積読中毒者

◯です。 積読とは、本を買って放置していること。 ぼくは末期患者です笑笑 面白そうな本を買って、積み重ねて、時間がただ過ぎていきます。 今回は積読の被害に遭っているぼくの面白そうな本をリストアップし、読まなければいけないという使命感を少しでも出そうと思います。 いつもどおり恣意的な内容の記事です。 新蒸気波要点ガイド ヴェイパーウェイヴ書籍の金字塔とも言えるのではないでしょうか。 衝動買いした一冊です。 Tempalayというバンドのsonicwaveという

”読書前感想文を書いてみた”というnoteを読んで自分も書いてみたら意外な気づきを得た話。

2020.8.25 tue 晴れ きっかけはあるnoteを読んで最近noteを読むのもおもろしくてつい読みふけってしまいます。 noteを紹介している人も多くて、ある人のnoteから別のある人のnoteに渡り歩くという流れで読んでいるとあっという間に時間が過ぎていきます。 まあなんとか時間決めて抜け出すんですけどね。 そうして、たどり着いたのがこちらのnote。 ”読書前感想文を書いてみた”ってタイトルに、「え、読む前に感想ってどういうこと??」と興味をそそられ、読

本には弱みが出がち

今日は本を5冊買った。近所の古本屋が閉店するらしくて、30%オフやってた。 そこで今日は購入した本を紹介しようと思う。 中身じゃなくて、なんで買ったのかを紹介していく。買った理由を書くだけで、読んでないから良い本かどうかもわからないから万が一気になった本があったら自分で探してほしい。 基本的にはhow to本が中心。 1冊目:SHOE DOG how to本が中心って書いたけど、1冊目はナイキの人の自伝らしい。 アマゾンのレビューに「 進むべき道に悩む若い人に」とい

本との出会いは家でもできる

青山ブックセンターさんで本を買った。 といっても実店舗には行けないので、お店の棚から本が買える青山ブックコミュニティーのアンバサダー特典を使って。 最近実用書より誰かの話や物語を読みたくなっていたので、今回はそんなラインナップになった。 1.ルシア・ベルリン『掃除婦のための手引書』 前々から話題になっている本。 まさに誰かの物語だなと。 どこの本屋さんにもあるし、良い機会なので。 2.エレン・フライス『エレンの日記』 完全に直感。 この方のことは全然知らないけど、キャ

香りと存在

県を越えての移動が制限されている今、1か月に1回くらい会えればいいかな‥なんてことを思っていた私たち遠距離カップルには受難の時である。まぁ人類はいつも、こういうことはきちんと乗り越えているからあまり深刻に落ち込んでいるわけではないのだけど。太陽の活動が大幅に変わらない限りね。 とはいえ、こんな急激な環境変化は、今まで読んでいた本に新しい気付きをくれることとなった。 * 私は、なるべく仕事仲間が「この本いいよ」といった本については読むようにしている。仕事とは別に、その人の

中村文則『逃亡者』を読む前に

#読書前感想文 という素敵企画に参加できていなかったので、大好きな作家の新刊を読む前に少しだけ。 * 中村文則さんの書く小説は、とにかくテーマが大きい。新刊が出る度にこれ以上はないだろうと思っていると、きちんと裏切ってくれる。教団、帝国、緊縛(!)……そして今回は信仰だ。毎度のことだが参考文献が多く、校正される方は大変なんだろうなと余計な心配をしてしまう。 好きな作品はたくさんあるけれど、なかでも一番好きなのがあとがきである。作品ごとに巻末に1ページだけ割いていて、「こ

読書前感想文「音楽の根源にあるもの」

去年の春、私は友人と伝統音楽のコンサートを聴きに行った。 ヨーロッパから西アジア、中央アジア〜そして日本を繋いだシルクロードを音で再現する、という趣旨のコンサートだった。 (ご興味ある方はこちら→https://www.lfj.jp/lfj_2019/about/article_02.html) 演奏を聴きながら、私はびっくりした。 こんなにもおもしろい音楽があったのか。 名前も知らない管楽器が描く、砂漠の地平線。 まだ見たこともない、大地の土埃のにおいがした。 草原を駆

新刊から古書まで、たくさん本を買った1ヶ月の記録

本を買った時の感想を書く「読書前感想文」という企画をやっています。 3月もたくさんの読者前感想文をいただきました。自分も家ごもりのために、たくさん本を買いました。自分の買った本の紹介と、3月1日〜4月6日までにエントリーいただいた読者前感想文をあわせて紹介します。 読書前感想文。どうして、その本を手に取った? 『いいことから始めよう―スヌーピーと仲間たちからの生きるヒント』エイブラハム・J. ツワルスキー (著) 精神科医がスヌーピーのエピソードから、自己評価・自己分析

僕らが旅に出る理由 - The Journey - 自分の生き方をつくる原体験の旅

自分にとって旅をすることは何なんだろう。そんな答えは曖昧なまま、もう今年、40歳になろうとしている。 旅に出たいと思うきっかけってそれなりにいくつかある。 1.価値観を変えてみたい 強制的に普段の生活とは異なる文化圏の中で暮らしてみることで、価値観も宗教観も哲学も、生き方も異なる人たちの中で生き、 交流することで凝り固まった視野を一度壊してみたい気分になる。 2.純粋に名所に行ってみたい。 これは普通の理由。だって名所、見たいもん。 3.誰かと出会う!? 基本、超簡単

読書感想文嫌いが書く「読書“前”感想文」

読書感想文が嫌いだった 夏休みの宿題の「読書感想文」がとにかく嫌いでした。読書は好きな方で、乱読していて、1日1冊の時期もかなりあったのに。感想文は大嫌いでした。8月31日に泣きながら無理やりに原稿用紙を埋めた記憶しかありません。 読書“前”感想文とは。  長谷川翔一さんがnoteで書いてくれてます。字のまんまです。読む“前”に「なぜこの本を手に取ったか」を書く。それだけ。 やってみるか。 なんで読みたいと思ったか、くらいなら書けるかなと思いました。長谷川さんもそんなに長

本との出会いとか、雑食な読書は散歩に似ている

散歩が好きだ。特にあてもなく歩き回る豊かな時間。 そして多和田葉子がベルリンを散歩しているというのだから、そりゃあ気になって買ってしまう。カバーのイラストもいい感じ。 雑食で何でも読む自分の読書遍歴もまた散歩的なものかもしれない。 思えば日本文学は散歩好きだよね。例えば坪内逍遥なんて名前自体が逍遥≒散歩なわけで。 Amazonのレビューでは永井荷風の『日和下駄』を引き合いに出している方もいた。これも路地裏の散歩、散策の作品だ。 多和田作品をたくさん読んでいるわけではな

噺家の本にハズレなし

落語が好きで自伝が好きなので、そりゃ見かけたら買うわな、というのが柳家小三治『どこからお話ししましょうか』だ。 志ん生→志ん朝→談志→圓生→その他諸々拡散、といった感じで落語にはまった口で、今でも徒歩通勤の途上、一席聴きながら通う日も多い。 そして小三治さんも80歳なのね、、、当代一の噺家の本なので非常に楽しみ。だいたい噺家は当然のごとく話がうまいので大体、噺家の本は面白い。噺の導入部である「マクラ」が抜群に面白いことでも知られる小三治であればなおのこと期待は高まるという