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長谷川賢人
2016年6月26日 10:40
スマートフォンはとても便利。インターネットにつなげる、文章が書ける、写真が撮れる、音楽が聞ける……挙げればきりがないほど「できること」が多いものだ。でも、僕はどうにも「それしかできない道具」に惹かれるところがある。それが「仕事を支える道具」なら、なおさらだ。電気工事士だけが使う特殊なドライバーとか、ラジオパーソナリティにとってのマイクロフォンとか、美容師の髪切り鋏とか。潔い佇まいと、高性能であ
2016年6月19日 22:14
「なんのへんてつもないもの」を買うことが人生でどれくらいあるだろうか。でも、たぶん「なんのへんてつもない」は他人に向けての言葉であって、私にとって大事なものというのはあり得る。だから、そんなものは胸を張っていいと思うのだ。この化粧板のように。なんのへんてつもない、板である。白くて、すべすべして、大人が持ち上げる時に少し踏ん張る程度には重い。こんなものが部屋にある男性は何かしらを疑って構
2016年6月12日 17:35
塗り薬を買った。「職業病」という言葉が、けっこう好きだ。その仕事をしているからこその痛みや悩みには、ちょっとだけ誇らしい響きもあると思う。誇らしい気持ちを隠して、弱っているんですよね、という表情を浮かべないといやらしくなるような気がするところも含めて、どうもいじらしく、愛らしい。僕はウェブメディアの編集やライターをしてご飯を食べているので、肩と腰、それから手首あたりにダメージが溜まる。同じ
2016年6月5日 14:33
塩を買った。赤いキャップにガラス瓶の食卓塩にはじまり、トリュフだ、ヒマラヤだ、カレーだと、味付けやら産地やらで個性ばらばら、そこはまるで人種のるつぼ。調味料でも一等面白いのが塩だと思う。麻布十番にある塩専門店では試食もできるので、あっちをぺろり、こっちをちろりとやってみると、粒の大きさ、滑らかさ、塩気の立ち方、甘みのあるなしというのがわかってくる。「しょっぱい」という味わいのくくりが、