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会社のパーパスと個人のパーパスを結びつける/「THE HEART OF BUSINESS」より

私が強く感銘を受けた書籍に、米企業ベストバイの元CEOであるユベール・ジョリーの著書「THE HEART OF BUSINESS」があり、自社のパーパス作成や幹部研修に役立てています。この本は、ビジネスの成功における「パーパス」の重要性に深く言及しています。著者は、ビジネスの真の目的は、単に利益を追求することではなく、より大きな社会的、倫理的なパーパスを持つことにあると指摘しています。さらに、経営の優先順位を「①人→ ②ビジネス→ ③財務」と置いています。

著者によると、会社のパーパスが明確であればあるほど、従業員は自分たちの仕事に対する意味と価値を感じやすくなり、会社のパーパスと個人のパーパスが結びついたとき、組織は信じられないような大きな成果を発揮すると指摘しており、これは私にとって一番印象に残っている部分です。従業員が自分の仕事を通じて個人的な成長を遂げ、より大きな目標に貢献していると感じることができるからです。

例えば、会社が障害者の社会参加をパーパスとしている場合、同じ価値観を持つ従業員は、その会社で働くことにより、自分自身がそのパーパスに貢献していると感じることができます。このように、パーパスの共有は、従業員のモチベーションや満足度を高め、結果として組織全体の生産性やパフォーマンスの向上につながります。

著者はまた、リーダーがいかに会社と従業員のパーパスを結びつけるかに言及しています。リーダーはまず、部下やメンバーが大切にしている価値観や想い、モチベーションの原動力や夢、目標などを知ろうとし、それを理解することだと言います。そして、その夢や目標に向かってともに考え、実現するための成長を促し、支援することだと説明します。

もう一つ、私の印象に残っているリーダー像として、「リーダーはスーパーヒーローではない」「リーダーは弱さを見せるべきだ」というものがあります。リーダーとは優秀で、なんでもかんでも解決し、成功に導くというのは幻想で、できないことがあって当たり前で、そのできない部分を見せることで部下やチームメイトがそれを補完してくれると説きます。

「THE HEART OF BUSINESS」は、ビジネスの成功が単に利益追求ではなく、より深いパーパスの追求にあることを示唆しています。今や「従業員を大切にする」という考えは浸透してきているかもしれません。しかし、著者の実際の経験に基づく成果や洞察は、ビジネスリーダーや経営者に限らず、全てのビジネス関係者にとって有益なものとなるはずです。


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