#76 近づかなくっちゃかなわない 34 ハシビロコウバンド物語 2023年7月6日 20:39 ハシビロコウは顔に似合わず寂しがり屋だった。孤独を好む寂しがり屋は、いつの時代も敬遠されガチ。 突然思い立って、相手の気持ちも考えず、人に甘えようとするからだ。でも、他にどーすればいいのだ。と、ハシビロコウはいつも悩んでいる。ソーシャルディスタンスにかこつけて、いつも悩んでいることを歌詞にしたためた。落花盛が手グセのようにギターで弾いていたコード進行。あわせて口ずさんでいたメロディーに上手くハマって、「近づかなくっちゃかなわない」という曲が出来た。ハニワも満足気だ。あんまし打ち込みのパートも多くなく、すんなり仕上がったからだ。 ハニワは音数が増えるのを嫌うし、気分次第で突拍子もないアイデアを出されるのも嫌った。ただ、ハシビロコウのギターストロークへのこだわりには毎度辟易させられている。 「どっちがいいかな?」と聞かれるたび、面倒くさいので最初に聞かせてくる方を選ぶようにしている。 最初に聴かせてくる方に賛成して欲しいだけなのだ。 「ミックスしたらそんなニュアンスまでは残らないけどなあ」とも思うが、ハシビロコウの中ではこうでなきゃ、ってこだわりがあるんだろう。なら悩むなよ、とも思うけど。ただ、今回はテイクを重ね過ぎだ。一度説教してやんなきゃ気がすまない。練習してこいや、と思う。でも、前回もそう思って結局言わなかった。大抵の事は、言わない方が良いんだよな。 …to be continued.ハシビロコウバンド物語「第七十六話 近づかなくっちゃかなわない」初出 2022.3.3 #ショートショート #創作大賞2023 #ギター #バンド 34 この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか? 記事をサポート