底抜けに元気の良い隣のパートのおばさんに秘訣を聞いてみたところ 「これよこれ。お腹も溜まるし良いわよぉ。後で作り方、教えてあげるわね」 と、色とりどりのサプリがみっちりと詰まった水筒を取り出して飲み始めた。
大怪我してどこかの病院に担ぎ込まれ、手術室に向かう途中の廊下の壁に 「脳-g/5000円」 「血管-cm/300円」 「肺-1つ5万円」 等の張り紙がしてあるのが見えた所で気を失った。
「おはようございます、ミルクを頂けますか」 「お手数お掛けしますがオムツを替えて頂けると幸いです」 「大変機嫌が悪いです」 と話すのは生後7ヶ月の我が子だが、本当に我が子なのだろうか。
京都のとあるお店には、その人に合った妖怪を紹介してくれるサービスがあると言う。
新居を建てるにあたって階段下収納を設けたのだが、そのスペースだけ異様に酸味がかった臭いがする。
真っ直ぐ育つはずの木が曲がりくねって育つ事がある聞くが、我が家の裏庭のそれに鼠が頻繁に集っているのと何か関係があるのだろうか。
間違って回送列車に乗り込んでしまった友人と連絡がつかなくなってから、明日で4年になる。
変人と天才は紙一重と言うが、心理学の世界的権威であるこの男は、驚いたりすると毎回 「ヒョーヒョー」 と妙な声を上げるという。
彼の隣に立つ女性が見える人と見えない人といるらしいのだが、見える人の大半は1年以内に大怪我を負うという事らしく、私は既に大怪我を負っているが未だに見えている。
その家は間取りや家具、日用品、食べ物やありとあらゆる全ての物が三角形なのだという。
蛍光灯を外して替えようとしたところ 「はい」 と渡され素直に受け取ったのだが、後ろには誰もいなかった
ある10階建てマンションの05と付く部屋の明かりが、9時を過ぎた辺りで上階から順に1回だけ明滅する
信号で止まる斜め前のデリバリーピザのカゴから、容量を遥かに超える黒い虫が溢れ出している
「誕生日おめでとう!」と渡されたクッキーから、どうにも鉄の味がする
本を読む時に頭の中で声がするというが、健康診断でレントゲンを撮った際、口の様な物が映り込んでいた
【1行怪談】ステンドグラス 曾祖母の家に飾ってあるステンドグラスに描かれている女神は、年に数回血の涙を流すので、都度拭かねばならない。
この国では身分が高いもの程高いヒールを履かねばならないのだが、国王に謁見するにはヘリを使わねばならない。
割れそうな痛みが走る頭を割ると、痛みが無くなりすっきりとした気持ちになった。
あるアパートの一室に毎日の様に郵便物を届けているが、毎度差出人の名前と住所が違うし、毎度宛名が違っている。
「下着……歯ブラシ、充電器……よし、全部入れたかな……あ、違う違う、これ忘れてた」 と、修学旅行の準備をしていた娘が徐ろに、刃渡り30cmくらいの菜切包丁を旅行バッグに詰め込んだ。