【31. 再燃】

…チリン…チリン…チリン…
と鈴が鳴る。
軽快な足音のようにも聴こえるその小さな音色は、
…チリン……チッ…リン…
ちょうど棚をひとつ挟んだ向こう側で急に途絶えた。
心配になって
…スッ…
と背伸びをしてみるが、低い身長のせいか頭すら見えない。
とりあえず棚の端のほうへ廻り込み、そこからそっと覗いてみた。
─あれ?消えた…?─
一瞬そう思えるくらい、彼女は通路の真ん中辺りで床に片手を突いて小さく蹲

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【30. Lies and Truth】

────────
彼の指先が、耳朶[みみたぶ]を撫揃[なぞ]りながら彼女の肩まで伸びる髪を梳[す]いた。
すると、それまでずっと固く閉ざされていた彼女の唇が、微かな、どこかぎこちない吐息と共に解放される。
一気に絡み合う2人の舌先。
互いの唾液が、重なる唇に潤いを与えてゆく。
彼の腕に身を任せ、彼女はベッドへと横たわった。
着衣の上から身体中に触れる彼。
「怖い…?」
「ううん…怖くない…」
時折

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10本がイケメン2本に変わって…

もう時系列あきらめて、次々書いていくことにした!

書きたい人もいっぱいおるし。どんどん薄れていっちゃうので。

カプ茶のイケメン君(ここよりK君)と約束の日。実は会うまでに私は彼を怒らせてしまっていて…ダブルブッキングみたいな感じで、この子がダメだったら会って?みたいな言い方をしたから・・・そりゃ怒るわなw

怒らせちゃってから、あーーーどうしようーーー失いたくないし、会いたいし…で、急いでもう

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(*´³`*) ㄘゅ💕
3

【29. 幻影と現[うつつ]と疑惑】

部屋に遺された書き置きと、今朝方になって漸く復活した彼女の携帯の呼出し音から察するに…
─とりあえず…無事─
なのは間違いない。
でも、彼女は電話に出ない。
─昨日、
「先に部屋に戻ってて…」
なんて言ったのがやっぱマズかった…?─
他に思い当たる節は…無い…。

彼は、急遽この一週間の仕事の予定を変更し、靄々[もやもや]した気持ちが晴れることを願いながら新幹線に乗り込み、今やっと彼女の部屋に着い

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【28. 煉獄】

〈この章のまえがき〉
今回のエピソードに関しては特に…
内容的に受け付け難いと感じられる方が多くいらっしゃるのでは?そんな風に感じています。
実際書いている自分ですら…そうでした。

また、このお話し【タイミング】はあくまでも18才以上の方を対象とした読み物です。
それ以外の方は、ご遠慮いただきますよう改めてよろしくお願い申し上げます。
では、本文をどうぞ…

勿論、2人はその他にもいろんなところ

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【27. お出掛け5(仮)】

色んなところへお出掛けしたその中で、2人の一番の想い出は…
やはりあの休日。

「今度、纏まった休み取れそうなんだけどさぁ…こっちに遊びに来ない?」
「うん、いく。…じゃ、迎えに来てくれるぅ?」
彼女は冗談半分で言ってみた。
それに彼は
「うん、いいよ?」
予想外のマジ回答。
更に
「そん時…どっか…『行ってみたいなぁ…』ってとこ…あ~る?」
と感情を込めた訊ね方をする彼に、彼女は速攻で
「あるっ

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【26. 裸足】

ある日の深夜遅く、彼の部屋。
そこで声を極力圧し殺しながら愛し合った後、彼女は独り部屋を後にした…。
ちょっと近くのコンビニまでお買い物?
いや、そんなんじゃない…。
彼女は、駐車場の真ん中辺りまで来た所で突如立ち止まった。
振り返った正面には、等間隔に幾つも並ぶ玄関のドア。
…キョロキョロ…
と頻[しき]りに廻りを気にしている。
が、特に誰かいる様子はない。
そして、2階の、右から2番目のドアを

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【25. マイルストーン】

その日の仕事帰り、彼女はいつもの食事会。
明日はお休み。
ということもあって、いつもよりちょっと遅い時間に部屋へと戻ってきた。
つかれたせいか、シャワーも浴びずに寝間着に着替え、ソファーに埋もれる。
何気無くTVを点ける。
─あ~、そう言えばこれって…─
職場の皆んながよく話題にする病院を舞台にしたドラマ。
その音声だけを聞きながら
〈さっき部屋に着いたよ〉

〈明日もまた連絡するね。おやすみ〉

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【24. お出掛け4、風(仮)】

中華街に着いた2人は、でっかい肉まんや火傷しそうなくらいに熱々のスープが飛び出す小籠包、北京ダックなんかを散々頬張りながら、お昼ご飯をどの店で食べようかと悩んでいた。
端から端に、隅々まで、行ったり来たり。
「どうする?」
「どこで食べるぅ?」
結局、辛党の彼の意向で、可愛らしい名前の四川料理のお店に決定。
そこで担々麺を啜っては
「かっらぁ…」
麻婆豆腐を食べては
「かっら!」
と連呼する彼。

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【22. お出掛け2】

例えば、こんなお出掛け…。

「そういえばさぁ…あの話し…考えてくれた?」
「ごめん……もう少し…待ってくれる?」
「うん、わかった…。はい、着いたよ。一応、服着てね?」
後部座席に畳んで置いたいつものワンピースを着ている間、彼は何やらメールをしながら待つ。
「よいしょっ」
と彼女の腿が隠れた時点で、
…パタン…
と携帯を閉じる。
「じゃ行ってみる?」
「うん」

彼がチャイムを押した。
玄関のド

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